子供時代に、野菜や果物を食べていなかった人は、非伝染性疾病にかかりやすかったり、循環器系の病気にかかりやすいといわれていたりします。
また、子供時代に野菜や果物に苦手意識を抱いてしまえば、大人になっても克服するのが困難であったりして、多くの健康影響等が考えられますし、認知機能の面でも持ちうる最高のパフォーマンスを出せずじまいになってしまう可能性もあります。
まあ、とにかく、野菜や果物を食べておいて損はないわけですが、子供に、「野菜を食べないと、○○病に罹患するリスクが〇%向上する可能性が○○大学の研究で示唆されているから食べなさい」なんて言っても聞く耳を持ってくれないわけです。
そこで親御さんたちは何とかして子供に特に野菜を食べさせようと苦心するわけですが、どうすれば、子供が野菜を食べてくれるのかについて調べたシステマティックレビュー(R)を参考に考えてみたいと思います。
当レビューでは、5歳以下の子供たち合計11698人のデータから、より効果的に子供たちが野菜や果物を食べてくれるようになる方法を探っておりました。
検討された方法には、大きく分けて以下の3つの方法が含まれていました。
- 子供に多くの野菜や果物を何度も提供する。
- 親に栄養についての教育を施す。
- 複数の要素を組み合わせる。(親への栄養についての教育をして、かつ、幼稚園の方針を変えるとか)
その結果として以下のようなことがわかりました。
- 多くの野菜や果物を提供する方法は、小さくポジティブな効果がみられたが、エビデンスの質は低い。
- 親への教育と、子供の野菜や果物の摂取量との関係ははっきりしなかった。
- 複数要素の介入の方法は、きわめて小さなポジティブな効果がみられた。
ってことで、どれもよくわからんかった、というのが結果となりました。
なんで、どれも子供が野菜や果物をより多く食べてくれるようになるために、有効かもしれないし、あんま効果がないかもしれないということです。
有効である可能性はあるので、やってみる価値はないとは言えませんが、保証もできなという感じですね。
この結果について研究者も、
エビデンスの質が低い、または極めて低いことを鑑みれば、将来の研究が評価や結論を覆す可能性は十分ある。長期のフォローアップが必要で、将来の調査ではもっと堅固な方法を採用すべきだ。
とコメントしていて、今後に期待、という感じです。
現在進行形で行われている研究としては、子供たちに、生産者たちのvlog を見せることが有効ではないかというものが行われていたりします。
「農家の方が、自分のために一生懸命作ってくれた野菜、果物」という理解を与えることによって、野菜や果物を食べてくれるようになるのではないか、ということです。
また、実際に、畑とかに行ってみたり、家庭菜園を見てもらい、体験してもらうことによって、食べてくれるようなる可能性もあるかもしれません。
ほかに有効な手段としては、周りの同世代の友達たちと一緒に食べる、という方法もいいのではないでしょうか。
人間は、周りとある程度同じ行動をとるという選択肢をとることによって生き残ってきた種だったりしますからね。
あとは、食器の柄によって食べてくれるようになるという研究があったりしますし、結局味付けとか、料理の仕方を変えるしかないという話も聞きます。
ということで、確実にこれをやれば食べてくれるようになる!という方法はありませんが、親御さんたちは、子供たちに野菜や果物を食べてもらえるように、各子供にあった方法を探していくしかないのかもしれません。
子供のためだと思って、根気強く試行錯誤しながら頑張っていきましょう。
それではまた。