メンタル

PTSDを予防する方法についての話。

PTSDとは?

PTSDというのは、心的外傷後ストレス障害というやつで、例えば自然災害とか暴行を受けたりとか大きなショックを受けたことによってしたことによって、過去の体験がフラッシュバックしてきたりするのです。


それによって、精神的に過敏になったりして、例えば暴行を受けた人なんかは背後から足音が近づいてきただけでその体験を思い出して平常心を取り乱してしまったりと、心理的に不安定になってしまいます。しかもその症状が発生するのは、数日後、数か月後、数年後といったように時間をおいて発生する場合もあるのです。精神的に不安定な状態が続けば集中力が続かなかったりして勉強や仕事に支障をきたすだけでなく、睡眠をしっかりとれなかったりして健康にも大きな問題をきたす可能性があることは想像に難くないかと思います。


 

アメリカでも、ベトナム戦争の時に帰還兵がPTSDになったりしていて、肉体的に相当の訓練を積んでいるはずの帰還兵ですらその症状がみられたのですから、私たちも誰しもが陥る可能性のある身近な傷害なわけです。ちなみに、PTSDという言葉は、そのベトナム戦争後の帰還兵の症状を発端に名前が付けられたそうです。


 

日本では、PTSDの数は特に20代から30代前半にかけて多く、3,4%に上るといわれています。この数は決して少ないとは言えない数字だと思います。しかも、PTSDとは診断されずとも、それに近い症状を持っている人や、そもそも診断を受けていない人もいるでしょうから、多くの人が経験する可能性のある傷害といえるでしょう。


PTSDは予防できる?

では、PTSDについて予防することはできるのでしょうか。もし効果的な予防方法があるのなら、自分自身がPTSDに陥ってしまった時や、身近な人が陥ってしまったときに役に立てたいものです。


 

2018年のレビューでは、記憶の観点から、PTSDの予防と治療について説明されています。


PTSDは、トラウマになっている記憶が記憶の中で強調されすぎているせいで、発生するのだという考えに基づいて、トラウマを呼び起こす事態が発生したらその発生を促す要素(βアドレナリン受容体)をブロックすればいいという主張があり、実際にいくつかの実験で検証されています。しかし、メタ分析によって、それは、PTSTの症状を緩和する効果はなかったということがわかっています。


 

上記の説は、理論的には誤りが無いように考えられるのですが、実際には効果がみられませんでした。そこで、薬学とは別の観点から行った別の研究が参考になるかもしれません。2011年のレビューでは、テトリスを使った実験が行われました。


トラウマを呼び起こすような状態になったら20分間のテトリスをするように指示されたグループでは、そうでなかったグループに比べてその後被験者が1週間、1か月たった後でも、症状が発生しづらく、発生した症状も軽かったのです。。被験者自身もこの方法は容易で役に立ったとコメントしています。


チームも以下のようにコメントしています。

この実験は、軽度のPTSD患者を対象にした、事後的な介入で、初めてトラウマを引き起こす事態が発生したときにはこの介入が有効かどうかはわからない。でも、この実験は、より多くの実験が行われ、より多くのサンプルがこの介入の有効性を証明してくれるだろう。

 

というわけで、全くの「予防」とは言えないのかもしれませんが十分参考になるでしょう。つまり、今回はテトリスといった視覚と手の運動を行うことによって、トラウマを思い出すという脳の活動を抑制したと考えられるのです。今回はテトリスでしたが、何か簡単に集中できそうなものを決めておいて、思考がとらわれそうになったらそれに少しの時間集中して、ネガティブな思考が過ぎ去るのを待ってみるのがいいかもしれません。


今回は特に視覚の領域が強く必要とされることに集中していましたが、例えば音楽を聴いて踊る、のような、聴覚を刺激したりするものとか、なんでもいいのかもしれません。とにかく反芻思考を止めるときと同様に、自分の思考がとらわれてしまう前に、何かに気を紛らわせることが大事なのでしょう。もっとも、何か別のことを考える、とすると、思考がとらわれやすくなってしまうかもしれないので、何かゲームとかの方がいいのかもしれませんが。


それではまた。

References

  1. Chris R. Brewin. 2018. "Memory and Forgetting"
  2. Felipe C Argolo et al. 2015. "Prevention of posttraumatic stress disorder with propranolol: A meta-analytic review"
  3. Chris R Brewin. 2011. "The nature and significance of memory disturbance in posttraumatic stress disorder"

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