メンタル

「孤立のタイプ」や「男女」でメンタルに与える影響は変わってくるのか?という実験のお話

「孤独は身体にもメンタルにもよくない!」という話は最近よく耳にします.社会的な生き物であるヒトは,他者といい関係を築けていないと心だけでなく体も廃っていってしまうんですよね.あるデータでは「孤独はタバコと同じくらい身体に害を及ぼす!」とか言われていたりもします.



とはいえ,「友達が○○人以下だったら孤独!はい,ダメ!」みたいにはならなくて,同じ数の友達しかいない場合でも,孤独感を感じる人もいれば,孤独を感じずに十分満足な生活を送れる人もいるわけです.

また,女性のほうがそういった点には敏感で,孤独の影響を男女でひとくくりにはできないんじゃないの?というポイントも気になります.

といったところで,「孤独の種類によってメンタルに及ぼす影響に違いはあるの?」「男女によって違いはあるの?」みたいな問題を調べた論文が出ておりました(R).



これは天津医科大学の研究で,大学生の男女741人が対象.実験ではまず,彼らの抑うつスコア,孤独のスコアをチェックしてさらに3年後にまた抑うつのスコアを調査しました.ここでは「孤独」に関して,以下の2つの指標にどのくらい当てはまるかがチェックされました.

  1. 社会的孤立:客観的に他者とのつながりが希薄,またはない状態
  2. 感情的孤独感:主観的に人間関係において理想と現実の乖離から生じる不安感



要するに,社会的な孤立と主観的な孤独感がそれぞれ数年単位でメンタルにどのくらい影響を及ぼすのか,それが男女でどう違うのかを調べたというわけですな.

それで何がわかったかというと,

  • 社会的な孤立のスコアは男性に比べて女性のほうが優位に高かったが主観的な孤独感に有意差はなかった.

  • 女性は社会的な孤立,主観的な孤独感のスコアが高くなると,ともに同じくらい抑うつのスコアの上昇を予測した.

  • 男性は,孤独感よりも社会的な孤立がより強く抑うつのスコアの上昇を予測した.



だったそう.要するに,女性のほうが孤独の影響を受けやすいし,さらに男女でメンタルが影響を受ける孤独の種類も違っている可能性があるということですな.

女性のほうがより孤独による悪影響を受けやすい,その原因については以下のようなことが考えられていました.

  • 女性のほうが対人関係に敏感で,より他者とつながっていたいと感じるから.
  • 女性のほうが感情の共有を重んじ,男性の気分は社会的な関係によって影響を受けるのに対して女性は感情的な要素に影響を受けるから.


みたいなことが考えられていました.男性は地位や名誉,収入とか運動能力のようにある程度目に見えるものを基準に自分を判断するのに対して,女性は,そういった点よりも周りの人がしている噂だったり,人から自分がどう見えているか,自分も輪に入れているか,みたいなポイントを重視しているという傾向が孤独とメンタルの関係でも露呈しているわけですね.進化心理学的にも納得できる内容でしょう.

研究チーム曰く,

この結果は,女子大学生と男子大学生とで彼らが大学生活に適応する手助けをする介入として,異なる方法が求められるかもしれないことを示唆している.

男子生徒の抑うつの症状の緩和のためには,彼らの社会的なつながりのレベルを向上させることが有益かもしれない.一方女子生徒に対しては,社会的なつながりの向上,孤独感の減少を同時に促すことがより有益になるかもしれない.


とのこと.男子大学生と女子大学生とで孤独由来のメンタルケアとしてそれぞれ別のアプローチが有効かもしれないってことですな.

そんなわけで,孤独にも種類があるし,自分がどの孤独に影響を受けやすいのかを把握し,とにかく人間関係は量より質を高めていただければと思う次第です.

参考になれば幸いです.質問やコメントなどありましたらTwitterなどでご連絡いただけると嬉しいです.

それではっ!

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