「友達が大事!」ってのは子供でも知ってる事実。実際、友達を大事にしている人は、
- 孤独感が減る!
- 自尊心が上がる!
- 人生の満足度が上がる!
- 人生のコントロール感が上がる!
- 免疫力がアップする!
- 寿命が延びる!
- 親子関係が改善する!
- 同僚との関係が改善する!
- 鬱病のリスクが下がる!
- ネガティブな感情が減る!
みたいなデータがたくさんあるわけです。
もっとも、ただ闇雲に友達を増やせば心身にメリットがある!っていう単純な話でもなくて、
- 肥満の友達ばかりいたら自分も太る
- 喫煙者の友達ばかりいたらついつい自分も吸ってしまう
- ネガティブな友達ばかりいたら自分も落ち込んでしまう
みたいに、状況によっては友達の存在が心身にデメリットをもたらしうることは容易に想像できましょう。
そんなところで新たにコロンビア大学などから「友達と心身へのメリットの関係に影響を及ぼす要素はこれだ!」みたいな話(R)が出ていて、おもしろかったです。
99か国のデータから分かった、友達を大事にするとより幸福になれる人の特徴
これは、World Value Surveyの99か国、323,200人(対象者は15歳から99歳の男女)分のデータから、友達関係のメリットを左右する要素を複数の観点から調べたもの。
具体的には、
- GDPや収入の不均衡といった国の経済的な状況
- 個人主義/ 集団主義、男性優位 / 女性優位、不確実性・不平等性を受け入れるか否かといった国の文化的背景
- 性別、年齢、収入、教育レベルのような個人的な特性
みたいな要素が「友人関係を重視することがもたらすメリットの大きさ」に影響するんじゃない?ってのを調査したというわけ。
また、この研究で調べられた「メリット」ってのは、
- 主観的な健康度
- 幸福感
- 人生への満足度
の3つに絞られました。
少なくとも現時点では、友人関係のメリットを調べた研究の中ではもっとも大規模なものの一つと言っていいでしょう。
そこで、分析の結果、なにがわかったかと言いますと、まず、
- 国を問わず、全体的に友人関係を高い価値を認めている人ほど健康レベル、幸福感、人生の満足度が高かった
- 女性、年齢の高い人、教育レベルが高い人、国民の所得が平等な国の人ほど、人生において友人関係を重要視していた
だったそうで、GDPや男性優位性、集団主義みたいな要素との間には相関は見られなかったみたい。
さらに、
- 主観的な健康度との関係においては、以下の人たちに特に友人関係を重要視したときのメリットが大きかった
- 女性
- 高齢者
- 教育レベルが低い人
- 上下関係が強い国民
- 個人主義の国民
- 男女平等主義の国民
- 長期未来志向の国民
- 幸福感との関係においては、以下の人たちにメリットが大きかった
- 女性
- 高齢者
- 教育レベルが低い人
- 個人主義の国民
- 上下関係が強い国民
- 人生の満足度との関係においては、以下の人たちに特にメリットが大きかった
- 女性
- 高齢者
- 教育レベルが低い人
- 所得の不平等が大きい国民
- 個人主義の国民
- 長期未来志向の国民
- 不確実性回避傾向の強い国民
といった感じで、結構3つの間には似たような特徴がみられることがわかります。
まとめ
てなわけで、全体的に見れば、友達との関係を大事にする人は概して主観的な健康度、人生の満足度、幸福感を高く、中でも特に、
- 女性
- 年齢が高い人
- 教育レベルが低い人
- 個人主義の文化が強い国の人
は、その関係性がより顕著になるよーって感じ。
研究チーム曰く、
我々の発見は、友人関係をどれだけ重要視するかだけでなく、幅広い個人的、文化的文脈における社会的な関係性も考慮することの重要性を示唆している。
とのこと。年を取ったり移住したりすれば、友人関係に対する意識の影響は変わってくるかもよーって話っすね。
とはいえ、この調査で調べられたのは「友人関係をどのくらい重要視しているか?」ってポイントなんで、実際に友達と過ごす時間、友達の数、実際の関係性の質みたいな点は考慮されていない点は注意が必要でしょう。
また、この結果はあくまで相関関係なんで、少なくともこの研究だけからは「友達との関係を重視するようにすれば心身にいい影響が出る!」とは言えきれないわけです。が、友達の大事さを認識しておいた方がその恩恵を受けやすくなるはずなんで、今後の関係を見直してみるきっかけとしては十分なんじゃないでしょうか。
参考になれば幸いです.質問やコメントなどありましたらTwitterやお問い合わせのページからご連絡いただけると嬉しいです.
それではっ!