緑でストレス解消!
「自然とのふれあいでストレスを解消しよう!」みたいな話はよく聞くところで,当ブログでもたびたび取り上げているテーマであります.
もっとも,自然とのふれあいでメンタルにいい影響がありそうなのは間違いないものの,
- どのくらいの時間触れ合えばいいのか?
- 頻度はどのくらいがいいのか?
- 時間帯によって効果は違うのか?
- 長期的には効果は持続するのか?
- 自然の中で何をすればいいのか?
- そもそも効果のある「自然」の定義って何なの?
みたいな点ははっきりしていなかったりするんですよね.どれも日常的に実践するには気になるポイントであります.
新しい研究(R)は,ここら辺の疑問に役に立ちそうで,おもしろかったんでメモ.
より現実的な形で調査!
これはミシガン大学の研究で,都会に住む36人の男女(22歳から68歳)の男女を集めて,以下のような調査を行いました.
- 参加者には,1回10分以上の屋外の自然との触れ合いを週に3回以上行ってもらう
- 実験期間中の4つの時点で,自然に触れあう前後の唾液のサンプルを提出してもらう
- これを8週間続ける
みたいな感じ.自然との触れ合いは,参加者各自の好きなスケジュール,時間,タイミングで行ってよくて,その間に何をするかも自由だったそう.「自然」の定義も,当人が「自然と触れ合ってるなー」って感じられる場所ならどこでもよかったらしい.
今までの研究では,実験室または所定の場所で,決められた時間,決められた行動をとったうえでの効果を調べるのが一般的だったのが,そこら辺を一気にもっと実践的な方法で行った点で斬新であります.
また,唾液のサンプルからはストレスの生理的なバイオマーカーであるコルチゾールとαアミラーゼの変化が調べられたんだそう.
どのくらいの時間がベスト?
それで,調査の結果わかったことをざっくりまとめると,
- 自然との触れあいによって,コルチゾールは一時間当たり21.3%減少していた
- その低下率は20~30分の間が一番大きく,その後は効果は持続していたが低下の割合は減少していた
- αアミラーゼは,自然との触れ合いによって,一時間当たり28.1%減少していた(日中の上昇分は考慮済み)
- その効果は,座っているかゆっくり歩く程度の活動をしていた人に限られていた.一方,コルチゾールの低下には活動タイプは影響していなかった
といった感じ.ちなみに,コルチゾールのレベルは,何もしなかった場合には1日かけて11.7%程度減少していたみたいなんで,自然の力がいかに強力かがよくわかります.
まとめ
そんなわけで,まとめると,
- 「ストレス解消のためには何時間自然に触れあえばいいの?」:とりあえず20~30分やってみよう!
- 「どの程度の自然ならいいの?」:自分で自然っぽさを感じられる場所ならOK!
- 「自然の中では何をすればいいの?」:座るかのんびり歩くのがいいかも!
- 「効果は長期的に続くの?」:少なくとも8週間は続きそう!
といった感じでしょうか.
研究チーム曰く,
この研究は,都市化の進展と医療費の高騰を鑑みると,時宜を得たものである.
とのこと.自然によるメンタルへの恩恵は,小さな公園のような身近な場所,無理のない時間でも十分享受できて,ストレス社会の大きな武器になる,と.
また,同じ場所でも緑の存在を意識するだけでも効果は大きく違ってきそうだなーとか思いました.
参考になれば幸いです.質問やコメントなどありましたらTwitterやお問い合わせのページからご連絡いただけると嬉しいです.
それではっ!