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ケトジェニックダイエットは危険?【最新研究まとめ】

数年前までは「ケトジェニックダイエット最高!」みたいな風潮がありましたが、最近では「本当はどこまで効果あるの?危険性もあるんじゃない?」みたいな声も増えてきた印象。

そんなわけで、ケトダイエットに関して現時点の知見をまとめてみようかなーと思っていたら、ケトダイエットのリスクに関して、過去120件以上の研究データをまとめてくれてるレビュー(R)を見つけたんでメモしときます。



いまさら聞けない「ケトジェニックダイエット」って何?

まずは、そもそも「ケトジェニックダイエットって何か?」ってのを確認しておくと、大まかには、

  • 食事中の糖質の量を最小限に
  • タンパク質はほどほどに
  • 脂質はいっぱい取る


っていう食事法(詳細にはいろんな流派がありますが)。ケトーシスを誘導することで、脂肪酸を直接代謝できない神経細胞等の代替エネルギーとなるケトン体を増やすのが目的とされますな。

ケトジェニック賛成派の間では、ケトダイエットは「ダイエットに効く!」ってだけでなく、

  • 頭がよくなる!
  • 寿命が延びる!
  • 肌がきれいになる!
  • イライラが減ってメンタルが安定する!


みたいにあらゆる面でのメリットが強調されていたりします。

そんなところでこのエントリでは、肉体的な健康に関する現時点での知見をまとめておきます。



ケトダイエットのリスクはメリットを上回る?

まずは研究チームのコメントを見ておくと、

多くの人にとって、ケトジェニックダイエットのリスクはベネフィットを上回ります。


とのことで、安易に手を出すことには注意を促しております。

実際、ケトジェニックダイエットを徹底しようとなると、ビタミン、ミネラル、ファイトケミカル、食物繊維等の重要な栄養素が不足することになります。具体的には、

  • チアミン
  • 葉酸
  • ビタミンA
  • ビタミンE
  • ビタミンB6
  • ビタミンK
  • カルシウム
  • マグネシウム
  • カリウム
  • リノレン酸


といった栄養が欠如することに。これを見るだけでもケトジェニックダイエットって大丈夫なの?って思うのには十分でしょう。そのほかにも、ケトジェニックダイエットによって腸内のマイクロバイオータにも悪影響が及ぶという報告もあったりします。

以下では、症例別にケトジェニックダイエットのデータをサラッとまとめてみます。

肥満予防・体重管理

  • 6~12か月の体重減少の効果を調べたメタ分析では、低炭水化物ダイエットは低脂肪ダイエットに比べて1.30㎏体重が減っていた

  • この効果は、食欲の低下によるものが大きいと考えられるが、食欲を抑える点に関しては、低脂肪のビーガン食のほうが効果が大きいというデータもある

  • また、1年以上の介入の結果をまとめたメタ分析によれば、低炭水化物ダイエットと低脂肪ダイエットとの間で体重減少量に統計的な有意差は見られなかった

  • 総合すれば、ケトジェニックダイエットは短期的には、除脂肪体重(水分、グリコーゲン、たんぱく等)が減ることで体重が減るが、1年以上の長期間続けると効果はなくなる可能性が高い



2型糖尿病

  • ケトジェニックダイエットによって、短期的には、食欲が抑えられ、体重が減ることで血糖値が下がり、HbA1cも下がる

  • 6か月間低炭水化物ダイエットを行った実験によれば、スタートから6か月間はインスリン感受性が向上したが、その後さらに6か月たつとベースラインと同じくらいまで戻っていた

  • HbA1cに関しても、数か月で元の値に戻り、他の食事法と大差ないと思われる



NAFLD(非アルコール性脂肪肝)

  • 低炭水化物ダイエットと低脂肪ダイエットを比較した複数の実験によれば、肥満の人の肝臓内の脂肪減少量はどちらの食事法でもほとんど同じ

  • ケトジェニックダイエットによる飽和脂肪酸、コレステロール、動物性たんぱく質等が、肝細胞におけるインスリン抵抗性、酸化ストレス、遊離脂肪酸の増加につながっている可能性がある

  • 動物性たんぱく質の摂取量が多いと、NAFLDリスクが54%高くなる

  • NAFLDリスクを下げるには、全粒穀物、ナッツ、豆類、一価不飽和脂肪酸、植物性たんぱく質、オメガ3脂肪酸、プレバイオティックファイバー、レスベラトロール、コーヒー、タウリン、コリン等を摂取するとよさそう

  • そのほかのデータによれば、魚や魚の油を大豆油に置き換えると、NAFLDリスクが12~13%減る。また、野菜中心の食事にすればNAFLDリスクが21%低下するという報告も



アルツハイマー

  • アルツハイマーとケトダイエットの長期的な関係を調べた研究は現段階ではないが、3か月のケトダイエットで認知症患者の認知能力が改善したという小規模の実験はある。しかし、その後1か月のウォッシュアップ期間には元のレベルに戻っていた

  • 認知機能に問題のない高齢者を対象にした実験では、介入によって認知能力、記憶力に改善があったという報告も一応あるが、結果は一貫していない



心血管疾患

  • 2003年の実験によれば3か月のケトダイエットによって、LDL-Cが6.2%上昇していた。一方、カロリー制限のグループでは11.1%減少していた

  • 低炭水化物ダイエットによって上昇したLDL-Cは、2年後のフォローアップにおいてもなお高い数値だったというデータもある

  • 人によっては、ケトダイエットによるLDL-Cの上昇度合いは著しく、数か月の介入で200㎎/dLも上昇する人も少なくない



腎臓

  • 1.2万人を23年間追跡した研究によれば、動物性たんぱく質の摂取量が多いと、CKD発症リスクが23%高い

  • 14件のRCTのメタ分析によれば、タンパク質の摂取量が少ないと、腎機能の低下がひどくなる

  • ケトダイエットによる酸負荷は、CKD患者の代謝性アシドーシスと腎臓の障害を悪化させる可能性がある



まとめ

そんなわけで全体的には、まだエビデンスは不十分ではありますが、ケトジェニックダイエットは短期的にはメリットがあるように見えても、長期的なメリットは不明瞭でむしろ安全性が危険視されてるって感じ。

ほかにも、低炭水化物ダイエットで死亡率が下がる!なんてデータもあったりはするんですが、逆に低炭水化物ダイエットで死亡率が上がる!っていう真逆のデータもあったりして、炭水化物の種類とかその他の栄養素との兼ね合いの影響も大きそうであります。

さらに、最近のデータでは糖質の量が少ないとCovid-19の重篤化リスクが高い!なんてデータもあったりします。

ってことで、結論としては、「効果は他のダイエット法と大差ないわりに(特に長期的な)リスクは大きいかも?」といったところでしょうかね。現段階ではやはり多くの機関で推奨されてる地中海式とかがベストなんじゃないかなーとか思いました。

参考になれば幸いです。質問やコメントなどありましたらTwitterやお問い合わせのページからご連絡いただけると嬉しいです。


それではっ!

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