不定期でやってる「今月読んで面白かった本」シリーズの2022年3月編です!今月は17冊の本を読みましたが、結構テクニカルな内容のものばかりで、皆様にお勧めできそうなものは少なめです。そこで今回は幅広い人が楽しめそうな本を4冊ほどですがまとめてみます。
スタートアップとテクノロジーの世界地図
米国、中国、インド、東南アジア、日本、ヨーロッパ──世界の最先端のビジネスモデルとテクノロジーがずらーっと紹介されてる本。NetflixやSmartNewsのような誰もが知っている企業から、「オーこれは知らなかったけど面白い!今後伸びそう!」って感じるちょっとニッチな企業まで、いろんなジャンルの新興企業が網羅されてまして、パラパラめくって興味をひかれたビジネスを見てみるだけでも楽しめるはず。
「今後は投資が大事だぞ!」ってことは最近よく聞きますが、まずはグローバルな情報収集が基本、ってことで、投資やビジネスを始めたい人に特におすすめです(私もまだまだ勉強中ですが)。米国や中国のビジネスくらいなら比較的すぐに情報が入ってくるとしても、東南アジアとかのスタートアップ事情は自分から調べとかないと「いつの間にこんな進んでたの!」ってなりがちな印象なんで、その点でもこの本は今後の情報収集の指針を考える上で役に立ちましたねー。
パラノイアだけが生き残る 時代の転換点をきみはどう見極め、乗り切るのか
元インテルコーポレーション会長兼CEOの著者が、「絶えず状況が変化する社会の中でどうやって生き残っていくのか?」って問題を、自身の生々しい体験談をもとに説明してくれてる本。「どうやって成功を手にするか?」ではなく「どうやって生き残るか?」ってところがポイントで、これがどういう意味か気になる方はぜひ一読していただくといいんじゃないかと(笑)
数日とかいう極めて短い単位で様々な要素が変動していく環境の中で、どの要素がどのくらい変わったら行動を起こし、戦略を転換していくべきなのだろう?ってところは意識してないと時代の濁流に流されちゃうことも多め。これは企業だけでなく、個人のキャリアでも同様に言えることで、「大手企業に入れば一生安泰と思ってたのに早期リストラが始まったし、定年になったら何のスキルもなくて大変……」なんて事態はよく聞きますからね。
そんなわけで「自分のキャリアの舵をとる船長はあなた自身だぞ!」っていう意識で読んでいただくと誰にでも学べるところがあるんじゃないかと。
これからの時代を生き抜くための生物学入門
著者の五箇公一先生のことは存じ上げなかったんですが、京大卒ってことで親近感を感じて読んでみた一冊。別に生物学の教科書の基本をおさらいしよう!みたいな話では全然なくて、生物学の視点から「人間の性の特徴って何だろう?」「人間ってなんで生き残ってきたのだろう?」っていう進化的な話を分かりやすく解説してくれてます。個人的には1,2章あたりが一番楽しめましたね。
テレビにも多数出演されてるだけであってカジュアルな表現が多くてわかりやすいし、分量も軽めなんで、生物学アレルギーの人でも十分楽しめる内容になってるんじゃないかと。
リーン・スタートアップ
起業するならまずはこれ!って言われてるらしい一冊。リーン・スタートアップってのは想像の通りトヨタのリーン生産方式にちなんだもので、価値を生み出す活動と無駄をはっきり区別して効率よく前進していこうぜ!っていう考え方。本書は上記の「パラノイアだけが生き残る」よりもいっそうビジネス感は強いものの、入門に進められるだけあって前提知識ゼロでも問題なく読み進められます。また、適切なコンパスを見つけて、実験を繰り返す中でベストなポイントを追求しようぜ!ってのは日常のいたるところで通ずるところがあるんで、ビジネス以外の目的でも応用できるポイントは多いんじゃないかと。
あと、「パラノイアだけが生き残る」はストーリー色が強めなのに対して、本書はより実践的に「じゃあどうすればいいの?」っていう方法論のところまではっきり示してくれてるので、そこらへんはお好みでという感じですかね。まあ個人的には、ビジネスをしたいわけじゃないんだけどどっちが面白いか?って聞かれたら「パラノイアだけが生き残る」の方をおすすめしますかねー。