健康

健康はお金で買える!むしろ収入が低いと寿命が縮む!説

食事や運動,睡眠,喫煙など,基本的な生活習慣が健康に大きく影響するのは周知の事実.基本的なライフスタイルを送るだけでも10年くらい寿命が延びる!みたいな大規模な研究もあったりします(R).



このほか,健康に影響しそうな要素として,収入や教育レベルなど,社会経済的な地位が高い方が寿命が長く,病気のリスクが低い,といったことが知られております.実際,今回のCovid-19の被害も,経済レベルが低い人のほうがリスクが高いとか言われたりしますしね.

といったところで,「じゃあ収入と生活習慣,どっちが健康により大きく影響するの?」って点が気になるわけですが,新しい研究(R)だと「収入とかによる健康格差は,生活習慣を変えてもほとんど変わらないかも!」みたいな結論になっていて切なくなりました.



これは,アメリカのNHANESと,イギリスのBiobankの2つのデータセットをもとにした,10年以上にわたる合計約45万人分のデータを調べたコホート研究で,社会経済的な地位や生活習慣と,総死亡率,心疾患リスクなんかを分析したもの.

ここでいう「社会経済的な地位」っていうのは,

  • 収入
  • 職業的地位
  • 教育レベル
  • 健康保険への加入状況


といった要素から,低,中,高の3つのレベルに分類したんだそう.一方「生活習慣」の要素としては,

  • 喫煙習慣
  • アルコール摂取量
  • 身体活動レベル
  • 食事の質


みたいな点をチェックしたらしい.

対象とされた人の平均年齢は46.5歳~56.1歳で,期間中に3万人程度が死亡し,うち約6400人が心血管疾患で死亡したそう.

それで,ライフスタイルや社会経済的地位と健康との間でどんな関係性がみられたかと言いますと,

  • ライフスタイルや年齢,BMI等を調整した結果,地位が高レベルの人は,低レベルの人に比べて,
    • 総死亡リスク(ハザード比)が1.96~2.13倍高かった.
    • 心血管疾患による死亡リスクは2.25倍高かった.
    • 心血管疾患の発症リスクは1.65倍高かった.

  • ライフスタイルを調整しなければその違いはより大きかった.

  • 地位のレベルによる健康アウトカムのリスクの違いの要因として占めるライフスタイルの影響は,3.0%から12.3%だった.



といった感じで,社会経済的な地位のレベルが健康や寿命に非常に大きな影響を与えていることがわかります.ライフスタイルを調整して2倍の違いですからねー.さらに地位のレベルをより細かく分けた場合には,心血管疾患による死亡リスクは3.37倍の差がついていたりもして,何とも言えない気分になります.

ちなみに心血管疾患に関してちょっと詳しく見てみるとこんな感じ.

  • 地位が高い人に比べて地位のレベルが低い人は,
    • 脳卒中の発症リスクが1.45倍高い
    • 冠状動脈性心疾患による死亡リスクが2.62倍高い

  • ライフスタイルによる影響は2.8~8.2%


って感じだったそうで,いくら食習慣とかに配慮しても収入とかをあげていかないと病気のリスクは変わらんのじゃない?って思わされます.せつねー!



もっとも,私のような収入レベルが低めの人にとっても前向きになれる結果も出ておりまして,

  • すべての地位のレベルにおいて,ライフスタイルによって健康アウトカムに改善がみられた.

  • 特に地位の低いレベルの人がライフスタイルを改善した場合の方が影響が大きかった.具体的には,3,4つの健康的なライフスタイルを実践している人は,ほとんど実践していない人に比べて,死亡リスクが
    • 地位が高レベルの人では14%
    • 地位が中レベルの人では30%
    • 地位が低レベルの人では44%低かった.

  • 地位のレベルが低く,かつ不健康なライフスタイルを送る人は,地位が高くかつ健康的なライフスタイルを送る人に比べて,総死亡リスクが2.65~3.53倍高かった



といった感じ.要するに,食事とか運動みたいに,ライフスタイルを改善することによる病気や死亡リスクの低減の効果は,収入とか地位が低い人ほど大きい,と.良くも悪くも,収入とかが低い人ほど不健康な生活習慣のダメージをもろに受けやすい,というわけっすな.

研究チーム曰く,

社会的な要素を考慮することなく,健康的なライフスタイルを推進するだけでは,健康における社会経済的な格差を十分に下げることはできないかもしれない.

(中略)

しかし,社会経済的に不利な状況にあり,かつ不健康なライフスタイルを送っている人がもっとも死亡,心血管疾患の発症リスクが高く,このことは,すべての人にとって,特に社会経済レベルが低い人にとって,ライフスタイルの改善は病気の負担を軽くするために重要であることを強調している.


とのこと.経済レベルの低い人はもちろん,経済レベルが高い人も,ライフスタイルを健康的なものにすることはメリットがある!ってことを忘れないでね,っていうわけですな.

もっとも,この結果は2つのデータセットで経済レベルが異なっていたりするんで,日本ではどこまで差が出るかはわかりませんし,どこで頭打ちになるかもわかりませんのでそこらへんはご注意を.

そして,この研究のみからは,何でここまで大きく差が開いたのか?って点ははっきりしませんが,

  • 収入の高い人のほうが良質な油や野菜,魚とか無意識にいい素材をいい調理法で食べてる?
  • 仕事のストレスがいい方向に働いている?
  • いい人間関係を築けている?
  • セルフコントロール能力が高い?


みたいないろんな要素が影響しているんでしょうねー.そうでもないとここまで大きな差は開かないでしょうから.

というわけで,はっきりしたメカニズムがわからない以上,健康を維持するためには,学歴を塗り替えるのはあまり現実的じゃないでしょうから,とりあえず収入とか社会的なステータスをあげる方向の努力も必要となのかもしれませんな.

参考になれば幸いです.質問やコメントなどありましたらTwitterやお問い合わせのページからご連絡いただけると嬉しいです.

それではっ!

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