食事

食べ物の写真でバズリたきゃこれを意識せよ!長生きしたきゃこれを飲め!頭と血管を同時に鍛えたいならこれ食べろ!

バズる食べ物の写真の撮り方

Instagramを中心に、現代人はSNSに多くの写真を投稿してますが、特に「食べ物」は大きなジャンルの一つと言っていいでしょう。実際、このブログの読者様の中にもおしゃれなレストランからデコ弁までいろんな写真を投稿している人は多いでしょう。

そんな中、最近画像解析の手法を用いて、「エンゲージメントを獲得しやすい食べ物ってあるの?」みたいなところを調べた研究が出ていて面白かったです。食べ物の種類や色とかによっていいねやコメントの付き方に違いがあるの?といった話ですね。

具体的にはまず、インスタグラム上で人気の高い90人のフードインフルエンサーのアカウントから、2年間で53,894枚の食べ物画像を収集。そして、コンピュータビジョンの手法を用いて、画像に含まれる食べ物のカロリー密度と、明るさや色彩度、複雑さなどの視覚的な美しさを測定し、その投稿についた「いいね」やコメントの関係を分析したんだそう。

その結果、

  • 投稿に対するエンゲージメントは、視覚的な美しさとカロリー密度の両方が重要な予測因子だった
  • つまり、赤やオレンジ、黄色などの刺激的で暖かい色の使用や、特徴的な形や模様の繰り返しなどは、「いいね」数を増やす傾向があった。一方、明るさや色彩度、構図的な複雑さは逆に「いいね」数を低下させる傾向があった。コメント数についても同様のパターンが見られた
  • また、画像に含まれる食べ物のカロリー密度は、「いいね」数やコメント数に正の影響を与えた
  • さらに、「視覚的な美しさ」の効果はカロリー密度によって異なり、低カロリー画像ではより顕著だった

だったそう。要するに、スイーツやハンバーガーのような食品はそれだけでいいねやコメントを増やす効果があるんだけど、野菜とか果物のような写真はそのままではエンゲージメントを高めることは難しいみたい。そこで、パプリカのような暖色系の色を取り入れるとともに、スライスしたイチゴを均等に並べる、のように「繰り返し」のパターンの要素を取り入れると、低カロリーの食品でもいいねを集めやすくなる、ということですね。

私は自分の食事に関する投稿はほとんどしませんけど、よく食べ物の写真をアップする方は、ジャンクフードで手っ取り早く、ではなくできれば①暖色、②繰り返しの2つの要素を満たした健康的な食事をアップしていいねを集めていただければよいかと思います。

飲み物を変えれば1.2倍長生きできる?

2型糖尿病患者にとって、飲み物の選択は文字通り命に関わる重要な要素である、という研究が出ておりました。

こちらは米国で行われた前向きコホート研究で、1980年から2018年までの間に2型糖尿病と診断された15,486人の男女を追跡してます。参加者は2〜4年ごとに食事の調査票を用いて各種の飲み物の摂取量を報告。主なアウトカムは全死因死亡で、副次的なアウトカムは心血管疾患の発症と死亡を調べてます。

以下結果です。

  • 平均18.5年間の追跡期間中に、3,447人(22.3%)が心血管疾患を発症し、7,638人(49.3%)が死亡した
  • 多変量調整後、飲み物の摂取量が最も少ないカテゴリーと最も多いカテゴリーを比較したとき、全死因死亡に対するプールされたハザード比は、砂糖入り飲料(SSB)で1.20(95%信頼区間1.04〜1.37)、人工甘味料入り飲料(ASB)で0.96(0.86〜1.07)、ジュースで0.98(0.90〜1.06)、コーヒーで0.74(0.63〜0.86)、紅茶で0.79(0.71〜0.89)、白湯で0.77(0.70〜0.85)、低脂肪牛乳で0.88(0.80〜0.96)、全脂肪牛乳で1.20(0.99〜1.44)だった
  • 個々の飲み物と心血管疾患の発症と死亡との間にも類似した関連が見られ、特に、SSBの摂取量が多いと、心血管疾患の発症リスクが高く(ハザード比1.25、95%信頼区間1.03〜1.51)、心血管疾患死亡リスクも高かった(1.29、1.02〜1.63)
  • 一方、コーヒーや低脂肪牛乳の摂取量が多いと、心血管疾患の発症リスクが低くなっていた

