メンタル

一人で飲む酒と人と飲む酒の違いとは?

「お酒は少量でも身体や脳に悪影響を及ぼしそう!」っていうのは近年の傾向で,「どうやら一滴単位で考えた方がいいかも?」みたいな風潮を感じています.

とはいえアルコールが必ずしも悪!って言いきれるわけでも無くて,創造性の向上とか社会的な恩恵とかいろいろポジティブな側面も確認されているわけで,完全に断つってのも現実的でない人も少なくないと思います.

といったところで,新しくカーネギーメロン大学が行ったレビュー(R)では,「一人で飲むときと,人と飲むときとでなんか違うの?」ってのを調べてくれておりました.



ここでは特に若者を中心に,AUD(アルコール使用障害)の観点から,「お酒をいっしょに飲む相手の有無」の影響が調べられました.若者が中心なのはシンプルに,彼らのほうが比較的AUDのリスクが高いと考えられているからであります.

要するに,一人で飲むか,誰かと飲むかによって,お酒を飲む量や,感情的な要素等でどんな違いがあるの?ってことを調べたわけですな.



その結果,得られたポイントをざっくりまとめるとこんな感じ.

  • 人とお酒を飲むと,ポジティブな感情と社会的なつながりを感じる傾向があった.

  • 一方,一人で飲むと,不安やうつ,自殺の理想化といったネガティブな感情を抱き,不安への耐性が低くなり,社会的な不快感,孤独感を感じやすかった.そしてその効果は数か月後にも継続する傾向がみられた.

  • 人と飲む方が一人で飲むよりも飲むお酒の量が多くなる傾向がみられた.また,人と飲む方が飲酒運転や暴力,リスキーな性的な態度をとる傾向が強かった.

  • 外向性の高い人のほうが,気分の改善や社会的な問題のためにお酒を飲むことを容認する傾向が強かった.

  • 人と飲みたい人は,気分や社会的な向上を目的とすることが多かった.

  • 一方,一人で飲みたい人は,気分や社会的な向上よりも,ネガティブな感情に対処することを目的とすることが多かった.



といった感じでして,全体的に見れば,ひとり飲みは,マイナスの状態をゼロまで引き戻すことが動機で,その結果さらにネガティブな感情にさいなまれやすい.一方,人と飲むのは,ゼロまたはプラスの状態からさらに引き上げるのが目的で,ポジティブな感情を感じやすいけど,特定の問題も増えやすい,と.感覚的にも納得できるところが多いんじゃないでしょうか.

研究者曰く,

一人で飲みたくなったときは,その感情がネガティブな感情の体験に起因していないかを振り返ってみることを勧められるべきで,もしそうなら,そのようなネガティブな感情に対処するためにもっと適切な方法を実践することができる.

同様に,社会的な状況で飲んでいるとき,どうしてお酒を飲むことが有益なのかをはっきりさせるため,その体験を振り返るように求めることができる.人と飲む状況においては,お酒を飲みすぎることなく感情的,社会的な報酬を獲得できるもっと適切な方法を用いることができる.


とのこと.これは主にAUDの臨床を行う人に対するアドバイスなんですが,一般の人にも十分使える考え方でしょう.つまり,人と飲むにしても一人で飲むにしても,お酒を飲む目的をはっきりさせたうえで,それを実現するために別の代替手段も考えようってわけですな.

もちろん,お酒を完全に飲むなっていうわけではなくて,例えば人との親睦を深めるのが真の目的なら,お酒を飲む量はほどほどにして,しっかり会話に集中しようぜ,みたいなことですな.

特にアルコールによる主に感情的な問題を抱えていない人であっても,私のように健康面のためにお酒を控えたい人にも通じる考え方なのではないでしょうか.

そんなわけで,特にお酒が好きな方なんかはお酒と人との付き合い方を見直していただければと思い次第です.

参考になれば幸いです.質問やコメントなどありましたらTwitterやお問い合わせのページからご連絡いただけると嬉しいです.

それではっ!

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