最近は「人生100年時代」とか言われますが、どうせ100年生きるにしても、最後まで元気に100年間生き抜きたいものです。
そんな理想を体現しているのが「スーパーエイジャー」と呼ばれる人たち。
彼らは80歳以上なのに、脳機能は実際より20歳若い状態をキープしていたり、中には20代と同レベルの脳機能を有している人さえいたりします。
スーパーエイジャーは、より分厚い脳皮質を持っていることが知られていて、それによって高い脳機能をキープしていることが先行研究で示されています。
しかし、一般に年を取るにつれて、脳皮質は委縮していきます。では彼らは、どうやって、分厚い皮質をキープしているのでしょうか。
「萎縮のスピード自体は同じでも、もともと、生まれながらに脳の体積がでかいから、同年代の人よりも若い脳の状態にある」とか、「萎縮のスピード自体をゆっくりにしていることによって萎縮の進行が遅いんじゃないか」、そんな仮説が考えられます。
2017年のノースウエスタン大学の研究では、後者の説についての検証が行われました。(R)
ここでは、スーパーエイジャーの定義は、「80歳以上で、少なくとも平均的な50~65歳の人と同じ程度のエピソード記憶を有する人」とされています。
少なくとも15歳は実年齢より若い脳機能を有しているということですね。
研究では、スーパーエイジャー24人(平均年齢83.3歳)と、その年齢での平均的なエピソード記憶を有する参加者12人(平均年齢84.3歳)の、認知能力を18か月にわたって調査しました。
調査の開始時点においては、エピソード記憶のテストや、言語流暢性におけるスコアがスーパーエイジャーのほうが高く確認されました。
言語流暢性っていうのは、動物の種類をなるべく多くあげてくださいみたいなテストで確認されるスコアで評価されるやつです。
また、両グループには、教育とかを含めて、人口統計上、神経心理学上の大きな差はありませんでした。
およそ18か月間程度追跡した結果、以下のようなことがわかりました。
- 一般的な高齢者の人は、年平均での皮質体積の減少率が2.24%だった。
- 一方、スーパーエイジャーは、年平均の減少率が1.06%だった。
ってことで、2倍以上の差がついていることがわかります。
つまり、スーパーエイジャーは、脳皮質の委縮の進行に対抗できています。
脳皮質の委縮を食い止めることができるということは、認知症の発症とかから脳を守ることができる可能性があるということです。
この結果に研究者は、
この研究は、スーパーエイジャーが、老化に抵抗し、寿命と健康寿命の均衡を保とうとしており、本当に健康的に生き、残りの人生を楽しんでいることを示している。
といっていて、スーパーエイジャーは、寿命が来るまで元気に過ごし、寿命が来たらぽっくりいくという人間の本来あるべき姿を体現していることがわかります。
研究自体小規模ですが、スーパーエイジャーのすごさを感じることは十分できると思います。
では、どうすれば、そんなスーパーエイジャーになれるのか、彼らの習慣とかについては次回以降に紹介できたらと思います。
参考になれば幸いです。それではまた。
<おすすめ本>