「マインドフルネスっていいよねー」みたいな話は当ブログでもしょっちゅう書いてまして,私自身も毎日瞑想を続けていたりするわけです.実際のところ,その効能についてはまだまだ議論が続くところなんですが,個人的には「プラセボでもいいから続けておくかー」ぐらいの気持ちで日々試しています.
そんな中で,今日から何回かにわたってマインドフルネスに関するデータをいくつかまとめておきたいと思います.
初回となる今回は,「マインドフルネスでリーダシップが高まるかも!」っていうデータ(R)を見ていきたいと思います.
これは,ルートヴィヒ・マクシミリアン大学などの研究で,組織のリーダーのマインドフルネスレベルと,そのフォロワーのリーダーに対する満足度を調べたらしい.
マインドフルネスの人間関係における影響は最近よく調べられているテーマだったりするんですよね.
調査では,ドイツやオーストリア,スイスの組織の人が対象とされてまして,具体的には,
- 複数の組織から34人のリーダーと98人のフォロワーを集める.
- リーダーの,コミュニケーションにおけるマインドフルネスレベルをリーダーの主観とフォロワーの評価から調べる.
- フォロワーのリーダーに対する満足度と比較する.
って感じで調べられたんだそう.ここでいう「コミュニケーションにおけるマインドフルネス」っていうのは,以下のようなポイントから判断されたらしい.
- ちゃんと相手の話を聞いているか?
- 相手の話にオープンに,中立的な立場から聞いているか?
- 会話の最中,落ち着いていて,衝動的になっていないか?
みたいな感じ.どれも当たり前のようで意外とできていなかったりする要素ですね.どんな人間関係においてもこれらは必ず押さえておきたいポイントでしょう.
でもって,どんなことがわかったかと言いますと,
- リーダーのマインドフルネスレベルを高く評価したフォロワーほど,リーダーとのコミュニケーションにおける満足度,全体的なリーダーに対する満足度がともに高かった.
- 一方,リーダーの主観とフォロワーの満足度との間には有意な関係は見られなかった.
というわけで,フォロワーが,「うちのリーダーってコミュニケーションでマインドフルだよなー」って思う場合に限ってフォロワーのリーダーに対する満足度が上がるらしい.リーダーが自分で「俺ってマインドフル!」って思っててもそれが部下とかフォロワーに伝わっていなかったら意味ないってわけですな.
研究チーム曰く,
我々の発見は,個人(リーダー)の気質的なマインドフルネスと他者(フォロワー)の幸福度との間にポジティブな関係があるという証拠を示している.これは,マインドフルネスが個人の精神的な資産になるだけでなく,対人関係において個人を援助するものであることを示唆している.
(中略)
コミュニケーション能力は良好なリーダーシップのカギとなる要素であるから,マインドフルネスベースのトレーニングは,効率的にリーダーシップを鍛えるツールになるかもしれない.
とのこと.マインドフルネスを鍛えることでストレスに強くなったり衝動性を押さえられたりという話はよく聞くところですが,良好な人間関係を築き,さらにリーダーシップを高める力にもなるというんですな.
当然ながらこれは横断研究であって因果関係はわかりませんし,特にどんな要素が影響したのかとかははっきりしません.
まあでも自分より立場が下の人との会話では,えてして決めつけがちだったりする印象があるんで,部下とかに信頼されるためにもマインドフルネスを鍛えてみるのはありかもしれないっすね.あとは実際の会話の際にちゃんと相手の声に耳を傾ける,ってのを意識するだけでも全然違ってくる気がします.
参考になれば幸いです.質問やコメントなどありましたらTwitterやコメント欄などでご連絡いただけると嬉しいです.
それではっ!