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バイリンガルの感情処理、人嫌いの結婚生活、見た目が若いと病気のリスクが低い

バイリンガルは言語によって感情処理の仕方が違うのでは?

「第二言語の方が感情的なワードに反応にしにくいぞ!」みたいな論文がScientific Reportsに掲載されてました。

この研究では、皮膚コンダクタンスのデータから、バイリンガルが第一言語(L1)と第二言語(L2)で感情処理にどんな違いがあるんだろう?みたいなところを調べてます。皮膚コンダクタンスは、自律神経系が反応することで変化するもので、感情やストレスの程度を反映する指標として使われる定番の指標ですね。

ここでは、第一言語としてポーランド語、第二言語として英語を話す47人を対象としてまして、全員にはポーランド語(L1)または英語(L2)で書話されている、ポジティブ/ネガティブな気分を誘発するような映像を見てもらって、その間の皮膚コンダクタンスを測定してます。

その結果、

  • L1で映像を見た時よりもL2で映像を見た時の方が皮膚コンダクタンスが高かった(L2ではL1よりも高い認知負荷がかかっていることを示唆)
  • また、ネガティブな映像を見た時よりもポジティブな映像を見た時の方がEDAが低かった(これは当然)。ただ、この効果はL1では有意だったのに対し、L2では有意ではなかった

だったそう。ザックリ言えば、第二言語では第一言語よりも気分が浮き沈みしにくいぞ!みたいな話っすね。

ちなみに、ポーランドでは英語は日常で使うというよりも学校で習うもの、みたいな感じらしくて、ここら辺は日本に近そう。研究者はこの結果を受けて、「外国語を学んだり外国語のコンテンツに触れることで、強い感情やトラウマから適度な距離を置けていいんちゃう?(意訳)」みたいな考察をしてて、メンタルが荒れそうなときとかに外国語の勉強タイムを設けておくとよいかもしれないですな。

結婚生活への満足度が低いカップルの特徴

社会的な交流に全く関心を示さなかったり喜びを感じない人っているじゃないですか。こういう状態は専門的には「社会的アンヘドニア(無欲)」とか呼ばれてたりして、うつ病や統合失調症などの精神障害と関連することが知られております。

しかし、社会的アンヘドニアが恋愛関係の行動や満足度にどのように影響するか?ってのはあんまり明らかになってなかったりするんですよ。恋愛関係は人生の中でも特に親密な相互作用が必要となりますから、人に興味なければ恋愛もうまくいきにくいんちゃう?とか思うわけです。

そんなところでシンガポール経営大学のKenneth Tan先生たちは、この問題を解明するために、100組の新婚カップルを対象に1年間にわたって追跡調査を行ってくれております。ここでは、社会的アンヘドニアと夫婦満足度の関係を調べるだけでなく、夫婦間のコミュニケーションパターンがその関係にどのように影響するかも検討したんだそうな。ありがたいですねぇ。

で、その結果はといいますと、

  • 社会的アンヘドニアの高さはその人自身とパートナーの結婚満足度と負の相関がありました。つまり、社会的アンヘドニアのスコアが高い人ほど結婚生活に対する満足度が低くなる傾向があった
  • 社会的アンヘドニアは建設的なコミュニケーションと負の相関があり、破壊的なコミュニケーションと正の相関があった。つまり、社会的アンヘドニアのスコアが高い人ほどパートナーと協力的でなく攻撃的なコミュニケーションをする傾向があった
  • さらに、コミュニケーションパターンが社会的アンヘドニアと夫婦満足度の関係を媒介していることが示された。つまり、社会的アンヘドニアはコミュニケーションパターンを通じて間接的に夫婦満足度に影響していた

って感じだったらしい。たしかに他人との関わり合いを極度に嫌うような人は(そのパートナーも)結婚生活に対する満足度が低くなりがちなんだけど、意識的にパートナーに関心があることを示したり、喜びを表現する、みたいなコミュニケーションスキルを磨けばほかのカップルと同じくらい幸せな関係を築けるのかもなーってとこですね。

ちなみに、ほかの研究に比べるとなんだか全体的に結婚満足度が高い傾向があったりとか、一般化するのは尚早かもなーって印象も受けたりもしたんですけど、ひとまず、私のような一人大好き人間でも多少努力すれば夫婦ともども満足度の高い結婚ができる、はず!って思うすることにします。

顔の見た目が若い人は全体的に元気

顔の見た目が若いと、中高年でのさまざまな加齢に関わる問題のリスクが低くなるぞ!みたいな研究が出ておりました。

この研究では、ロッテルダムに住む51.5歳から87.8歳までの男女2679人を対象に行われたもので、まずはみんなの高解像度の顔写真を撮影。その後、彼らの年齢や健康歴に関する情報を知らない別のパネルによって写真の人が何歳に見えるか?(perceived age, PA)を予想してもらってます。そして、PAと実際の年齢(chronological age)との差(ΔPA、実際の年齢よりどのくらい老けて/若く見えるか?)を計算して、認知機能や病気の発症リスクとの関連を探ったんだそうな。

その結果、5歳分高いΔPA(つまり自分の年齢よりも5歳若く見える)は、

  • 骨粗しょう症(odds ratio, OR 0.76)
  • 慢性閉塞性肺疾患(OR 0.85)
  • 加齢性難聴(B = −0.76)
  • 白内障(OR 0.84)
  • 難聴(OR 76)

などにかかるリスクが低く、

  • 全体的な認知機能(g-factor; B = 0.07)

などにおいて良好な結果が得られたらしい。要するに、見た目の年齢は多くの加齢関連疾患や認知機能に関係している、つまり見た目は人間の体や脳で起こっている老化をある程度予想できる指標である!ってことですね。

まあもちろんこの研究では因果関係は明らかにしていませんけど、やっぱり心身の健康のためにも「見た目より若いね!」って言われておきたいものです。

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