実はここ数日全身の疼痛がひどくて筋トレとかができなかったんで、歩く時間を長めにしてみたりしてました。ついでにウォーキングに関する論文もあさっておりまして、Twitterでも雑にまとめてたりしたんですが、ブログでも面白かったものを一部メモしときたいと思います。
とりあえず今回は以下の2つのテーマに関して紹介することにします。
- 「ウォーキングは何分すればいいの？」
- 「活力を高めるにはカフェインよりもウォーキングじゃ！」
では、早速見ていきましょうー。
ウォーキングは何分やればいいの？
「ウォーキングが体にいい！」ってのは常識ながら、具体的なメリットはあまり認識されていない印象。
そりゃあもちろん、予防したい病気の種類や個人のその他の様々な生活習慣に依存する面も大きいわけですが、数字で把握しといたほうが実践しやすいしモチベーションも沸きやすいですからねー。
で、あるメタ分析(R)では、「ウォーキングは心臓の健康にどのくらいメリットがあるか？」ってのを調べてくれていて有用でした。
ここでは合計295,177人の参加者を含む質が高めの12の研究を調べて、ウォーキングとCHDリスクとの関係をまとめてくれております。
それで、分析のポイントをざっくりピックアップするとこんな感じ。
- ウォーキングによるCHDリスク低下の効果は一貫して確認され、8 MET-h/weekのウォーキングで大体19%くらいリスクが低下する。また、この関係はリニアに相関していた
- この傾向は、年齢や性別、フォローアップ期間等を問わず確認された
だったそう。8METってのは、時速4㎞のウォーキングを一日30分、週に5回くらいに相当する数字。
研究チーム曰く、
我々のメタ分析は、ウォーキングがCHDから体を守ってくれることを示唆している。ウォーキングの量が増えるほどCHDを発症するリスクは低下する傾向がある。
ウォーキングのけがのしにくさ、継続のしやすさを鑑みるに、ウォーキングは一般的な人々にとってCHDリスクをを下げる理想的な戦略として推進されるべきだ。
とのこと。
本格的なウォーキングじゃなくても、1駅分余計に歩くようにしてみたり、少し離れたスーパーに買い物に行くようにしてみたり、みたいに日常生活で歩く頻度、時間を増やしてみるだけでも十分効果は期待できますんで、血管や心臓の健康を考えるならそこら辺を意識してみるといいんじゃないかと。
ウォーキングでカフェインより元気になる？
「気力、活力がわかないときはとりあえずカフェインを摂ろう！」みたいなのはよく聞く話。活力がわかない原因はいろいろ考えられるわけですが、主な原因の一つが睡眠不足でしょう。
そこで、ジョージア大学の研究(R)では、「慢性的な睡眠不足による活力低下にはカフェインより軽い運動のほうがベター！」って結論になってておもしろかったです。
これは18名の女子学生を対象にしたクロスオーバー実験で、慢性的に睡眠時間が足りていない人を選んだとのこと(週に45時間以下)。
で、彼女らには以下の3つの実験に参加してもらいました。
- 楽なペースで階段上り下りを10分間
- 50mgのカフェインカプセルを飲む
- 同様にプラシーボカプセルを飲む
それぞれの介入を行ってもらった後で、気分や注意力、ワーキングメモリ、課題に対するモチベーション等をチェック。
階段昇降10分というと少しきつそうな感じもしますが、参加者は日常的に運動習慣があったのもあってか主観的な辛さは低程度だったそう。
その結果は、
- 介入20分後のテストでは、カフェイングループも階段グループも活量のスコアが向上していたが、カフェインよりも階段昇降をした方が有意に活力上昇のレベルが大きかった
- もっとも、階段昇降をしてもワーキングメモリや注意力、その他の感情のスコアは変化しなかった
だったそう。運動で不安が減少！とか認知タスクのスコアが上昇！みたいなデータは多いんで、そこら辺が確認されなかった原因は謎ですが、運動の負荷や時間等を変えるとまた違った結果になるのかもしれません。そのほか、運動の場所を屋外に移したり、音楽を聴きながらやってみるのもありかもですな。
とにかく、睡眠不足が続いていることによってやる気が出ない…みたいな方は、カフェインに頼る前に軽めの運動をするってのは比較的すぐに元気が湧いてくるナイスな戦略になるかもしれません。
個人的には、コーヒーが苦手なこともあって、これは積極的に取り入れていこう―と思いました。(もちろん慢性的な睡眠不足を予防することに越したことはないですが)
参考になれば幸いです。質問やコメントなどありましたらTwitterなどでご連絡いただけると嬉しいです。
それではっ！