学習

勉強の成績と自信の関係を調べた長期研究でわかったこと

よく自己啓発の世界では「自信があれば何でもうまくいくのだ!」みたい言説があります.私自身も自信はない方ですが,自信は遺伝の要素も大きいし,あってもなくてもどちらもメリットデメリットがあるってことを考えると,その事実を受け入れてうまく活用していく方がいいんじゃないかなーと考えています.



勉強との関係性においては,「自信が高い方が概して成績が高い!」みたいなデータが複数あります.で,カリフォルニア大学の研究(R)では,「成績が高いと自信も高まるか?」「自信の種類によってその関係は異なるか?」みたいなことが調べられていました.要するに,自信と成績との間の相互の関係性を調べたわけです.

この研究では,サクラメントやウッドランドに住むメキシコ生まれの子供674人を対象にして,10歳から16歳までその自信と成績の関係を追跡しました.「自信」は,いくつかの要素別にも調べられていて,以下のような種類が含まれていました.

  • 全体的な自信
  • 学問の自信
  • 誠実さにおける自信
  • 身体的魅力に対する自信
  • 友人関係における自信


という感じ.自信の種類によって学問上の成績との間の関係性が変わるかってポイントもが調べられたわけっすね.

それで,どのような結果が得られたかと言いますと,

  • 全体的な自信,学問に対する自信が高いと,成績が向上する傾向がみられた(テストの点数には影響なし).
  • 高い成績,テストの点数を取ると,全体的な自信,学問に対する自信が向上する傾向がみられた.
  • 誠実さに対する自信が高いと成績,テストの点数ともに向上する傾向がみられた.
  • 高い成績をとると,人間関係における自信が高まる傾向がみられた.
  • これらの関係に性差,出身地は関係なかった.


だったそうです.ここでいう「成績」というのは学期末に発表されるA, B, Cみたいなやつですね.要するに,

  • テストの結果は,自信に影響を及ぼす
  • 成績は自信と相互に影響しあう


という感じ.テストの点数は変わらなかった点は少し驚きましたが,それでも成績は優位に向上したみたいですね.研究チーム曰く,

自尊心は学生の感情や態度に関連していて,成績は彼らの非認知的な要素により影響を受ける.よって,自尊心はテストのスコアよりも成績に対してより大きな影響を及ぼすのだろう.


とのこと.自尊心が高い方が授業に取り組む姿勢だったり,課題の提出状況にポジティブな影響が出るってことですな.

さらにまとめとして,以下のようにもコメントしていました.

この研究は,全体的な自信,学問に対する自信は,学問における達成度と「有徳」または「不道徳」なサイクルで絡まりあうことを示唆している.つまり,高い自尊心と学問の成功は互いに時間をかけて高めあう一方,低い自尊心と学問における失敗は互いに低めあうスパイラルに陥ることになる.


とのこと.自信と成績の結びつきの強さゆえか,アップワードスパイラルにもダウンワードスパイラルにもつながる可能性があるってことですな.

もっとも,この研究からはこれらのメカニズムはわかりませんし,大人にもどこまで当てはまるかもはっきりしません.また,社会的なマイノリティーを対象にしている実験ですんで,マジョリティの人にはどのくらい当てはまるかもわかりません.

まあでも,ある分野の自信が他の分野の自信,成果につながるといったことは他の研究でも報告されていたりするんで,日常の小さなことから自信を身に着けていけば仕事とかの成果も上がってさらに自信も上がって・・・という正のループに入れるかもしれませんね.私もまずは,とにかく負のループに入らないようにだけは気を付けないと….

参考になれば幸いです.質問やコメントなどありましたらTwitterなどでご連絡いただけると嬉しいです.

それではっ!

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