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雑談スキルの自己評価、抹茶でうつを治せるか、ハッピーになる目標設定

人は自分の雑談能力を過小評価している?

みんなは自分の雑談の能力をどのように評価しているんだろう?そしてその評価がどのように形成されるんだろう?みたいなところを調べた研究が出ておりました。

ここではざっくり分けて3つの研究を合計768人の参加者を対象に行われておりまして、詳細は省いてさっそく結果を見てみるとこんな感じになります。

  • 全体的に、みんな自分の会話能力に対して「悲観的」だった。つまり、他の一般的な活動(料理とか運動とか)と比較して、人々は自分が会話で上手だと思う確率が低く、下手だと思う確率が高かった
  • 次にこの悲観的な評価がどうやって形成されるのかを探ったところ、会話に関しては「うまくいったこと」を相手や状況に帰属し、逆に「うまくいかなかったこと」を自分自身に帰属する傾向があった

要するに、会話においては「自己奉仕バイアス」が逆転していて、笑いが起きたらそれは相手のおかげ、逆に気まずい沈黙は自分のせい、みたいに考えがちになるのが原因で、自身の会話能力を低く見積もってしまいがちってわけですね。

では何で会話では別のアクティビティとは違う感じになるの?って点についてはこんなことが推定されてました。

  • 会話では相手も同じように影響力を持っていて、その影響力を無視することが難しいから
  • 会話の成否の大部分は相手が楽しめたかどうかに依存しているから

ってことで、会話の第一目的は「自分も含めた全員が楽しめたかどうかである」って点を忘れてしまって自分を勘定に入れなくなるせいで、「会話がうまくいかないのは自分のせいだ」「自分は会話が下手だ」って評価につながってしまうわけですね。

まあこの傾向はすぐさま治せるものじゃないでしょうけど、「会話の成否は一人によって決まるものじゃない!」って考えとくだけでも多少は肩の荷が下りるかもしれないですね。私も気を付けよう。。。

抹茶の抗うつ作用?

マッチャが様々な健康効果を持つのでは?ってのは皆さまご存じの通りでしょうが、新たに抗うつ効果について調べた研究が出ておりました。こちらは熊本大学の研究チームが行った動物実験でして、先に結論を言ってしまうと、

  • マッチャは社会的孤立ストレスに曝されたマウスのドーパミン系を活性化させることで抗うつ効果を示した!

みたいになります。こう聞くとなんだかすごそうな感じがしますが、よくよくみてみると、まだそこまで期待できるほどじゃないよなーって段階です。詳細をのぞいてみましょう。

まず研究チームは、社会的孤立ストレスに対する感受性が異なる2種類のマウス(C57BL/6JとBALB/c)に対して、抹茶粉末を経口投与し、その後、抗うつ薬のスクリーニングとしてよく用いられる行動試験を行ってます(マウスの尾を吊るし、その不動時間(うつ状態を反映する指標)を測定する)。その結果、

  • マッチャの投与はストレス感受性の高いC57BL/6J系のマウスに対しては不動時間を有意に減少させた
  • が、ストレス感受性の低いBALB/c系のマウスに対しては効果が見られなかった

つづいて、研究チームは、マッチャの抗うつ効果に関与する神経伝達物質や神経回路を調べてまして、結果として、

  • ドーパミンD1受容体拮抗剤をC57BL/6Jマウスに投与したところ、マッチャの抗うつ効果が阻害された
  • また、c-Fosという遺伝子の発現を調べることで、マッチャが活性化させる神経回路を特定したところ、マッチャはC57BL/6J系のマウスでは前頭前皮質(PFC)と側坐核(NAc)でc-Fos陽性細胞数を増加させた(BALB/Cでは変化なし)
  • 一方腹側被蓋野では差は見られなかった

だったそう。つまり、抹茶は、ストレスを受けてうつっぽい行動を示すマウスにおいて、ドーパミン系回路を介して抑うつ効果を発揮してくれるってわけですね。

まあ先述の通りヒトのうつに対する革新的なソリューションになる!っていえる段階ではないですけど、特に日本では入手しやすい飲み物ですし、補助的に使ってみるくらいならありかもしれないっすねー。

幸福になるための目標達成のポイント

そろそろ新年度!ってことで新しい目標を達成する人も多いでしょう。もちろん目標はなりたい自分の姿になるための一つのゴールとなるわけですが、目標を設定・達成することによって「幸福」に近づける可能性が示されていたりもします。なりたい自分になるためのプロセスは苦しいかもしれないけどなんだか気持ちのいい苦しさ、みたいに感じたことがある人も少なくないんじゃないでしょうか。

とはいえ、すべての目標が幸福につながるわけではなく、目標の「達成可能性」に対する認識が幸福感の上昇につながることがわかっていたりします。これはバーゼル大学の研究で示されています。

本研究では、973人(18歳から92歳、平均43歳)の参加者を対象に、目標の内容(健康、自己成長、社会的貢献、社会関係、地位、仕事)、動態(目標の重要性と達成可能性の相互作用)、結果(主観的幸福感)を教えてもらったうえで、2年後または4年後に追跡調査を行っています。要するに、目標の重要性や幸福感なんかを複数のタイムポイントで評価して、目標のうちどの要素が数年後の幸福につながるんだろう?ってところを調べたわけですね。

その結果、

  • 年齢は個人的成長、地位、仕事の目標の重要性と達成可能性と負の関係があったが、社会的貢献目標の重要性と達成可能性と正の関係が見られた。これは、ライフステージに応じて目標が変化することを示唆する
  • 目標の重要性と達成可能性は時間的に双方向的な関係があった。つまり、重要な目標は達成可能だと感じやすく、達成可能な目標は重要だと感じやすかった(人は自分の目標を自分の能力に合わせて調整する傾向がある)
  • 目標の達成可能性は後の幸福感と正の関係があったが、目標の重要性はそうではなかった

だったそう。つまり、自分が設定した目標を実現できる!と感じられることがのちの幸福感に寄与するんだってことですね。普通は「この目標がどれだけ重要か?」って軸で考えがちですけど殊幸福感という点ではそこまで目標の重要性は関係ないってのはなかなか面白いですな。

また、若い人ほど、個人的な成長、地位、仕事、社会的関係の目標をより重要視しがち、みたいな傾向はあるものの、目標の達成可能性が幸福感に寄与する度合いは年齢によって大きな差はなかったみたい。なんで、あらたに目標を立てる際には、自分がコントロールできる範囲と現状の能力を見極めて、「これならいけそう!」って感じられるように工夫してみるといいかもしれませんね。

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