目標達成

【5E】問題解決の前に絶対取り組むべき5つのステップ

スピードと効率が重視される今日、いかに早く問題解決に手を付けるかが大事、ってのは自然な考え方でしょう。しかし研究によると、早急に問題解決に取り組んじゃうと逆に有効な解決策の発見に対する障害となりうることがわかってたりします。

例えばオハイオ州立大学の研究によると、多くの企業は直面している問題を理解するために十分な時間を割いておらず、問題解決に早急に着手してしまうせいで、結果的に革新的で永続的なソリューションを開発する確率を引き下げてしまっている、ということが分かったとか。

要するに、解決に乗り出す前に、問題をいろんな角度から、いろんなレンズを通して見つめるという作業を怠ってはならんぞ!と。言ってしまえば「問題のフレーミングが大事」って話っすね。

フレーミングについては過去にもブログやnoteの方で取り上げてるので、またかーって思う方もいるかもですが、最近読んだハーバードビジネスレビューの論文ではフレーミングを5段階のステップにまとめてくれてて、かなり実践しやすそうだなーと思ったのでシェアしておきます。頭ではわかっていても具体的な行動に移せてない!って方などの参考になるかと思います。

  • ①Expand: スタートはオープンマインドで。問題に対する先入観を捨て、あらゆる角度から探求する。この段階では視野を広げ、課題のあらゆる可能性を検討することを目的とする
  • ②Examine: 問題をさらに深く掘り下げる。問題の根本原因を調査する。この段階では、徹底的な分析を行い、問題を引き起こしている根本的な要因を明らかにすることを目的とする
  • ③Empathize:問題の影響を受ける人の立場に立って考える。顧客、従業員、パートナー、その他の利害関係者がこれにあたる。彼らの視点、ニーズ、不満を理解することで、問題を多角的・全体的に理解することが可能となる
  • ④Elevate: 問題をより大きな組織的課題と結びつける(この問題は会社のより広範な目標、戦略、価値観とどのように関連しているのか?)。このような広い視野を持つことで、多くの場合、体系的な問題や大幅な改善の機会が明らかになる
  • ⑤Envision: 最後に、問題を包括的に理解した上で、解決策の構想を練る。この段階では、収集したすべてのインサイトを統合し、望ましい結果に向けた戦略的ロードマップを形成することを目的とする

といった感じ。フレーミングとかアイデア出しとかの話になると視野を広げるだけ広げて、解決策のことは放棄する、みたいな主張も少なくないですけど、この「5E」のアイデアではきちんと解決策まで含まれてるのがうれしいですね。

見ての通り、この「5E」のアイデアはビジネスのシナリオが基本的に想定されてるわけですが、日常に潜む問題にも十分応用可能じゃないかと。例えば、あなたが「外国語がなかなか上達しない!」って問題を抱えている場合、

  • Expand: 語彙や文法の暗記にいきなり飛びつくのではなく、その言語に対しても視野を広げてみる。つまり、その言語を文化的、社会的、歴史的背景の中でとらえてみる。この過程で、その言語に- 独特の特徴を与えているニュアンスやイディオムとは何かなどが見えてくるかもしれない
  • Examine:次に、この新しい言語を学ぶ際に直面している具体的な課題を検討してみる。発音が難しいのか、動詞の活用に苦労しているのか、そもそもバックグラウンドが違いすぎて意味が理解できないのか。問題の根本原因を特定することで、学習アプローチをより効果的に調整することができるはず
  • Emphathize:例えばネイティブスピーカーの立場に立ってみるという選択肢が考えられる。彼らは自分の言語をどのように認識しているのだろうか?効果的なコミュニケーションに欠かせない文化的ニュアンスは見当たらないか?実際のユーザーの視点から言語を理解することで、焦点を当てるべきポイントがはっきりわかるかも
  • Elevate: 例えば、その言語を学ぶことが、あなたの人生の目標にどのように合致するかを考えてみる。その言語を習得することは、あなたのキャリア、個人的な興味、旅行の計画などに合致しているか?あなたの語学学習という長旅を、あなたの全体的な将来ビジョンの文脈の中でとらえることで、モチベーションを高め、どこに向かうべきか、どのレベルまで学習すべきかなどが見えてくるはず
  • Envision: 最後に、言語とその複雑さを深く広く理解した上で、学習の戦略的計画を立てる。自分にとって必要なレベルの目標を設定し、その目標の達成のために最も克服すべき問題を中心に、それを乗り越えるためのロードマップを作る。問題及び目標に応じて、ネイティブ・スピーカーと会話をする、映画を字幕なしで見る、目標言語で書かれた本を読むなど、具体的なマイルストーンが見えてくるはず

みたいな応用方法が考えられます。このプロセスを踏むことで、とりあえず文法書と単語帳を買って10周するんや!みたいな短絡的な学習ではなく、より自分に合ったレベル、方法の学習法が見つかるかも、と。もちろん学習だけでなく、色んな目標追求プロセスにおいて使いやすい方法論となっているんじゃないでしょうか。この方法を提案してる研究者曰く、

問題の全体像を理解することに時間を割くことで、表面的な解決策の落とし穴を避け、代わりにイノベーションと持続可能な成長への道を開くことができるだろう。

とのことで、確かにちょっと面倒だけど長期的に見た時のベネフィットはかなり大きそうでありますな。

アルベルト・アインシュタインが「問題を解決するのに1時間あったら、私は55分間問題について考え、残りの5分で解決策について考えるだろう」という言葉を残した通り、まずは一歩下がって全体像を眺め問題を徹底期に考える、ってのはビジネスだけでなく人生の様々な問題を乗り越えるうえで大事な考え方になるんじゃないかと。

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