健康

緑茶で血圧はどのくらい下がるか?を調べたメタ分析のお話

「緑茶はすごい!」というデータは山ほどありまして,緑茶は身体にも心にも脳にもいいっていう報告が非常に多いんですよね.緑茶の効能の例としては,

  • 体重管理に役立つ!
  • 脳力アップ!
  • 感染リスクが低減する!(かも?)
  • デンタルケアに役立つ!


みたいに幅広い効果が確認されているんですよ.



で,ギーラーン大学などのメタ分析(R)では,「緑茶で血圧ががっつり下がる!」みたいな結論になっていて参考になりました.

これは,緑茶と紅茶に関する先行研究から質の高いRCTから5件を分析をしたものとなっていて,「お茶で血圧がどのくらい下がるか?」みたいなポイントを調べてくれておりました.各データの内訳を軽くまとめておくと,

  • 参加者は,血圧高めの人たちトータル408人で,平均年齢は52歳
  • 参加者の平均血圧は,SBP(収縮期血圧)が121.2-163.5mmHg, DBP(拡張期血圧)が71.5-102.9mmHg
  • 試験期間は1から24週間(平均は8週間)
  • 2件の研究が緑茶,3件の研究が紅茶の効能を調べたもの
  • 4件の研究が一日3-4杯のお茶を,1件が一日2杯のポリフェノール入りの紅茶の効能を調べた


みたいになっております.

お茶の血圧低減の効果を調べた研究は以前にもいくつかあったんですが,今回のメタ分析では,お茶に含まれるポリフェノールとかのサプリを用いた実験は一切除いて,お茶を飲むことそのものから得られる効果が調べられておりました.

で,結果だけ簡単にピックアップするとこんなふうになりました.

  • 全体的なメタ分析では,お茶の摂取後,お茶を飲んだ参加者は,コントロール群と比較して,SBPが4.81mmHg(95% CI: 8.40- 1.58) 低下,DBPが1.98mmHg(95% CI: 3.77- 0.20)低下していた.

  • サブグループ解析では,緑茶を飲んだ参加者は,紅茶を飲んだ参加者よりもSBP, DBPともに大きく低下していた.(緑茶ではSBPが6.22mmHg, DBPが2.36mmHg低下)

  • メタ回帰分析によれば,SBP,DBPともに,3か月以上お茶を飲んだ参加者のほうが大きく血圧が低下していた.

  • どの研究でも特に副作用は報告されていなかった.



というわけで,お茶,特に緑茶はやっぱり血圧にもポジティブな効果があるんだなーって感じの結果ですね.

血圧が5mmHg低下すると,脳卒中のリスクが34%低下,虚血性心疾患のリスクが21%低下する(R)というデータもあったりするんで,結構緑茶の効果は強力なんじゃないかと思うわけです.

緑茶で血圧が下がるこの原理については,「緑茶のファイトケミカルがNADPHオキシダーゼの活動を抑制して,その結果血管系の血中活性酸素種の生成から保護されているんじゃない?」みたいなことが考えられていました.

サンプル数が少ないんで,実際どのくらいの量をどのくらいの期間継続して飲めばいいのかはこの研究からはわかりませんが,とりあえずエナジードリンクを飲んだりするよりは,一日数杯の緑茶を飲むと血管にいいかも!ってことでよろしいのではないでしょうか.

参考になれば幸いです.質問やコメントなどありましたらTwitterなどでご連絡いただけると嬉しいです.

それではっ!

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