学習

【デュアルNバック課題 vs 場所法】ワーキングメモリをより高めてくれるのはどっち?

「ワーキングメモリ」というのは,記憶の一時貯蔵庫で,頭の中の一度に教科書やノート(情報)を開いておける机の広さのようなもの.

ワーキングメモリの性能がいい人ほど,頭がいいし,感情のコントロールもうまいというデータがあります.逆にワーキングメモリの性能が低いと,日常生活でも苦労しやすいし,パーキンソン病やアルツハイマーになりやすいといわれていたりもします.

だったらどうにかしてワーキングメモリーを鍛えたい!と思うのが人情というもの.もっとも,現段階で「ワーキングメモリを鍛えるのはこれ!」という確立した方法はなくて,「希望はあるかも?」くらいの方法がいくつかあるっていう感じ.

その中でも比較的データが多めなのが,

  • デュアルNバック課題
  • 場所法


の2つ.



Nバック課題ってのは何個か前のアルファベットを逐次記憶していくみたいなやつで,場所法ってのは,なじみのある場所に覚えたい事柄を結びつけるという方法.



それぞれの課題において,Nバック課題では頭の中のアルファベットを更新していく,場所法ではなるべく多くの単語を場所に関連付けて覚える,みたいな若干違ったワーキングメモリを必要とするんですよ.

で,訓練すればその方法のスコア自体は上がることが確認されているんですが,「それってほかのワーキングメモリの要素も向上しているのか?」ってポイントは意外とはっきりしていなかったりします.



てことで,新しい研究(R)ではそこら辺の問題について調べてくれていました.これは,電子科技大学の実験で,163人の大学生の男女を以下の3つのグループに分けて,20日間トレーニングをしてもらいました.

  • デュアルNバック課題のトレーニング
  • 場所法のトレーニング(単語を多く覚えられるようにする)
  • 何もしないコントロール群


そのうえで,参加者のワーキングメモリの機能がトレーニングの前後でどう変化したかを以下の4つのテストから測定しました.

  • デュアルNバック課題
  • 単語記憶のタスク
  • デジットスパン課題(読み上げられた数字を順番,または逆順に暗唱するテスト)
  • 変化検出課題


つまり,「場所法,Nバック課題のトレーニングをすることによって,その他の課題に対するワーキングメモリの機能も向上しているのか?」って点を調べたわけですな.

で,以下に結果です.

  • 場所法,Nバック課題いずれも,自身のスコアは向上した.
  • どちらもデジットスパン課題のスコアは向上したが,変化検出課題のスコアの向上が確認されたのはNバック課題のグループだけだった.


みたいな感じだったそう.要するに,Nバック課題のトレーニングをした方が,場所法よりもいろんな種類のワーキングメモリを向上させてくれるかも,ってことですな.

もちろんだからと言って,その他の一般的な脳トレと同じように場所法意味なし!とはなりませんからご注意を.実際この実験でもデジットスパンのスコアは向上していますしね.また,最近の実験(R)によれば,場所法は単語の記憶量が倍近くになった!って報告があるんで,単純に暗記量という意味ではなお有力な方法であると思います.殊ワーキングメモリを鍛えるという意味ではNバック課題のトレーニングのほうがいいかもねーっていう話です.

とはいっても,場所法は手軽で実践しやすいのに対して,Nバック課題のトレーニングって地味だしすぐ飽きちゃうんですよね.トレーニングをやめたらすぐワーキングメモリも戻っちゃう可能性があるのも難点です.またなんかモチベーションが続きそうなやつを探してみようかしら….

参考になれば幸いです.質問やコメントなどありましたらTwitterなどでご連絡いただけると嬉しいです.

それではっ!

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