お金、ビジネス

どの国なら幸せをお金で買えるか?みたいな研究の話

「お金を稼ぐことで得られる幸福には限度がある!」っていうのは有名な話.これは世界中あらゆる国であてはまる話でして,多くても年収1000万円くらいが幸福の上限と言われていたりします.

で,この話の中でよく言われていたのが,「周りの比較対象と比べて相対的に稼いでいると思っているか」という主観的な要素が大事なんじゃないの?ってポイントです.例えば年収1億円稼いでいる人でも,いつも一緒にいる人たちがみんな年収5億円以上とかだったら「自分は全然稼げていない……」と考えてしまって,幸福度が下がる,みたいなことです.逆に年収200万円の人でも,周りがみんな年収100万円だったら「自分は比較的稼げている!」って考えて幸福度が高くなるんじゃない?みたいな話ですね.



要するに客観的な収入よりも,周りと比較した相対評価によって幸福度が影響されてるんじゃね?って話っすね.





ってことでロンドン大学らのデータ(R)では,「年収と国内の経済格差を組み合わせたうえで幸福度を評価してみたよ!」て話になってていい感じでした.



大体他者と比較するとなったら同じ国の人でしょうから,国民みんなが同じくらいの収入なのか,大富豪から大貧民まで暮らす国なのかによって人生の満足度が変わるんじゃないか?ってことを調べてくれたわけです.



これは世界中24か国,トータル161,839人分のデータから,「その国の収入の格差の大小によって,収入の多さがどのくらい幸福度に影響してくるか?」が調べられました.ちなみに日本のデータも含まれておりました.



で,さっそくどんな結果が出たかと言いますと,

  • 所得順位が幸福度に大きく影響しており,絶対的,相対的にどのくらい収入があるかはほとんど影響がなかった.

  • 所得順位と幸福度の関係は,所得の格差が大きい国ほど強かった.

  • これらの関係は,平均収入や年度等を調整してもなお確認された.



みたいになっています.つまり,まとめると,

  • 所得の格差が大きい国ほど,所得が多くなれば幸福度も高くなりやすい!



って感じですね.やっぱり結局お金との関係における幸福度ってのは他者との比較によって決まるんでしょうかね.



研究チーム曰く,

わたしたちの発見は,所得の格差が大きい国において,所得の順位を上げることで幸福度をあげられるかもしれないことと同時に,所得の順位が下がってしまった時にはより心理的な苦痛を経験するかもしれないことも示唆している.



とのこと.人間,ポジティブなことよりネガティブなことを絶対値として大きく判断してしまいますから,同じだけ順位が上下したとしても,下がったときのほうがショックが大きくなるってわけですな



また,このデータからは格差が変化した場合にどうなるのか?みたいな話は分からないわけですが,過去の研究なんかを参照しても,所得の格差が小さい方が幸福になれそうな感じはします.

ちなみに,この調査で使われた日本のデータでは,所得の差こそ大きくない方に分類されていましたが,所得の差による幸福度の差は平均より大きく出ていましたので,「人と収入を比べても意味ない!」ってことで頭に置いといていただくといいんじゃないでしょうか.



参考になれば幸いです.質問やコメントなどありましたらTwitterなどでご連絡いただけると嬉しいです.


それではっ!

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