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【研究】部屋のCO2、PM2.5の濃度が高いと認知機能が低下するかもだぞーみたいな話

「大気汚染はよくないことばっかり!」みたいな話は、当ブログでもよくしておりまして、先日なんかは、


といった報告を取り上げてました。とにかく大気汚染には気を付けとかないと肉体、精神、脳の健康に害が出ちゃうみたいなんですよね。

でもって、新しい研究(R)では、「部屋のCO2、PM2.5のレベルが上昇すると、リアルタイムで頭が悪くなるかもよ!」って結論になっててビビりました。大気汚染がひどい地域の人は認知の問題を抱えやすいってのはよく話ですが、屋内におけるその場の空気がちょっと悪くなるだけでも実は認知にデメリットが生じるんじゃないか?と。

特にPM2.5に関しては、屋外の問題のほうが注目されがちですが、実際には屋外の微小粒子が入ってきたり、部屋の中で発生したりすることで屋内にも結構存在しているんですよね(タバコ、料理、掃除とか)。しかも屋内だとクローズな環境ゆえ、ひとたび濃度が高くなるとなかなか下がりにくいという特徴があったりもして厄介なんですよ。



部屋のCO2、PM2.5の濃度が高いと頭が悪くなるかも

これはHarvard T.H. Chan School of Public Healthなどの研究で、12か月間にわたってオフィスワーカー302人(18~65歳)を対象に行われたもの。対象者は、中国、インド、メキシコ、タイ、アメリカ、イギリスといった世界中の人となっておりまして、さらに職種も建築、テクノロジー、不動産投資、エンジニアリングみたいに幅広い人たちが参加しております。

大気の状態による認知への影響を調べた研究の多くは、高齢者や子供を対象にしたものが多いんで、その点でもこの研究は有用なんじゃないでしょうか。

で、参加者の人たちが働くオフィスに、温度、相対湿度のほか、CO2、PM2.5濃度をリアルタイムでモニターする機器を設置。あらかじめ設定された時間または一定の濃度を下回ったり上回ったりしたら、参加者にはスマホで認知機能を測るテストを実施してもらいました。

認知機能のテストに関しては、

  • ストループカラーワードテスト:選択的注意力を測るテスト
  • ADDテスト:認知スピードとワーキングメモリを測るテスト


の2種類が使われたそう。





その結果、どんなことが分かったかといいますと、

  • PM2.5、CO2の濃度が上がると、カラーベースのテストにおける反応速度が遅くなり、正確性が低下した
  • 算数ベースのテストでは、PM2.5、CO2濃度が上がると時間内の正答数が低下した。反応速度に関しては、CO2濃度が上昇した場合に限って低下していた


だったそう。具体的には、

  • PM2.5濃度が8.8μg/m3上昇すると、ストループ課題における反応時間が0.82%上昇、回答数が0.7%減少、ADDテストにおける回答数が1.51%減少
  • CO2濃度が315ppm上昇すると、ストループ課題における反応時間が0.85%上昇、回答数が1.32%現象、ADDテストにおける反応時間が1.13%上昇、回答数が1.51%減少


といった感じ。要するに、程度の差こそあれど、PM2.5濃度が上昇し、換気率が低下すると、注意力の切り替えがうまくできなくなり、認知的な処理スピードが減少する傾向が見られたわけっすね。

ちなみに、この数字は教育レベル、睡眠不足、食事の質なんかによる影響を同じくらいだということ考えれば、なかなか大きな効果だとお判りいただけるかと。



室内の空気環境は思ってる以上に大事

もちろんこの研究からはPM2.5やCO2による認知機能の低下のメカニズムははっきりしないわけですが、実際、テストの成績に対する影響も異なっている点を考えても別々の経路で脳に影響が出ていることは明らか。

具体的には、過去の動物実験等を考慮すると、

  • PM2.5:これを吸入すると、全身に慢性的な炎症を引き起こし、中枢神経系に影響が出る。実際、PM濃度が高い地域の人ほど、神経認知障害や神経変性疾患、認知機能の低下が顕著というデータは多い
  • CO2:血中のCO2濃度が高くなると、交感神経系が活性化し、ワーキングメモリ等認知機能が低下する


ざっくりいえばこんな感じのことが考えられます。とにかく、空気の状態がよくないと、いろんな経路をたどって脳がうまく働かなくなる可能性があるってわけです。

研究チーム曰く、

フィルターや換気量を増やすことで、室内におけるPM2.5やCO2への曝露を減らせば、仕事の生産性、教育、安全性、および認知機能が重要となるその他の多くの活動にプラスの影響を与える可能性がある。

今回の研究は、PM2.5濃度の低下による健康上のメリット(心血管疾患、喘息、早死にリスクの減少等)、換気量の増加による健康上のメリット(感染症蔓延の防止、シックハウス症候群の減少、欠勤数の減少等)に加えて、室内空間の空気環境を改善するためにさらなる動機づけとなる。


とのこと。今の時期はもちろん新型コロナの感染防止のために換気は多く行われているけど、パンデミック終息後であっても換気やフィルタリングをしとくと思っているよりいろんな面でメリットがあるかもってことっすね。

てなわけで、我々は人生の9割を室内で過ごすなんてデータもあったりするんで、室内の空気環境については気にしといたほうがいいかもよーってことで。私もとりあえずCO2モニターでも買ってみようかなーとか思いました。

参考になれば幸いです。質問やコメントなどありましたらTwitterやお問い合わせのページからご連絡いただけると嬉しいです。


それではっ!

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