「座り過ぎがよくない!」なんて話はもはや皆さま耳タコでしょうし、スタンディングデスクを導入してる人も結構多いのかもしれません。が、近ごろ比較的若い人における座り過ぎと脳卒中リスクとの関係を示唆する研究(R)が出ておりましたんで、その結果を知っておくのは有益でありましょう。
今回のデータは、「座り過ぎが脳卒中リスクにどのくらい関係するのか?」「運動で相殺できるのか?」ってところを調べたものとなっております。では早速内容を確認してみましょうー。
座り過ぎで脳卒中リスクが7倍に!相殺するにはどのくらい運動すればいいのか?
これは、CCHSのデータセットから、40歳以上の男女143,180人を平均9.4年追跡調査した内容になってます。
調査開始時点ではガン、心臓病、脳卒中等の経験がある人はいなかったとのこと。
研究チームは全体の対象者を仕事、学校以外で座ってる時間によって以下の4つのグループに分けてまして、
- 1日4時間以下
- 1日4~6時間
- 1日6~8時間
- 1日8時間以上
といった感じで、それぞれに脳卒中がどのくらい起きたかを調べたんだそう。
さらに、各グループの運動習慣も調べて、運動によって座りすぎの弊害を相殺できるか?ってポイントも調べたらしい。
計測された座ってる時間が「仕事・学校以外で」な点は気になりますが、仕事等で座ってる時間はコントロールしにくい面も大きいですから、自分で可能な範囲でリスクを下げるという意味では十分参考になりましょう。
では、結果をまとめてみていきましょう―。
- 調査期間中に2965件の脳卒中が発生した(うち、88.2%が虚血性脳卒中だった)
- 平均的な座ってる時間は4.08時間だった
- 60歳以下の人のうち、座ってる時間が8時間以上、かつ活動レベルが低程度の人は脳卒中のリスクは約4倍だった
- さらに、座ってる時間が4時間以下、かつ活動レベルが高程度の人と比べるとそのリスクは約7倍高かった
- この傾向は、性別、教育レベル、収入、アルコール摂取量、BMI、喫煙、高血圧等を調整してもなお確認された
- なお、60歳以上の人では座ってる時間と脳卒中リスクとの間に有意な関係は認められなかった
ってことで、なぜか60歳以下の人だけ座りすぎと運動不足の弊害が顕著に表れていたんだそう。ちなみに活動レベルが低程度ってのは、週当たり3.5METの活動を1時間するのと同じくらい。
研究チーム曰く、
座っている時間は、グルコースや脂質代謝、血流を悪くし、体内の炎症を増やすと考えられている。これらの変化は、時間をかけて血管に悪影響を及ぼし、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高める可能性がある。
(略)
若い人の間で活動量を増やし、座っている時間を減らす公衆衛生の努力は、長期的に脳卒中に苦しむ人を減らすことにつながるかもしれない。
とのこと。脳卒中とか言うと高齢者の問題と考えがちですが、比較的若い人でもありうる話だし、若いうちなら日々の行動次第でリスクを大きく減らせるかもしれないってわけですな。
まとめ
そんなわけでまとめると、
- 若い人が座ってる時間を減らして少しでも体を動かす習慣をつければ、脳卒中のリスクを数倍単位で減らせるかも!
って感じでしょうか。
具体的な運動量の目標としては、とりあえずAHAが推奨してる、
- 週に150分以上中程度の強度の運動すべし!
ってガイドラインなんかを参考にしてみるといいと思います。
参考になれば幸いです。質問やコメントなどありましたらTwitterやお問い合わせのページからご連絡いただけると嬉しいです。
それではっ!