人間関係

愛着スタイルは顔を見ただけで判断できるか?問題

人間関係において,「言葉以外にも表情や声のトーンなどにいろんな情報が詰まっている!」みたいなことをよく言うわけです.確かに写真の表情を見ただけでもある程度その人の気分とかは予想できますしね.

で,相手の表情とかからある程度性格を予想できるかも!みたいなデータも複数あったりします.初対面の相手の性格を精確に把握できれば,距離感とかを調整していい関係を築けると考えられるわけです.



トロント大学などの研究(R)では,2つの実験を通して,「無表情の顔から初対面の相手の愛着スタイルを見抜けるか?」みたいな点が調べられていました.

愛着スタイルというのは,「人間関係における人間の性格」みたいなもので,他人とのかかわり方に関する2つの指標をベースに性格を分類した理論です.2つの指標ってのは,

  • 回避傾向:相手と一定程度距離を置いたコミュニケーションを好み,近づきすぎると不快感を覚える
  • 不安傾向:相手から拒絶されるのを恐れて,人間関係にネガティブな印象を抱きがち


みたいな感じ.この2つの指標がどのくらい強いかによってその人の人間関係における性格を判断するわけですな.それぞれ分類した性格を「回避型」「不安型」「安定型」と呼んだりもします.

当然,このどちらの傾向も低いほど,人間関係は安定して楽になっていきます.理論的には,新しいパートナーや友人を作る際には,なるべく早い段階で相手の愛着スタイルがどのタイプなのかを把握して,親密になるべきかを判断すべきと考えられるわけです.

で,具体的に実験はこんな感じで行われました.

  1. トータル1200人以上の参加者と,被写体となる人の愛着スタイルを調べる.
  2. 参加者には,無表情の被写体の愛着スタイルを予想してもらう


っていうシンプルな感じ.対話形式とかではなく,無表情の写真だけを頼りにして,愛着スタイルを判断できるのか?ってポイントが調べられたわけです.オンラインのマッチングサービスとかでは相手の顔が非常に重要な判断要素になるわけで,愛着スタイルが人間関係の質を左右する点を考慮すると,顔から愛着スタイルが見抜けるかどうかってのは大事なポイントになるでしょう.

その結果はどうだったかというと,

  • 男性の顔を評価する際には,男女ともに愛着スタイルを有意に正しく判断できていた.
  • 一方女性の顔から判断した愛着スタイルの精度は偶然と同じ程度だった.
  • 判断する人自身の不安傾向が強いと,被写体の愛着スタイルの不安傾向もより強く判断する傾向がみられた.


みたいになっています.要するに,男の顔は判断しやすいけど,女性の顔は判断しにくい,さらに,自分の不安傾向が強いと相手の判断においてバイアスがかかってしまうってわけですね.

もちろんそのメカニズムについてはわかりませんが,自身の愛着スタイルをチェックしてバイアスのかかりやすさを把握したうえで,特に男性と新しい関係を築く際には事前に顔写真を見ておくだけでも,相手の愛着スタイルをある程度予想出来て,いい関係を築きやすくなるかもしれません.

参考になれば幸いです.質問やコメントなどありましたらTwitterなどでご連絡いただけると嬉しいです.

それではっ!

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