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【研究】「人生の意味」を感じられている人は科学的にどんないいことがあるのか?を徹底的に調べた話

進化論から考えれば人間の生に意味なんてないんでしょうが、「自分の人生には意味・目的がある!」って感覚って結構大事かもねーってのは近年の心理学界ではよく聞く話。

実際、「人生に意味」を感じられている人は、幸福度やウェルビーイングが高くなるだけでなく、寿命が延びる!収入も増える!みたいなデータもあったりするんですよね。

といったところでUCLの研究(R)では、「人生を有意義に感じている人はどんな特徴があるの?長期的にはどんな違いが出るの?」みたいなことをいろんな側面から徹底的に調べてくれていて、非常に面白いです。





「人生の意味」を感じられている人はどんないいことがあるのか?

これは、イングランドのELSAというデータセットを使って、「人生の意味」を感じているかによって社会的、経済的、健康的にどんな違いがあるのかを調べたもの。サンプル数は7,304人で、参加者の年齢は50~90歳、平均年齢は67.21歳だったそう。

参加者には、「どのくらい人生に意味を感じていますか?」ってのを10点満点で採点してもらったわけなんですが、ここでいう「人生の意味」ってのは、「自分が人生で行うことの中で最も価値があると思うもの」がはっきりしているか?くらいに考えてもらうといいでしょう。シンプルに「価値観」と言い換えてもいいかもしれません。

で、参加者の「人生の意味スコア」と諸項目の関係を調べたほか、さらに4年後に再調査を行って、「人生の意味スコア」によってどんな違いが生じるのか?ってのもチェックしております。



結果、分かったことは大きく「社会的な要素」「経済的な要素」「健康状態」「健康的な習慣」「時間の使い方」の5つに大別できまして、以下にそれぞれ列挙してみます。




社会的な要素
  • 人生に意味を感じている人は、結婚しているまたはパートナーがいる確率が高く、独身の確率が低かった
  • 親密な関係の友達を多く持ち、友達とより頻繁に会っていた
  • 人生に意味を高く感じている人は、より多くのグループに所属し、ボランティアにも積極的に参加し、一人でいることが少なかった
  • 4年後との関係でみると、人生に意味を高く感じていた人は離婚する確率が16%、一人暮らしの確率が8%低かった
  • また、新たに親密な関係を築いた友達の数も多く、グループへの所属、ボランティア活動を継続する確率も高かった



経済的な要素
  • 年齢、性別、教育レベル、社会経済的な要素を調整した結果、人生の意味スコアで上位3分の1にランクしていた人は、下位3分の1だった人に比べて資産が11%多く、収入が10%多かった
  • また、人生の意味を高く感じている人は、有給雇用についている確率も高かった
  • 4年後との関係では、ベースラインで人生の意味を高く感じていた人は多くの資産を得る確率が5%高かった



健康状態
  • 人生に意味を高く感じている人は、主観的な健康レベルが高く、長期的な病気、慢性的な痛み、ADLの問題を抱える確率が低かった
  • 人生の意味を1ユニット高く評価するごとに、抑うつ症状を抱える確率が35%低かった
  • また、人生の意味を高く感じている人は、肥満レベル、中性脂肪、血漿CRP、フィブリノゲン濃度、白血球数のレベルが低く、握力、歩行速度、ビタミンD濃度、脂質プロファイルの改善と正に相関していた
  • 4年後との関係では、人生に意味を高く感じていた人ほど新たな慢性疾患、抑うつ、疼痛肥満の発症率が低く、歩行速度が速くなっていた



健康習慣
  • 人生の意味を高く感じている人は、中等度以上の身体活動を少なくとも週1回行っている確率が高く、座りっぱなしの時間も少なかった
  • また、1日に少なくとも5ポーション以上の野菜と果物(イギリスのガイドライン)を食べている傾向がみられた
  • 主観的な睡眠の質も高く、喫煙率も低かった
  • 4年後との関係では、人生に意味を高く感じていた人は、中等度以上の身体活動を行う確率が11%上昇し、座り過ぎになるリスクは16%低かった
  • 野菜と果物を5皿以上食べるようになる確率は9%高く、睡眠の質も13%改善していた



時間の使い方
  • 人生に意味を高く感じている人ほど、家族、友達と過ごす時間が長かった
  • また、運動やウォーキング、仕事、ボランティア活動に費やす時間も長かった
  • 逆に一人でいる時間やテレビを見ている時間は短い傾向にあった
  • 4年後との関係では、人生に意味を高く感じていた人は友達と増える時間、ウォーキング、運動、仕事、ボランティアに費やす時間が長くなり、逆に一人でいる時間やテレビを見ている時間はより短くなっていた



というわけで、ずらずらと並べてみましたが、こうしてみると「人生に意味・目的を持つのって横断的にも長期的にも大事なんだな……」と改めて痛感しますね。

しかも、これらの関係は年齢や性別、教育レベル、社会的ステータスを調整したうえでの結果となっておりまして、さらに感度分析によればこの関係は経済的なリソースやネガティブな感情状態に依存しないことが確認されたんだそう。少なくともこの調査で対象になった50歳以上の人においては、「人生の意味をはっきり認識しておくこと」はそれだけでなかなか大きいメリットがありそうってのがわかります。



まとめ

研究チーム曰く、

人生に意味を感じることは、横断的に見ても長期的に見ても、感情的なウェルビーイング(抑うつ症状や孤独感)、身体障害(ADLs)、健康習慣(身体活動、睡眠)、社会的な機能(親密な人間関係、結婚)と強い関連があることが示された。

注目すべきは、これらの関係しが複数の異なる領域にまたがっており、単一の領域が優位を占めているというわけではないということだ。これは、「人生には意味がある」という感情が幅広い意味を持つことを証明している。


とのこと。「人生の意味」を感じることは、時間的にも空間的にも幅広くポジティブな影響をもたらしてくれるんだよー、と。

もちろんこの研究からは明確な因果関係はわからないわけですが、これだけのメリットが示されると「自分の価値観に合った目的」をはっきりさせておくのは心身を良好な状態に保つために十分「あり」、むしろやっとかないと損なんじゃないかなーとか思いました。

また、「ルーティンで人生の意味が高まる!」なんて話もあるんで、そこらへんも試してみるといいかもしれません。

参考になれば幸いです。質問やコメントなどありましたらTwitterやお問い合わせのページからご連絡いただけると嬉しいです。

それではっ!

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