性格

身長と性格の関係性、やらしい方法を思いつく人、連休で健康になる

背が低い人はヤなヤツ?

「ナポレオンコンプレックスの再考:ダークトライアド特性の高い人は身長に不満で、背が低い」ってタイトルの論文が出ておりました。「ナポレオンコンプレックス」ってのは、ナポレオン・ボナパルトが背が低かったことに由来する言葉で、背が低い男性は自分の劣等感を補うために、他の男性に対して敵対的な態度をとったり、権力や地位を求めたりするってやつですね。

これは日常的にもたまに使う言葉ですけど、科学的な根拠ってあるの?ってところを調べてくれたわけですね。余談ですけど、実際には、ナポレオンの身長は当時の平均よりも高かったという説もあるし、これを「ナポレオンコンプレックス」と呼ぶのが適切なんだろうか?ってのはちょっと引っかかったりしましたが。

で、この論文では、米国の367人(男性62.53%)の被験者に対して、自分の身長や理想の身長に関する質問("I wish I were taller" および "I am satisfied with my height" という記述にどの程度同意するかを尋ねた)や、ダークトライアド特性の尺度を用いたアンケートを行って、身長に関する回答とダーク七性格特性にどんな関連があるのかを調べたんだそう。その結果、

  • 全体的に、身長が低い人ほど、ダークトライアド特性が高かった
  • ダークトライアド特性が高い人ほど、自分の身長に不満であり、背が高くなりたいと強く思っていた
  • これらの関係は男女ともに同じ傾向が見られた(ナルシシズムと身長の関連は男性の方がやや強かった)

って感じだったらしい。要するに、男女とも、実際に背の低い人やもっと背が高くなりたい!って思っている人は、サイコパス、ナルシシズム、マキャベリズムのスコアが高かったってわけですね。

なんでこんな関連があるの?って点については、進化論的な説明がなされてて、周りと比較した体の小ささや弱さを心理的な巧妙さでカバーしようとしてるんじゃない?みたいに考えられてました。そう考えると結局周囲の人と比べた身長が大事そうなんで、日本では背が高い部類に分類される私でも、オランダみたいにみんな背が高いような地域に行った際にはちょっと気を付けたいなーとか思いましたね。

ダークトライアドと「悪意ある創造性」

ダークトライアドについてもう一つ最近の研究をチェックしてみましょう。こちらはダークトライアドと「悪意ある創造性(Malevolent Creativity)」の関連を調べてます。悪意のある創造性ってのは、新しく有害な行動やアイデアを思いつく能力のことで、例えばテロリストが、より効果的に人々を虐殺するために、新しいタイプの爆弾を発明するとか、最悪な拷問の方法を思いつくとか言ったやつですね。

で、今回の研究では、大学生237人を対象にダークトライアド、攻撃性、一般的な創造性の行動傾向、悪意ある創造性の行動傾向、道徳的アイデンティティ、悪意ある創造性のパフォーマンスに関するアンケートや課題に取り組んでもらい、ダークトライアドと悪意ある創造性の関連を深く探ってます。ちなみに、悪意ある創造性の測定には、「ホンはテニスの決勝で、なかなか勝てない優れた選手と戦うことになった。ホンが決勝戦の前に相手を『偶然』怪我させる斬新な方法を考えてください」みたいな質問への回答をもって判断したそうです。

分析の結果どんなことが分かったかというと、

  • より有害な解決策を考案できた学生は、より創造的な行動傾向が高かった
  • 悪意ある行動傾向の高さは、創造性の高さ、攻撃性の高さと関連していた
  • ダークトライアドは、攻撃性と一般的な創造性の行動傾向を介して、悪意ある創造性の行動傾向に正の影響を与えていた
  • 男性の方が女性よりも独創的な悪意ある解決策を考案することに長けていたが、悪意ある行動傾向を考慮するとこの差は消失した

だったそう。つまり、ダークトライアド傾向の高い人は、他者に対する敵対的な感情や衝動を抑えることができず、また新しいことに挑戦したり問題解決したりすることに積極的であるという特性を介して、新しく有害な行動やアイデアを生み出す可能性が高くなる可能性があるってわけですね。

ってことで、個人的には、よくそんなやらしい方法思いつくねーって人はそこまで人格が悪いってわけじゃなく、単に一般的な創造性が高いだけなのかもなーとか思いました。

週休三日制で健康になる


「休暇中や休暇後に人の健康的な行動はどう変わるのか?そしてそれは休暇の種類や期間によって異なるのか?」みたいな内容の論文が出ておりました。週休三日制が一般的になりつつある状況を考えると、非常に貴重な知見と言えるのではないでしょうか。

ここでは、オーストラリア南部大学のAnnual Rhythms In Adults’ lifestyle and health (ARIA) studyというプロジェクトで収集されたデータを使用していて、308人の成人(平均年齢40.4歳、標準偏差5.6)に13ヶ月間24時間でFitbit Charge 3というフィットネストラッカーを装着してもらい、分単位の運動行動データを1日ごとに集計したらしい。そんで、みんなの休暇中と休暇後(4週間)の運動行動を休暇前(14日間)のレベルと比較、また、休暇の種類や期間との関連性も調べたんだそう。

その結果、

  • 参加者は平均して2.6回(標準偏差1.7)の休暇を取り、その期間は12日間(標準偏差14)だった
  • 最も多かった休暇の種類はアウトドアレクリエーション(35%)で、次いで家族や社会的なイベント(31%)、休息(17%)、非レジャー(17%)だった
  • 休暇中は日々の睡眠時間、LPA、MVPAがすべて増加し(それぞれ+21分[95% CI = 19,24] p < 0.001, +3分[95% CI = 0.4,5] p < 0.02, +5分[95% CI = 3,6] p < 0.001)、座っている時間が減少した(-29分[95% CI = -32,-25] p < 0.001)
  • これらの変化は、休暇の長さに比例して増加した
  • 休暇後、MVPAは休暇前のレベルに戻ったがは睡眠時間は2週間高いままだった

って感じ。要するに、休暇期間中には人はより健康的な生活を送るようになり、その効果は休暇後もある程度は持続するって事っすね。休暇と聴くと自堕落な生活をイメージしがちですけど実際にはよりヘルシーな行動を送る傾向があるんですねぇ。

また、休暇による健康行動の改善はたった3日間の休みでも確認されたとのことで、休みの日を選べる立場にある方は週の半ばで休むよりも月曜や金曜に休みを設定して連休にしちゃう方がいいかもしれないっすね。

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