学習

ビデオ講義で教員が気を付けるべきポイントとは?

新型コロナの影響もあって,大学の講義なんかはオンラインで行われていたりします.もっとも,教える側としては,

  • 生徒がちゃんと話を聞いてくれているか不安
  • 授業の動画や資料を作るのが大変
  • 課題等のチェックが大変
  • (そもそも新しいことをするのが嫌だ)


みたいな悩みもあるようです.

実際,ビデオ等テクノロジーを活用した学習は使い方次第で,生徒の学習効率を高めてくれる!っていうデータは複数ある一方,授業からの離脱率が高かったり,そもそも参加,視聴しない,という傾向も結構見られていたりします.

たしかに好きな時間,スピードで授業を受けられたり,わからない箇所を巻き戻したりできるのはうれしいけど,モチベーションがわかないと先延ばしにしまくる,みたいなのはよくわかります.



じゃあ「どんな講義ビデオを作ればいいのか?」って点が気になるわけですが,ヴァンダービルト大学の先生がオンライン授業で教員が意識すべきこと,みたいなポイントをまとめてくれておりまして,参考になりました(R).

大きく分けてポイントは3つありまして,それぞれ簡単に見ていくことにしましょう.

1.認知負荷

これは,限りあるワーキングメモリを最大限活用して,生徒の集中を促すとともに,内容の理解,記憶の定着を目するポイントでして,まず以下の3つのサブカテゴリーに分類されております.

  • 根本的な負荷:生徒が自分の知識と学習対象を結びつけるのに必要となる負荷の度合い.例えば,「淡青色=空色」は負荷が小さく,「細胞複製のプロセス」の理解は負荷が大きい.
  • 本質的な負荷:学習目標を達成するために,対象を比較したり分析したりするための負荷.
  • 非本質的な負荷:学習に無関係な負荷.


当然指導の際には,非本質的な負荷を極力減らしつつ,生徒の根本的な負荷の度合いに注意をすることが必要となるわけです.

これを踏まえたうえで,具体的に気を付けるべきは以下のポイント.

  • 重要な情報にはハイライトをつける:非本質的な負荷を減らし,本質的な負荷を増やせる
  • 情報のチャンクわけをする:根本的な負荷を調整し,本質的な負荷を増やせる
  • 余計な情報は省く:非本質的な負荷を減らせる
  • 適切な音声やビジュアルで補足情報を伝える:本質的な負荷を増やせる


どれも当然っちゃ当然のようなことですが,意外と惰性で講義を進めてしまったりして,生徒がうまく情報を処理しきれていない,ということはありがちですよね.



どうしても教師と生徒では前提知識のレベルが異なりますから,教える側が注意してあげないと,どこが核となる内容なのかとかどんな階層なのかとかわかりにくかったりするんですよね.なんで,説明のメリハリと,どの程度のレベルから説明すべきかって点は気を付けるべきでしょう.

2.生徒のエンゲージメント

そもそも授業に参加,動画を視聴してもらわないことには何も伝えられませんから,そのための工夫も必要となります.具体的には,

  • 各動画(のセクション)を短くする:ビデオを視聴する生徒の数を増やし,トータルの視聴時間を増やす.マインドワンダリングの防止
  • 会話調で話す:社会的なつながりの感覚を創出し,内容を理解しようという気持ちにさせる
  • 比較的早口で,気持ちを込めて話す:ビデオを視聴する生徒の数を増やし,つながりの感覚を生み出す.
  • 関連する動画(のセクション)を付属する:ビデオを視聴する生徒の数を増やし,本質的な認知的負荷を増やす


動画だと後回しにしてしまったり,他人事に感じてしまいがちだけど,とっつきやすくしたり,自分事に感じられるような工夫を施そうというわけですね.



話し方という点では,抑揚をつけたり,話すスピードを変えてみるというのも利き手を飽きさせない工夫としてありだと思います.

3.アクティブラーニング

3つ目のポイントはアクティブラーニング.受け身になりがちな学習を自発的な形で取り組めるようにして,記憶の定着まで促そうという話です.具体的には,以下のポイントを意識していただくとよさげ.

  • 問題のコーナーを設ける:本質的な負荷の増加,テスト効果で記憶の定着,生徒の自己評価の向上が図れる
  • 自分で調べるコーナーを設ける:学習のコントロール感が生まれ,本質的な負荷を増やせる
  • 一緒に考えるような質問をする:本質的な負荷の増加,非本質的な負荷の減少,自己評価の向上を図れる
  • 宿題を出す:モチベーションの向上,本質的な負荷の増加,生徒の自己評価の向上を図れる


とにかく自分の頭を使って考えられるような工夫をしようってことですな.録画の講義だったとしても,少しの時間考える時間を設けたり,動画を停止して考えてもらうように促すのもいいかもしれません.また,生徒がつまずきそうなポイントを事前に考えてそれを解決するように意識するだけでも授業の質は十分向上するだろうと思います.



というわけで,結構当たり前のようなことが多かったかもしれませんが,何か一つでも参考になった点があったなら授業等に取り入れてもらえると幸いです.個人的には動画を分割したり,少なくともセクションの階層やメリハリをつけてもらえるとありがたいなーとか思いました.学生の方も,自分の授業の受け方を見直す際のヒントにしていただくといいかと思います.

参考になれば幸いです.質問やコメントなどありましたらTwitterやコメント欄などでご連絡いただけると嬉しいです.

それではっ!

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