ざっくり言ってしまえば、砂糖入りの飲料を辞めて水やコーヒー、お茶に置き換えることで早死にのリスクを大幅に減らせるかもよ!というわけですね。カフェインはインスリン抵抗性を下げ、血糖値の上昇を抑えるほか、血管内皮の機能も改善してくれますから、心血管疾患との関連についても納得でしょう。また、おそらく水は低脂肪乳は水分やカルシウムによって血圧が下げられているのでしょうね。

まあ自己申告に頼ってるし、因果関係をはっきりさせることは難しいでしょうが、これまでと比較してもかなり説得力のあるデータセットなので、心当たりのある方は普段自分が何を飲んでいるのか?を見直してみるとよきかもです。

ブルーベリーで血管と脳機能をブースト

本ブログではベリー類を激しく推してるわけですが、最近また新たにブルーベリーのうれしい効果を報告した論文が発表されてたので、シェアしておきます。

こちらはイギリスのキングス・カレッジ・ロンドンとレディング大学のチームによる研究で、健康な高齢者を対象に、ワイルドブルーベリー(WBB)の摂取が血管機能や認知機能に及ぼす影響を調べる二重盲検ランダム化比較試験を行ってます。参加者は65歳から80歳の61人の高齢者で、皆さんには、毎日26gのフリーズドライWBBパウダー(302mgのアントシアニンを含む)または対照プラセボ(0mgのアントシアニンを含む。味、見た目、マクロ栄養素、食物繊維、ビタミンCをマッチさせている)を摂取してもらったらしい。そんで、12週間後、血管内皮機能(FMD)、認知機能、動脈硬化度、血圧(BP)、脳血流(CBF)、腸内細菌叢、血液パラメーターなどを測定し、ブリーベリーパウダーの摂取が血管や認知機能にどんな影響を調べたんだそうな。

その結果、

  • WBB群ではプラセボ群と比べて、FMDが有意に増加し(0.86%;95%CI 0.56, 1.17, p<0.001)、収縮期BPが有意に低下した(-3.59 mmHg;95%CI -6.95, -0.23, p=0.037)
  • また、言語学習課題での短期記憶やタスク切り替え課題での正答率もWBB群でプラセボ群よりも高くなっていた(p<0.05)
  • 一方、CBFや腸内細菌叢の組成には変化が見られなかった
  • 尿中のポリフェノール量はWBB群でプラセボ群よりも有意に多かった

だったそう。要するに、一日75~80個くらいに相当する新鮮なブルーベリーパウダーを毎日摂取すると、高齢者の血管機能や認知機能が改善したぞ!ということですね。まあ一日70粒というとちょっと多い気もするし、これより少なかったら効果はどうなるのか?とか若年層にも同様のことが言えるのか?とかいろいろ気になるところはありますけど、多くの人が気にしている心血管疾患や認知機能の低下への有力な対抗策となる(かも)ってのはおありがたい話でしょう。

ポリフェノールがこのような健康効果をもたらしてくれる明確なメカニズムはまだはっきりとは分かっていないものの、本研究チームは、「アントシアニンの代謝物がシグナル伝達分子として働き、いくつかの細胞シグナル伝達経路を通じて作用し、一酸化窒素のバイオアベイラビリティやさまざまな酵素を調節するのではないか?」みたいなことを想定してました。この辺の仮説があってるかどうかは今後の研究を待たなければなりませんけど、ポリフェノールやアントシアニンの健康効果に関するエビデンスはかなり蓄積されてきてますし、もうすでに、日々の食事に取り入れることを積極的に推奨できる段階にあるのではないかと思っております。

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