「自分でどうこうできるライフスタイルで寿命はどのくらい伸ばせるんだろう?」みたいな問題について、大規模な日本人サンプルを使って調べた研究(R)が大阪大学などから出ておりました。
これまでも寿命と関連してそうな要素はいろいろと報告されてるわけですけど、GDPや国の保険制度、収入、教育レベルなんかとは違って、運動や睡眠、食事、喫煙といった自分次第で今日から改善できる要素によって長寿の確率がどのくらい変わってくるんだろう?って話ですね。また、現時点で「世界一の長寿国」ともいわれる日本で集めたデータであるってところも気になるポイントですね。
で、この研究は日本全国の40~79歳の男女49,021人を中央値21年間追跡したものになっております。全員にはベースラインの時点で8つのライフスタイルに関する質問に答えてもらって、その後の死亡データとの比較を行ったんだそう。
ちなみに、ここで調べられたライフスタイルは以下の8項目。
- 果物の消費習慣
- 魚の消費習慣
- 牛乳の消費習慣
- 1日の歩行時間と週当たりのスポーツ参加時間
- BMI
- 喫煙習慣
- 睡眠時間
- アルコール摂取量
これらの要素のうちクリアしていた数とその後の死亡状況を分析した結果、以下のようなことが分かったんだそう。
- 期間中に9,865人が死亡した
- CVDの家族歴、教育レベル、疾患にかかっていることは男女とも多くの面で健康的なライフスタイルを送っていた
- 男性では魚と果物の消費、女性では牛乳の消費をのぞいたすべての健康的なライフスタイルが全死亡リスクの低下と関連していた。また、健康的なライフスタイルの数も男女ともに全死亡リスクの低下と関連していた
- 具体的には、40歳時点で上記のライフスタイルのうち7~8項目を満たしていた人は0~2項目だった人に比べて6年ほど寿命が長くなっていた
- また、以上の効果は女性よりも男性の方が顕著で、80歳時点でのライフスタイルの違いさえもその後の寿命と関連していた
ってことで、中年以降のあらゆるライフステージにおいて、さらに疾患の有無にも関わらず健康的なライフスタイルを満たせば満たすほど、寿命が長くなっていく傾向が見られたみたい。「寿命を延ばすのに遅すぎるなんてことはない」ってやつですね。
個別の項目別でみると、「男性よりも女性の方がアルコールを控えめにすることによる寿命延長効果が大きい!」みたいなおもしろポイントは結構多いんですけど、今回は省略(ちなみに、これについては肝機能の違いによるものと考えられる)。
とにかく、上記の8つのポイントは健康をキープするために非常に重要なのは間違いないんで、普段から意識しておきたいところっすね(個人的には牛乳については疑問もあるけど)。
おそまつ。