「座りすぎが健康に良くない!」「もっと立って動く時間を増やそう!」っていうのが最近のトレンドですが、WHOの運動のガイドラインもこれに合わせて、更新されていました。(R)
WHOがこのガイドラインを更新するのが、2010年以降初めてだそう。
座りすぎが多くの病気だけでなくて、死亡率との相関が複数の研究で確認されている点を踏まえれば当然といえるかもしれません。
ガイドラインの著者の一人でもある研究者は、
座ること自体は不健康ではない。座ることは結局普通の生活の一部なのだから。しかし、超時間座っていることに加えて、運動のレベルが低いということが、「追い打ちをかけているよう」である。
本当の悪は、身体的活動をしづらく、座っている時間をたっぷりもたらす環境を作り出した現代の生活だ。
ってコメントしていて、座る時間そのものを減らすことも大事だけれど、もっと運動する時間や強度を増やそうぜ!っているはなしですね。
それでは、具体的にどんな点が変わったのか見てみましょう。
- 推奨運動時間の下限を排除(前のは、「最低10分は動こう」となっていた)
- 筋トレからバランス感覚を鍛えるトレーニングまで広い種類の運動を勧めるようになった
- 座っている時間を制限するように推奨
それぞれ簡単に見ていくことにします。
推奨運動時間の下限を排除
いままでは少なくとも10分は動こう!ってなっていたのが、1分でも1秒でもいいから動こう!という方向に変わったということです。
これぞ運動!っていう運動ではなくても例えば家事とか、ガーデニングとか、ちょっとしたダンスとか、それだけでも死亡率が低下することがわかっていたりするんですよね。
合計44000人をトラックしたレビュー(R)では、一日11分だけ運動して、座っている時間が8.5時間だった人は、一日35分運動して、10時間座る人と同じくらいの死亡リスクであったことがわかっています。
座る時間が15%減らすことが、運動を200%以上増やすことと同等というのはすごいですよね。
座っている時間がどれほど健康に良くないかというのがわかります。
どこまで短時間の運動でいいのかははっきりしないところもありますが、例えば1回1分の運動を1時間に1回くらい繰り返せば、余裕で一日10分以上を超えるでしょう。
その程度の簡単な運動でも十分効果はあるということです。
幅広い種類の運動を勧めるようになった
上で述べたように、なんでもいいから体を動かすことが超大事!ってことで、自分が好きな運動でいいから生活に取り入れてみよう!っていうはなしです。
前のガイドラインでは、筋トレを週に最低2回はやりましょう!っていう勧めがあったんですが、それはなお残っています。
もっとも、年齢を重ねるにつれ、トレーニングを「続ける」ことの重要性が指摘されています。
特に65歳以上の人は、筋トレとか、バランス力を鍛えるトレーニングとかを組み合わせて週に3回以上行うことが、急激な衰えを防いでくれると示唆しています。
レジスタンストレーニングは、骨密度の低下を防いでくれたり、メンタル的にもポジティブな影響を持つことが知られているので、積極的に取り入れてみるのがいいと思います。
座っている時間を制限すべし
これは、そのままの意味で、出来るだけ座っている時間を短くしましょう。
それはぶっ通しで座り続ける時間もそうですし、一日トータルでの時間も含みます。
いずれも死亡リスクまで高めてしまう可能性があるので注意です。
ガイドラインの著者は、
高いレベルの身体的な活動は、座りすぎの習慣による健康への被害を相殺してくれる。
とコメントしていて、どうしても座る時間を短くすることができないということであれば、その分運動する時間を意識的に長くしてみるのもいいでしょう。
ってことで、座っている時間をなるべく減らして、その他なんでもいいから立ちあがって、体を動かす時間を増やしていこうという話でした。
その方が仕事や勉強の生産性、パフォーマンスも向上するし、メンタルも安定するしで、良きかなと思います。
参考になれば幸いです。それではまた。
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