寝不足が体の健康やメンタル等に悪影響を及ぼすのはとても有名ですが、寝すぎも同様に、身体的、精神的に良くありません。
寝すぎの定義は研究によって多少異なりますが、大体8時間から10時間以上寝る人のことを指すことが多いです。
寝すぎの弊害として挙げられるのは以下のようなものがあります。
- 過眠症(十分寝たはずなのに、日中眠いという睡眠障害)や、ナルコレプシー(日中、いきなり眠気に襲われるという脳疾患)の主な特徴として挙げられる(R)。
- 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(寝てるときに呼吸が弱まっちゃうやつ)や、概日リズム睡眠障害と関係している。
- 不眠症や睡眠不足につながりやすい。
このように、広く睡眠関連の障害の原因となりやすいわけですね。ほかにも、
- 寿命が短くなる(R)。
- 心血管系の病気にかかりやすいかも。
- 肥満や高コレステロール血症と相関あり。
てな感じで、寝すぎと臓器との関係についてはまだ明らかになっていないことも多いですが、有名どころでいうと以上のような弊害が示唆されています。
これだけでも十分怖いですから、あまり寝すぎはよくないなーってのはよくわかると思いますが、以下で紹介する研究では、寝すぎによって、起きている間のQOLの低下する可能性が示唆されてました。(R)
スタンフォード大学等による研究では、アメリカに住む19136人の個人に電話での質問を行い、睡眠習慣等に関する調査を行いました。(ここでは、一日9時間以上の睡眠をとる人を寝すぎと判断しました。)
早速その結果を見てみると、
- 対象者のうち、8.4%が、習慣的に9時間以上の睡眠をとっていた。(平均睡眠時間は6時間48分)
- 24歳以下、65歳以上の年齢の人たちに寝すぎが多かった。
- 女性の方が男性よりも寝すぎの人が多かった。
- 寝すぎで悩んだり、障害を抱えたことがあると答えた人(以下、「EQS」と呼ぶ)は全体の内で1.6%いた。
- 気分障害を持つ人のほうが3~12倍EQSでありやすかった。
- EQSの人たちは、2~4倍QOLが低いと答えた。
- 睡眠時間が7.5時間程度を超えてくると、起きている間のQOLがどんどん悪くなっていた。
- 寝すぎの人たちのうち33~66%の人たちは重大な問題だと答えたけれど、6.3~27.5%の人しか、医学的な配慮をしていなかった。
これを見ると、EQSまで行ってしまうと、相当人生の楽しさが失われてしまいそうですが、でも、あんまり気にしている人はいないというのはちょっと問題かもしれませんね。
さらに、研究チームは9時間以上寝る人について3つのグループに分けて考察しておりました。
- 夜にまとめて9時間以上睡眠をとって、昼寝等はしない人。
- 夜に睡眠9時間以上の睡眠をとって、さらに昼寝をしている人。
- 9時間以上の睡眠をとっていて、苦悩や障害が睡眠に伴っている人(EQS)。
一つ目のグループについては、特に、臓器や精神的な疾患との関係性は薄いということがわかった。
二つ目のグループでは、多くが臓器や精神的な何らかの疾患と関係していることが多かった。
三つ目のグループは、臓器の疾患と精神的な疾患を併発していることが多く、さらにQOLの低下ともより強い関係がみられた。
研究チームもこれに対してこうコメントしています。
この結果は、寝すぎが、通常、単独で起こるものではなく、医学的、神経学的、精神的な障害と併存していることが多いということを示している。
ということで、寝すぎを甘く見るなよ!ということですね。
単に長く寝るというのならまだいいけれど、でも、睡眠の質が下がって日中に眠気に襲われたりしているようだと黄色信号という感じですかね。
また、20代前半という大学生くらいの人たちや高齢者に寝すぎが多かったということから、時間に強く縛られなくなると寝すぎてしまう傾向があるということがわかります。
特に若い人なんかは、その習慣を早めに直しておかないと、様々な病気にかかりやすくなってしまう可能性があります。
なんで、目が覚めたらさっさと布団から出る、というのはこれからの時期は特につらいかもしれませんが、人生の満足度を上げるための思って、朝一の踏ん張りとして取り入れてみてはいいのではないでしょうか。
まとめれば、睡眠は量より質!!ってことで、最近では、睡眠を管理するガジェットなんかも多く出ていますので、それを試してみるのもいいのではないでしょうか。
私自身はoura ringという指輪型のガジェットを使って日々睡眠を管理してもらっていて、1年以上愛用しています。腕時計とかだと寝ている間邪魔だったりするので、指輪型というのはちょうどいいと感じています。
電池の持ちも1回フル充電すれば1週間弱くらいは今でも持つ点も気に入っています。
大きさの種類も多くあって、キットが届くので、サイズが合わなかった!ということもほとんどないかと思います。
ちょうど最近のアップデートで、日本語にも対応したそうで、より日本人にも使いやすくなっていると思います。
下にリンクを張っておくので良ければぜひ。
それでは良い睡眠ライフを。