お金、ビジネス

幸せになりたきゃ物より時間にお金を使え!みたいなハーバード研究のお話【金は時なり】

「人生はお金だけじゃない!」ってのは多くの人が納得するでしょうが、お金が人生を大きく左右することも事実。中でもお金が大きな影響をもたらすものとして「時間」のポイントがありましょう。

というのも、収入が増えるほど、時間の欠乏感が高まり、その時間ストレスで幸福度、幸福感が下がり、不安が増し、不眠になり、食生活が不健康になり、運動も減り、肥満になりやすくなるみたいな報告が多くあったりするんですよね。

収入の多寡にかかわらず、現代において「時間が足りない!」って感じている人は多いでしょうが、その感覚はあらゆる方向から我々に悪影響を及ぼすわけです。

でもってハーバード大学などの研究(R)では、時間ストレスを軽減するためにはお金をどう使うのが最適なのか?ってなことを調べておりまして、まずは大きな結論から申し上げますと、

  • 収入の多寡によらず、時間ストレスは人生の満足度を低下させる。そのストレスは、お金を「時間」を増やす行為に費やすことで軽減することができる(かもしれない)


みたいになります。「時間を増やす行為」ってのは、買い物や掃除、洗濯、クリーニングの代行のように、自分じゃなくてもできるタスクは代行・代用して、自由に使える時間が増えるような行動のこと。ご褒美として物を買うよりも、家事代行にお金をかけたほうがストレスが減って幸せになるんじゃない?ってことですね。



幸せになりたきゃ物より時間にお金を使え!

この研究は9つの実験で構成されていて、全部紹介するのは大変なんで、超ざっくり説明すると、アメリカ、カナダ、デンマーク、オランダの総勢6,271人を対象にして、「お金を時間を増やすために使うと幸福度が高まるか?」みたいなことを調べております。

その結果、どんなことが分かったかといいますと、

  • お金を物より時間に使った人ほど、人生の満足度が高かった(d=0.24)。この関係は、収入や年齢、労働時間等を調整してもなお確認された。また、使用した額を調整してもなお維持された

  • お金を時間より物に使う人は、時間ストレスによる人生の満足度の低下が大きかった


だったそうで、とにかくお金の使い道を物よりも時間にシフトさせると、時間ストレスの弊害に対するバッファーとなり、幸せになれるかもしれないわけですね。

特に収入によらずこの傾向が確認されたってのは面白いっすね。ミリオネアであっても、貧困層であっても、お金を時間に費やすと同様に人生の満足度が上がるんだ、と。



人生の満足度が高い人が時間にお金を使ってるだけ?

さらにこの研究では、時間の使い方と人生の満足度に関する因果関係を調べるために以下のような実験も行っております。

  1. 参加者には1人40ドル渡して、週末を過ごしてもらうが、この際2つのグループに分ける。1)時間を増やすようなことにお金を使う。2)何か物を買う
  2. その後、時間に対するプレッシャーのレベルや気分をチェックし、両グループに違いが出るかを調べる


その結果は、やはり予想通りで、

  • 時間を増やすような買い物をした後のほうがポジティブな感情が強く、ネガティブな感情のレベルは低く、時間のストレスも少なかった

  • この傾向は、買ったものの有用性等によらず確認された

  • 媒介分析によれば、時間を増やす買い物をすると時間ストレスが減ることによってポジティブな感情が増えることが分かった。時間ストレスの要素を調整すると、買い物の種類とポジティブ感情の関係は有意ではなくなった


ってな感じになっていて、「人生の満足度が高い人が時間を増やす買い物をする」のではなく、「時間を増やす買い物が人生の満足度を高める」可能性のほうが高そうってわけですね。そしてこの関係を介在しているのは「時間ストレスの軽減」であるってことですな。



「とにかく代行!」もまた不幸につながる

とはいえ、なんでもかんでも代行サービスを使えばいいって単純な話でもなくて、研究チーム曰く、

時間を買うことは、時間ストレスの悪影響に対するバッファーとして機能する可能性があるが、その理由の一つはコントロール感を高めることにある。人が時間に追われていると訴えるのは、客観的に忙しいというだけでなく、自分の時間をコントロールできないと感じているからである。

皮肉なことに、時間を節約するためのサービスにお金を使いすぎると、日常的な仕事を処理できないと思い込み、コントロール感が損なわれ、幸福感が低下する可能性がある。


とのこと。つまり、基本的に我々の多くは時間に追われる感覚を持っていて、時間を増やす買い物をしたほうが幸福になれるけど、自分で何もしなくなると逆に幸福感が下がっていってしまうんだ、と。何事においても中庸が大事ってことですね。

そんなわけで、経済成長が唯一停滞している日本においては、多少数字が違ってくる可能性は十分ありましょうが、傾向としては同様のものに確認されるじゃないかなーと思っております。

てことで、「時は金なり」ではなく「金は時なり」、ってことを頭に置いといていただくといいかもしれません。

参考になれば幸いです。質問やコメントなどありましたらTwitterやお問い合わせのページからご連絡いただけると嬉しいです。


それではっ!

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