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ドライアイで仕事や日々の生活に支障が出るか?みたいな研究の話

わかる人にはわかりすぎるほどわかる,「ドライアイはつらい!!」

ご存じの通り,ドライアイは涙の量が足りずに目が乾く症状.私も最近特にひどくて,いろいろ対策を講じております.

対処法については需要があれば,またの機会にまとめてみるとして,今日はドライアイがひどいと,仕事や日常生活にどんな悪影響が出るの?ってことについて考えてみたいと思います.



あたらしい研究(R)では,ペンシルバニア大学などのチームが,「ドライアイがひどいと,仕事の生産性や日々の活動にどのくらい影響が出るのか?」ってのを調査してくれてました.どんな研究だったかというと,

  • 過去6か月以内にドライアイに関連した症状を経験した18歳以上の男女535人(平均年齢58歳)を対象に,ドライアイと仕事の生産性(欠席率とか),日常の活動状況を調査する.
  • 6か月後,12か月後にフォローアップを行う.

ちなみにドライアイの状況については,TBUTとか角膜染色とかいろいろな方法が用いられていたそう.自己申告だったり一つの方法だったりすると,過剰に判断してしまったり,どうしてもいろいろなバイアス等が働いてしまうので,この点,エビデンスの質は高くなってるんじゃないでしょうか.


で,その結果をざっくりまとめると,こんな感じになります.

  • OSDI(ドライアイ疾患の問診票)のスコアと,仕事の欠席率,居残り,活動レベル等の間に相関がみられた.

  • OSDIのスコアが10ユニット高くなるごとに,全体的な仕事への支障が4.3%,日常の活動レベルへの支障が4.8%高くなっていた

  • 長期的にOSDIのスコアが高くなると,仕事でも仕事以外でも支障が大きくなっていた(それぞれ10ユニット高くなるごとに2.0%,3.1%)

  • 角膜染色やTBUTのスコアも,仕事や活動レベルの低下と関係がみられたが,長期的にこのスコアが変化しても仕事の生産性や活動レベルに影響は見られなかった



といった感じで,全体的に見ると,ドライアイの人はそうでない人より仕事や日常生活で支障が出るし,同じ人でもドライアイがひどくなるとさらに影響が出そう!ってな印象です.

もちろん他の外的,内的な要因が影響している可能性もあるでしょうが,ドライアイの人なら,仕事や生活にそれなりに支障が出る,というのは,経験的にうなずける点も多いんじゃないでしょうか.

研究チームはさらに,エコノミックな観点からこんなことをおっしゃっています.

もしかすると,ドライアイと他の並存疾患との間には,体系的な結びつきがあり,それによって,並存疾患のある患者ではドライアイが重症化する傾向があるのかもしれない.このことは,ドライアイが,糖尿病などの一般的な慢性病のような形で,いくらか間接的に社会的なコストになっている可能性を示唆している.

(中略)

これらの結果は,ドライアイが経済的にネガティブな影響を及ぼし,ドライアイの症状を緩和すれば,経済的な利益になるという証拠を強固なものにしている.

とのこと.ドライアイがほかの病気をさらに悪化させていて,ドライアイを直せば,ほかの病気の症状も多少は緩和するかも?そしたら経済的にも医療費が安くなっていいかも?みたいなことですな.

まあ,後半の部分はよくわかりませんが,とりあえず,仕事の生産性や日常生活の質を上げるためにドライアイの症状はなるべくやわらげといたほうがよさそうっすね.

私もはやめにどうにかしないとなー.

参考になれば幸いです.それではっ!

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