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進学するか就職するかで20年後の血管の健康が決まる?みたいなケンブリッジ研究のお話

「血管の健康が大事!」ってのはもはや常識。そんで血管の状態を良好に保つには食事や運動を最適にしておくことが第一なわけですが、経済状況や教育レベルが心疾患リスクを左右する!ってデータは結構多いんですよね。

そんなところで新たな研究(R)では、「20歳前後の社会経済的な状況が20年以上後の血管の健康状態を左右するんじゃない?」って話になっていて、おもしろかったです。これだけ聞いてもよくわかりづらいんで、まずは調査の内容を見てみましょう―。



進学するか就職するかで20年後の血管の健康が決まる?

これはケンブリッジ大学などの調査で、どんな研究だったかと言いますと、

  • 1970 British Cohort Studyのデータから、参加者12,423人が16~24歳の時の職業を以下のカテゴリーに分類
    1. 学生
    2. 経営者
    3. 専門職(医者とか)
    4. スキルが必要な肉体労働者(バスの運転手とか)
    5. スキルが必要な知的労働者(秘書とか)
    6. 一部スキルが必要な労働者(農家とか)
    7. スキルが不要な労働者(ポーターとか)
    8. 無職

  • 参加者が46歳になったときの心血管代謝に関わる以下のようなポイントをチェック
    • ウエスト
    • 血圧
    • トリグリセリド
    • HDLコレステロール
    • C反応性たんぱく等


みたいになってます。

20歳前後の時に進学するか、就職するか、就職するとしてもどんな職・地位につくかによって20年以上後の血管の状態に違いがあるのか?ってのを調べたというわけ。

実はこのくらいの年齢の時の社会経済的状態との関連を十分に調べた研究ってありそうでなかったんですよ。この年代にドンピシャの私としては誠に気になってしまうわけです。



進学したほうが将来の血管の状態が良好になる?

それで、どんなことがわかったかと言いますと、

  • いずれの指標においても、「進学」していた人のほうが、他のグループの人よりも良好な数値だった(つまり、血管が健康)

  • 概して、無職の人が最も望ましくない状態だった

  • この傾向は、46歳時点での収入、職種、地位等の要素を調整してもなお確認された


というわけで、どうやら「20歳前後で進学するか、それ以外か」という2つのうちどちらを選択するかによって中年になったときの血管の状態に結構差が出るらしい。

しかも中年になったときの仕事や経済状態にはほとんど影響を受けなかったというのはちょっとびっくりっすね。

具体的な数値で確認してみると、

  • 進学した人は、それ以外のグループの人よりも、ウエストが3cm短かった(心血管イベント6%に相当)
  • また、血圧は2mmHg低かった(血管性の死亡の7%に相当)


って感じ。

まあもちろんこの研究からは因果関係ははっきりしませんし、他の交絡因子がかかわっている可能性も十分あります。また、この研究では教育レベルとかは考慮されてないんで、そこら辺が影響している可能性もありそう。

研究チーム曰く、

大人になって早い段階は、健康を意識した行動や社会心理的な要素の発達には重要な時期である。

よって、その時点での社会経済的な地位が健康に関連した行動や心理社会的な要素の発達に寄与し、それがのちの大人時代まで引き継がれ、心血管代謝のリスク要素に長期的に影響を与えているのかもしれない。


とのこと。20歳くらいは肉体的にも精神的にも急速に発達する時期ですから、その期間に体に染みついた習慣や考え方がのちの人生に大きく影響して、それが数十年後のからだの状態を決める大きな要因になっているのかも、と。

まあ、教育を受けた期間の長さが寿命の長さに影響する!ってデータは昔からありますし、進学するか迷ってる人なんかは、ここら辺も参考にしてみるのもありかもしれません。

質問やコメントなどありましたらTwitterやコメント欄などでご連絡いただけると嬉しいです。

それではっ!

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