メンタル

ストレスに動じなくなる「アクセプタンス」入門

現代社会で我々はあらゆるストレスに日々さらされていて,ストレスによるネガティブな感情とうまく付き合っていくことが非常に重要になっているわけです.

そこで非常に大事な役割を果たすのが,「アクセプタンス」と呼ばれる考え方です.アクセプタンスとは簡単に言ってしまえば,「友人に接するように自分にもやさしく接しよう」みたいなこと.



つまり,何かストレスに遭遇してネガティブな感情を抱いた時には,その感情を評価するのではなく,ありのままに受け入れよう,という話.

例えば,仕事で失敗して上司に叱られた際に,アクセプタンスができない人は,

「あー,みんなの前で叱られてしまった…恥ずかしい…情けない…自分なんていなくてもいいんじゃないか…そういえば今朝いつもの電車に乗り遅れてしまったよな…なんて自分って駄目な人間なんだ…」


みたいに考えてしまうのに対して,アクセプタンスがうまくできる人は,

「今自分は人前で叱られた恥ずかしさと,自分なら問題なく達成できたはずのタスクでミスをしてしまった情けなさを感じているな」

みたいに,感情を評価するのではなく,「自分は今こういう気持ちなんだなー」ってただ観察するってことです.

アクセプタンスが重要なのは,感情を評価してしまうと,いやなことが際限なく頭の中で増幅されていって,今は関係ないはずのことまで悪い方向に結び付けられていってしまうから.いわゆる「反芻思考」というやつですな.アクセプタンスができている人は,当然今の自分の感情を観察してそれで終わりなんですぐに切り替えられやすいし,メンタルが安定しやすいんですよね.

てことで今回は,「アクセプタンスでメンタルにどんな効果があるか?」みたいな研究(R)を見ていこうと思います.

これはトロント大学などの研究チームによって行われた実験で,「アクセプタンスをできている人とそうでない人では,メンタルにどんな違いがあるか?」みたいなポイントをが調べられました.

具体的には,アクセプタンスを習慣的に行っている人とそうでない人との間の,

  • 幸福度や人生への満足度,鬱症状や不安レベル
  • ストレスに対峙したときの感情の変化


みたいな点が調べられました.

早速その結果を見てみると,

  • アクセプタンスレベルが高い人は,幸福度,人生への満足度が高く,鬱・不安のレベルが低かった
  • アクセプタンスレベルの高い人は,刺激に対して,感情のネガティブな反応のレベルが小さかった.一方,ポジティブな反応には有意差がみられなかった.
  • アクセプタンスレベルの高い人は,6か月後のメンタルの状態も概して良好だった.
  • この結果は,性別や社会的地位,日常のストレスの度合いを考慮してもなお確認された.


要するに,ネガティブな感情をジャッジするのではなく,ただそのまま受け入れ,観察する人は,「この感情を早くどうにかしなくては!」とか考える人よりも,ストレスに対して抱くネガティブな感情の度合いが低く,さらに長期的にもメンタルの状態が安定している,と.



一見矛盾しているようにも思えるかもしれませんが,ネガティブな感情に立ち向かおうとするほどネガティブな感情は増幅する,という点を考えると納得できるんじゃないでしょうか.



研究チーム曰く,

この結果は,ストイックなアプローチに注意を促している.つまり,感情のようなメンタルの体験をジャッジし,コントロールしようとすることは,感情的経験やメンタルヘルスを悪化させることにつながることを示している.

むしろ,この結果は,感傷的な人,東洋哲学者,マインドフル提唱者に支持されるようなアプローチを裏付けている.つまり,自身のメンタルの体験をあるがままに受け入れることがメンタルヘルスにつながるのだ.


とのこと.こんな気持ちになるのは自分が弱いからだ!強くなればネガティブな感情とはおさらばできる!みたいなマッチョな考え方をしても逆効果で,感情をコントロールしようなんて思わず,ただそのまま受け入れる方が断然いいんだ,と.

とはいえ,「ネガティブな感情はそのまま受け入れろ!」とか言われても急にはできないのが人情.てことで,最後に,私も実践している,簡単にできるネガティブな感情を抱いてた時の対処法を紹介しておきます.

  1. ネガティブな感情を抱いていることに気づいたらまず,深呼吸をして,「この感情は自分だけが感じるものではない」「同じ状況ならほかの人もこう感じるはずだ」と意識する.
  2. 身体にどのような変化が起きているかを探し,そこに集中する.例えば,「頭に血が上っている感じがする」「手汗で手のひらがべたべたする」みたいな.
  3. 気持ちが落ち着いてきたら,消えていく感情に注意する.

3までやらずとも,ネガティブな感情が消えるまで2を続けるだけでも,十分感情にはとらわれなくなるでしょう.

参考になれば幸いです.質問やコメントなどありましたらTwitterやコメント欄などでご連絡いただけると嬉しいです.

それではっ!

<おすすめ本>

アクセプタンスと言えばこの本.アクセプタンスの基本からしっかり学べる.

マインドフルネスの入門書と言えばこれ.

不安や怒りなど,ネガティブな感情にもそれぞれいい面もあるんだぜ!っていう本.それをしっかり理解すれば,そんな感情に対するネガティブなイメージも減るし,受け入れやすくなる.

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