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有給休暇がビジネスに与える影響、男女平等と寿命、紙の本vsデジタルの本

有給休暇ってビジネス的にどうなの?

働く人々にとって、病気や怪我で仕事を休むことは避けられない事態でしょう。しかし、その際に有給休暇を受けられるかどうかは、企業によって大きく異なるわけです。有給休暇を気軽に取れれば、自分の健康や家族の世話を優先できるだけでなく、職場や社会に感染症を広めるリスクも減らせるでしょう。一方で、有給休暇がない/とれなれば、仕事を休むことができずに出勤しなければならなくなり、これはプレゼンティズム(出勤はしてるけど仕事の能率は下がってる)や労働災害の原因にもなり得ます。

では、有給休暇はビジネスにとってどう影響するのか?この問題については、賛否両論がありまして、支持者は、従業員の満足度や生産性を高めることで長期的にビジネスに利益をもたらすと主張してますが、一方で、有給休暇の反対派の人たちは、コストや人手不足などの負担が増えることで短期的にビジネスに損失を与えるみたいな主張をしてますな。

そこで今回は、実際に有給休暇がビジネス的な面でどう影響するかを客観的かつ科学的に評価した研究をチェックしてみましょう。こちらは、2000年から2022年11月までの期間に発表された2664件の文献から43件をピックアップしたシステマティックレビュー(系統的文献レビュー)となっております。システマティックレビューってのは、ある特定のトピックや問題に関する既存の文献を厳密な基準や方法論に従って収集・分析・評価することで、バイアス(偏り)やエラー(誤り)を減らすことができるって手法ですな。

で、結果的にどんなことが分かったかといいますと、

  • 有給休暇は、企業の生産性、収益性、コスト、競争力への悪影響とは無関係だった
  • さらに、病気による有給休暇は、雇用満足度の向上、定着率の改善、労働災害、伝染病、プレゼンティズム、死亡の減少などの指標とも関連していた

って感じだったらしい。たしかに人がいないと多少のコストは発生しちゃうけど、仕事への満足度や離職率の低下、従業員の健康や安全の向上、労働市場のパフォーマンスの改善とかを考えると十分そのコストは相殺されるといっていいんじゃない?ってわけですな。

まあ冷静に振り返ってみればそりゃそうだろうなーって気もしますけど、やっぱり有休をとるのはいまだに躊躇いがちな風潮もありますから、こういうデータはありがたいですよねぇ。

男女平等はみんなの寿命も伸ばしてくれる

男女平等が寿命にどのように関係しているんだろう?みたいなところを調べた面白い研究が出ておりました。

寿命は、健康に影響するさまざまな要因に依存しますけど、その多くは性別によってその影響力は違うわけです。例えば、職業や収入、教育や社会的支援、汚染や暴力への暴露といったところですね。であれば男女平等が進んでいる国では寿命の性差にも違いが出るんじゃない?ってところに着目した、というのがこの研究の趣旨っすね。

本研究では男女平等は、世界経済フォーラムが開発したグローバル・ジェンダー・ギャップ指数(GGGI)をもとにしてまして、156カ国で測定を行ってます。GGGIは、政治的参画や経済的機会、教育達成度などの4つの次元で性別間の格差を測定する指標となってます。(もちろん健康次元は除外してる)

で、結果としてわかったことは以下の通りです。

  • 2010年から2021年までの間にmGGGIは全体的に上昇していた
  • mGGGIやその政治的・経済的次元の変化は2010年から2020年までの間に寿命や寿命の性差の変化と関連していなかった
  • 教育次元で男女平等が進むと女性と男性の寿命が長くなった
  • 2021年時点ではmGGGIが10%上昇するごとに女性の寿命は4.3ヶ月 男性の寿命は3.5ヶ月延びた
  • しかし これらの関係は地域ごとに方向や大きさが異なっており 高所得国ではmGGGIが10%上昇するごとに寿命の性差は6ヶ月縮小し 南アジア・東南アジア・オセアニアでは13ヶ月拡大し サハラ以南アフリカでは16ヶ月拡大していた

基本的に女性の地位がどこまで男性と同じくらいまで高まってるか?って方向になってるんですけど、女性が男性と同様の地位を獲得にするにつれて女性だけでなく男性の寿命も延びてるってのはなかなか面白いっすね。「女性が得をすれば男性が損をする」って考え方は殊寿命の延長という視点では間違っている、と。

何で男性にもいい影響が出るの?って点について研究チームは、「社会が教育だけでなく、経済的、政治的にも一定の男女平等を達成すると、システム的な変化が起こり、男性の健康や寿命がさらに伸びる可能性がある」みたいな分かったようなわからないような説明をしておりました。まあこの研究だけではこのメカニズムはわからなくて当然ですけど、やっぱりどこかで男性的な視点が強いせいで健康が蝕まれてるんですかね(適当)

本は紙で読むか、デジタルで読むか?のメタ分析

最近デジタルで本を読むことが一層増えてきたんですが、やっぱ紙の方がいい気もするな、、と思ってちょっとデータを漁ってたので、その中の一つをシェアしておきます。この研究は、Educational Research Reviewに掲載されたメタ分析となってます。

メタ分析とは、同じテーマに関する複数の研究を統合して、全体的な傾向や結論を導き出す方法ですね。この研究では、紙とデジタルデバイス(コンピューターやタブレットなど)で同じようなテキストを読んだときの読解力の違いを比較した研究が対象とされてます。2000年から2017年までに発表された54件の研究が含まれていて、参加者は合計17万人以上に及んでます。

では、結果はどうだったかというと、

  • 紙で読んだ方がデジタルで読んだよりも読解力が高かった!

だったらしい。まあこの差は小さくはありますけど、統計的に有意であり、一貫して見られたみたい。

さらに、この差は特定の要因によっても変化することも明らかになっておりまして、

  • 時間:自分のペースで読む場合よりも時間制限がある場合に紙で読むメリットが大きかった
  • ジャンル:情報的なテキストや情報的・物語性両方のテキストを使った研究では紙で読んだ方が理解度が高かったが、物語だけのテキストを使った研究ではそのような傾向は見られなかった。
  • 発表年:近年(2012年以降)発表された研究ほど紙で読んだ方が理解度が高いという結果を得られた

みたいな傾向を確認してます。まず、デジタルデバイスで読むことに慣れてきてるはずの時期の方が紙の本のメリットが大きいというのは面白いっすね。また、ジャンルによっても理解度の差は異なるってことで、とりあえず今後は小説とかストーリー性の高い本はデジタルで、参考書とかはなるべく本で読もうかしら。。。。

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