メンタル

カップルで音楽を聴くことによるストレスへの影響を調べた研究の話。

「ストレス解消に好きな音楽を聴く」という人は少なくないでしょう。私自身も、リラックスするために好きな音楽をよく聞いていたりします。(最近だと、Queens Of The Stone Ageとかを聞いています。)




で、今回紹介する研究(R)では、「カップルで音楽を聴いたら、どんな効果があるの?」みたいなことを調べてくれておりました。

実験に当たっては、

  • 日常生活で音楽を聴くことはカップルにとって有益な効果があるか?すなわち、ストレスの減少に寄与するか?
  • カップルの2人の間の音楽の趣向がその効果に影響を及ぼすか?

という2点の疑問が提示されていて、音楽を聴いて、男女それぞれぞれに与える影響を定量的にチェックしてみたらしい。この実験では、40組のカップルを集めて、それぞれに、

  • 2人の関係性、ストレス、音楽の好みなどの質問に答えてもらう。
  • その後5日間にわたって、起床直後、起床から30分、150分、480分、720分後、就寝時の6回、音楽を聴いてもらって、その時分泌されたコルチゾールとか、αアミラーゼとかをチェック。

って感じで、主観的なストレス値だけでなく、生物学的な観点からも音楽を聴くことによる影響が調べられたそう。

その結果は、

  • 女性は音楽を聴くと、コルチゾールの分泌量が減少することが確認されたのに対して、男性は、αアミラーゼの活動が活発化していた。
  • パートナーの女性が音楽を聴いた場合に、男性は、コルチゾール値の低下、αアミラーゼの活動の活発化が確認されたのに対して、パートナーの男性が音楽を聴いた場合に、女性は、αアミラーゼの活動の活発化がみられる傾向があった。
  • 音楽の好みに関しては、好みによって主観的なストレス値に違いは見られなかったが、好みが似ている場合に、パートナーの女性が音楽を聴いた時、男性のコルチゾールの分泌量はより減少する傾向がみられた。

ってことで、音楽を聴くと、男女ともに生物学的なストレスの減少が起きるわけですが、その過程に違いがあるようです。つまり、

  • 女性は、生体のストレス反応をつかさどるといわれる視床下部-下垂体-副腎軸の活性を押さえることで、ストレスを減少させる。
  • 一方男性は、自律神経系を活性化させてストレスを減少させる。

ということですね。

さらに音楽を聴くことによるストレスの減少が、パートナー間で伝染し、さらに音楽の趣味が似ていると、その効果はさらに大きくなる、ということです。

なので、ストレスが減少する過程は男女間で異なっているとしても、結果的にストレスの減少という結果を共有できるかも?と考えられて、なかなか面白いです。

もっとも、先行研究では、音楽を聴く状況(聞く理由とか、モチベーション、場所とか)によって音楽のポジティブな効果の出方に違いがあることが示されていたりするので、必ずしも今回の結果が適応されるとは限りません。

とはいえ、ストレスが解消されるうえ、カップル間の仲も深まるかもしれんということで、積極的に好きな音楽を楽しむ時間を設けてみるのはいいかもしれません。

参考になれば幸いです。それではまた。

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