ペットが心身にいい影響を及ぼす!っていうデータは多くて,
- ペットを飼っている方が,ストレスレベルが低い!
- リラックス度が高い!
- 幸福感が高い!
- 自信のレベルが高い!
- 集中力が高い!
- 他人への共感能力が高い!
- 思いやりのある行動が増える!
- 病気のリスクが下がる!
といった傾向が報告されていたりします.このようないい感じのデータがたくさんあるわけですが,「ペットと一緒に寝たら睡眠の質が下がるんじゃないか?」ってのを調べた研究(R)が出てて面白かったです.
大好きなペットと寝るときも一緒にいたいけど,睡眠の質は高くキープしたいですから,気になるとこですよね.
これは,ラ・トローブ大学の研究で,ペットを飼っている265人の13歳から17歳の若者にオンラインアンケートを行ったもので,PSQIっていう指標を使って,
- 主観的な睡眠の質
- 睡眠時間
- 睡眠効率
- 日中の眠気
みたいなポイントに回答してもらったそう.これを,
- ペットと一緒には寝ない人
- 同じ部屋で寝る人
- 同じベッドで寝る人
との間で比較したんだそう.ペットと一緒に寝るかどうか,位置関係はどうかによって睡眠の質を向上するのか,逆に低下するのか,ってことが調べられたわけです.
ちなみに参加者の飼っていたペットは,
- 82%が犬
- 45%が猫
- 12%が「その他」(鳥や馬,魚,ヘビ,ウサギなど)
だったらしい.
で,どんなことがわかったかと言いますと,
- どのグループの人も同じくらい睡眠の質が低かった.
- 年齢や性別を調整しても同様に,有意差は確認されなかった.
だったそうです.ペットと一緒に寝ようが寝まいが睡眠の質に特に差異はなかったらしい.
睡眠の質のスコアは一般的な同年代の人のそれと同じくらいだったみたいで,ペットと一緒に寝るかどうかというよりももっと根本的な要素の改善が必要みたいっすね.
さらに,参加者のうち,ペットの犬と一緒に寝ているという2名に対してフォローアップ調査を行われておりました.この調査では,参加者とペットの犬に対してアクティグラフィを2週間装着してもらい,両者の睡眠リズムがどのくらい一致しているかが調べられたそう.
その結果,
- 飼い主とペットの犬の睡眠パターンは強い一致性が確認された.
だったそう.要するに,飼い主とペットの睡眠時間や,眠りに落ちるまでの時間などが非常に似通っていたらしい.カップルで一緒に寝た場合と同じような現象がみられたわけっすね.
もっとも,飼い主の睡眠の質はやはり理想に比べて低かったそうで,睡眠リズムの一致性を鑑みるに,睡眠の質の低さはペットのせいでは決してなく,飼い主自身の問題が大きいということが考えられるわけです.
というわけで,小規模な研究ですし今後の研究で覆る可能性も十分ありますが,とりあえずの結論としては,
- ペットと一緒に寝てもプラスにもマイナスにも特に影響はない!
- もっとも,別の面で睡眠の質はあげるように意識すべし!
という感じでしょうか.いつも一緒に寝ているという方にとっては,とりあえず一安心,という感じですかね.
参考になれば幸いです.質問やコメントなどありましたらTwitterやお問い合わせのページからご連絡いただけると嬉しいです.
それではっ!