時間貧乏、時間富豪とは?
所有しているお金や財産の多寡に関しては、大きな格差がありますが、私たちは皆、一日が24時間、という点については共通です。
その中で、多くの人が、「24時間が少ない」「自分のやりたいことに十分に取り組むには時間が足りなすぎる」と感じています。
そんな人が一般に「時間貧乏」と呼ばれます。
一方で、「時間富豪」「時間リッチ」と呼ばれる人たちは、時間貧乏の人たちとは反対に、たとえ仕事等でどれほど忙しかったとしても、自分や大事な人のために費やす時間は十分にあると感じているのです。
そんな時間的な豊かさの違いは確かに確認されているのですが、しかし、その違いは、実際にその人がどのくらい自由に使える時間を持っているのかということは関係がないということがわかっています(R)。
すなわち、いわゆる「ニート」と呼ばれるような、一日中自由に時間を使える人よりも、朝から晩まで忙しく働いて、帰宅したら家族のために労を尽くしている人のほうが、時間的な豊かさを感じているということがありうるのです。
なので、今実際にどのくらい時間を自由に使えるか、ということは関係なく、誰もが少し意識を変えるだけで、「時間富豪」になることができるのです。
大きく生活を変える必要なしに、普段の習慣に少し手を加えるだけで、時間的な豊かさを獲得することができて、その結果として「しなければならないこと」ではなく、「自分が本当にしたいこと」に時間を費やせるようになるのです。
それは当然で、仕事とか、自分が義務的にやっていることをすべてやらなくてよいとなれば、やりたいことに思いきり取り組むはずです。
主観的にそのような状態を作り出すことができれば、そのように、やりたいことに取り組めるようになるわけです。
時間貧乏と時間富豪の違い
時間貧乏と時間富豪の定義のようなものを押さえたうえで、次に、彼らがの人生にどのような違いがあるのかを見ていくこととします。
まず、複数の文献(R,R,R)から、以下のことがわかっています。
- 時間富豪の人たちは、時間貧乏の人たちに比して、「幸福度が高」く、「ストレスが少な」く、「生産性が高」い。
- 労働時間が長い人、「忙しすぎる」と感じている人は、生活への満足度が低く、環境の持続可能性という面から見て、破壊的な行動をとる傾向がある。
- 時間的なプレッシャーにさらされている人は、そうでない人に比べて、悩みとか、苦痛を感じている。
- 主観的に時間的なプレッシャーを感じている人はさらに、悩み、苦痛を感じている。
- 時間貧乏な人たちは、ボランティア活動に参加する割合が低い。
- 時間貧乏な人たちは、緊密な人間関係を有している割合が低い。
というわけで、雑に言えば、時間富豪の人たちは多くの面でよりよい人生を送っていて、社会的にも恩恵をもたらす行動をとっているということがわかります。
最近は少なくなってきた印象がありますが、忙しいことが偉い、長い時間働くことが正義、みたいな風潮が少し前にはあった気がしますし、そもそも人間は、暇な時間を嫌うようにできています。
でも、人生をよりよくするために、時間的な余裕、言い換えれば「暇な時間」を確保することは非常に有効な手段です。
自由に使える時間がなければ、人生を改革することなんてできませんからね。
なんとなく、別に進んでやりたいとは思わないけれど、頼まれれば別にやりたくないわけでもない。みたいな中途半端な選択を繰り返すことによって時間を使ってしまうのではなくて、はっきりした基準をもって、自分がとるべき選択をとっていくことが非常に大事になるでしょう。
ってことで、断り方の技術を身に着けるとか、価値観を明確にしておくということが、時間富豪になるために有効な手段と言えるでしょう。
時間富豪になる方法
ほかにも、ゲームデザイナーのジェイン・マクゴニガルさんによれば、以下のような方法が提案されています(R)。
- 「力」を想起できるような行動、意識をする。
- 他者を手助けする。
- 畏怖の念を抱く。
- クロノタイプに従った生活を送る。
- 初めての体験を増やす。
- 深呼吸をする。
- 車を運転する時間を減らして、徒歩、または自転車に乗る時間を増やす。
ってことで、自分の意思で選択した行動に、徹底的に集中して取り組むことが大事なのかもしれません。
瞑想とかで、マインドフルネスを鍛えるのもいい方法だといえるでしょう。
お金を増やすことは一朝一夕にはできやせんでしょうが、これらを実行するのは、今日からでも可能です。
また、お金が増えても幸福度もリニアに向上するとは言えませんが、時間的な豊かさを増やせば、その使い方次第で幸福度はお金を多く貰った時以上になる可能性は十分あるでしょう。
ってことで、そんな難しいことでもないんで、出来ることから試してみるといいのではないでしょうか。
参考になれば幸いです。
それではまた。