チョコレートっていいよね!
「チョコレート,特にダークチョコレートっていろいろよさそうだよね!」ってのは有名な話.例えば,
- 血管が若返るかも!
- 体重が減るかも!
- 肌がつやつやになるかも!
- 遺伝子レベルで頭がよくなるかも!
などなど,いろんな面でのメリットが報告されております.チョコレート中のポリフェノールがいい働きをしてくれるんですよね.
チョコレートを食べるタイミングで効果が変わる?
そんな中で,新しい研究(R)では,「チョコレートを食べるタイミングによって効果が結構変わるかもよー」みたいな話になっていて参考になりました.
食事のタイミングによって代謝プロセスとかに違いが生じるのは有名だけど,チョコレートのからだへの影響も違うんじゃない?っていうのを調べたわけですな.
これは,スペインのムルシア大学などの研究で,月経が閉止した52±4歳の女性19人を対象としたランダム化クロスオーバー比較試験.
月経が閉止した女性をターゲットにしたのは,ホルモンバランスの問題とか,体重が変化しやすくて影響がはっきり出やすいと考えたからですね.
実験では,参加者には,それぞれ2週間ずつ,以下の3つの食生活を送ってもらいました(ウォッシュアウト期間は1週間).
- 朝起きて1時間以内に100g(一日の摂取カロリーの30%以下)のチョコレートを食べる
- 夜寝る前の1時間以内に100gのチョコレートを食べる
- チョコレートを食べない
ここで使われたチョコレート中に含まれていたカカオは18.1gで,いわゆるミルクチョコレート.そのほかの食事の内容に指示はなくて,カロリーも各自の好きなようにとってもらったみたい(ちなみにチョコレートのカロリーは一日542kcal).
そして,参加者には毎日の食事内容,食事をとった時刻等を報告してもらうとともに,睡眠やマイクロバイオータ,コルチゾールレベルなど,いろんなデータを収集したそう.
朝と夜で何がどのくらい違うのか?
その結果分かったことを表にまとめるとこんな感じ.各項目は,それぞれコントロール群と比較した結果.
この中でも特に大事なポイントをざっくり確認しておくと,
- チョコレートを食べると,食欲は低下し,チョコレート以外の摂取カロリーが減少して,体重に増減はなかった.もっとも,チョコレート以外の摂取カロリーの減少量は,チョコレートのカロリー量よりも小さかった(朝: ~300 kcal/day, 夜: ~150 kcal/day)
- 夜にチョコレートを食べると,身体活動量が6.9%,熱放散が1.3%,炭水化物酸化量が35.3%高かった
- 朝にチョコレートを食べると,空腹時のグルコースが4.4%,ウエストが1.7%減少し,脂質酸化量が25.6%高かった
- 朝と夜で,マイクロバイオームのプロファイル,機能面でそれぞれ異なる変化が生じていた
といった感じ.どうも,チョコレートを食べるタイミングによってエネルギーバランスや代謝に異なる影響を及ぼすみたいなんですな.
何で摂取カロリーが増えたの?ってポイントとしては,特にその他の食事の中身が大きな影響が大きそうでありまして,
- 減らしたカロリーのうち,その多くは脂質,炭水化物由来のカロリーだった
という傾向がみられておりました.つまり,チョコレートでカロリーが多少増えてしまったとしてもその分はそのほかの食事内容に注意しておけば,十分余りある結果を得られるかもしれないんですな.
まとめ
とはいえ,これだけではサンプル数が少ないですし,長期的な影響やカカオの量や割合による違い,男性やもっと若い人にも同様に効果があるのか,などわからないところはまだたくさんあります.
そんなわけで,この結果だけで「チョコレートは朝に食べれば脂肪が燃えるし血糖値がさがるんだ!」みたいな断言はできませんが,普段からチョコレートを食べている人は,食べる時間帯を変えてみて体の調子をチェックしてみるのもいいかもしれません.
また,「どのくらい食べればいいの?」って点については,過去のデータを踏まえると,一日50g程度,カカオの含有率が70%以上くらいを目安にしていただくといいんじゃないかなーとか思っております.
参考になれば幸いです.質問やコメントなどありましたらTwitterやお問い合わせのページからご連絡いただけると嬉しいです.
それではっ!