健康

PCやスマホってどのくらい腰痛とか肩こりに影響してるの?みたいな研究のお話

腰痛や肩こりに悩む人は多いと思いますが,その原因は実ははっきりわかっていなくて,身体的な要因のほかにも,ストレスやカフェイン,脳の異常などが一因になっているといわれていたりするんですよね.

そうはいっても,身体的な要因が大きな影響を及ぼしているのも事実.変な姿勢を保っていると,首や腰に負荷がかかるのは自明でしょう.

といったところで,ペロタス連邦大学などの出生コホート研究(R)では,若者を対象にして「PCやスマホの利用時間が首,背中,腰の痛みと関係があるか?」ってのを調べてくれておりました.



調査では,1993年のペロタス生まれの22歳の人3,810人を対象に,ここ3か月間のPC,スマホ,タブレット等の使用時間と腰や首,背中の痛みの経験状況を尋ねたらしい.「スマホやPCで肩こりが…」みたいな話はよく聞くけれど,年を取ると因果関係がわかりづらくなるし,若者のほうが使用時間が長いんだから,影響が顕著に出るんじゃないの?って考えたわけですな.

ちなみにブラジルではここ25年で,首や腰の痛みによる障害を抱える人が80%近く増加しているそうで,電子機器の普及が多かれ少なかれ関係していそうであります.



で,どんなことがわかったかと言いますと,

  • 参加者の約半数が背中や腰の痛みを抱えていた.
  • 一日のモバイルデバイスの使用時間が1時間以下の人に比べて,3時間から7時間使用する人は首の痛みを抱える確率が41%高かった.
  • 同様に,7時間以上使用する人は1時間以下の人に比べて81%高かった.
  • コンピュータを一日2時間以上使う人は,全く使わない人に比べて首の痛みを抱えるリスクが47%高かった.
  • モバイル端末を一日7時間以上使う人は,腰痛を抱えるリスクが19%高かった.


だったそう.つまり,モバイル端末の使い過ぎは首や腰の痛みのリスクを高め,PCの使い過ぎは首の痛みのリスクにのみ影響していた,という結論なわけですな.



研究チーム曰く,

コンピュータやモバイル端末の利用自体が痛みの原因ではなく,それらを利用している間の不適切な姿勢が原因となっている可能性があることをはっきりさせておくことは重要である.コンピュータやモバイル端末の使用と首の痛みの関係性は,主に頭の位置が原因である.


とのこと.スマホ等を長く使うこと自体が問題なのではなく,その時の姿勢が問題なのだ,と.言われてみれば当然ですよね.

実際,頭を45度傾けると首には22㎏の負荷がかかり,60度傾けると27㎏の負荷がかかると推定されるらしい.やっぱラップトップとかを使うときにはPCスタンドを活用したりするべきなのかもしれないっすな.

また,腰痛に関しては以下のようにコメントしておられます.

たとえ長時間のPC利用であっても,椅子の背もたれが腰の保護の役割を果たしてくれるのかもしれない.逆に,コンピュータを使うときの適切なポジションは,デバイスのタイプ(デスクトップなのかラップトップなのか)や利用する環境によっても変わってくるかもしれない.


頭を前傾することによる首への負担の腰への影響や,猫背等による影響を背もたれとかが緩和してくれているのかもしれないということですな.

実際,ソファーやベッド,座卓方式でのPC利用が腰痛につながる,という報告もあったりしますんで,座って作業するなら椅子にもある程度こだわった方がいいかもしれませんな.いっそスタンディングデスクに移行してしまうのもありだと思いますが.



そんなわけで,「スマホやPCを使うときには姿勢に気を付けよう!」という至極当たり前の結論に落ち着きました.とはいえ,適切に実践できている人は多くないからこそ問題になっているともいえるでしょうから,少し意識してみるといいかもしれません.

ちなみに,すでに腰痛を抱えている方は,「床に座って伸ばした足の方向に手を伸ばす」っていう定番のストレッチが結局一番痛みの緩和に寄与する,というデータがありますんで,お風呂上りにでも試してみてください.

個人的には,そもそも22歳の半数が背部痛や腰痛を経験していることに驚きました.私も少し気を付けないとな…最近破壊してしまったPCスタンドを新調しようかしら……

参考になれば幸いです.質問やコメントなどありましたらTwitterやお問い合わせのページからご連絡いただけると嬉しいです.

それではっ!

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