マンガは日本を代表するサブカルチャーの一つで多くの人が好きなものであると思いますが、基本的にマンガに触れる目的と言えば、娯楽だと思います。
しかし、小説や、アニメ、また、マンガでも好きなキャラクターをロールモデルに設定したりすることによって、ポジティブな影響を及ぼすことができるということが知られています。
娯楽も使い方次第で人生をより有意義にできる可能性があるということです。
今回は、メタボな患者が、マンガを見ることによって、食生活や日々の活動状況に変化があるのかを調べたケーススタディ(R)についてメモ。
メタボは世界的に重大な問題で、日本も例外ではないので、参考になるでしょう。
本実験は、健康状態を調査したうえで選ばれた47歳から73歳までの20人のメタボの人を対象にして行われました。
彼らに、健康の促進を内容とするマンガを見せたうえで、その行動の変化を参加者の自己申告により調査しました。
マンガの内容は、「ゴミ出しを複数回に分けてみよう」「お菓子の代わりにくだものを食べよう」とかいう感じで、普段の行動に少しの変化をつけてみようというものです。
1か月後にその結果を確認したところ以下のようになりました。
- 身体的な活動の変化はわずかに見られたけれど有意な差ではなかった。
- 健康的な食生活には大きな変化がみられた。
- 「健康的な行動をしようと心がけるようになった」「セルフエフィカシーの感覚が向上した」というような、気持ちの面での変化も見られた。
ってことで、大きくはないけれど、特に食事の面ではポジティブな影響が確認されたということですね。
規模が小さいこと、変化の確認方法が主観的なものであること、参加者はもともと健康に対する意識を持っていた可能性があること、時期によって効果が異なってくるかもしれないなど、複数のバイアス等が影響している可能性があるので、万人に同じだけの効果がみられるとは限りません。
しかし、勉強においてマンガを使った介入を施すことによってポジティブな影響が確認されていたりするので、可能性は十分期待できるでしょう。
というか、そもそもマンガを見たことによって意識の変化が起こることにより、日常生活における行動の選択に変化が生じたわけですから、「健康に対するモチベーション」と、「どのような行動の選択をすればいいのか」のヒントを提供することが大事なのではないでしょうか。
すなわち、マンガではなくても、新聞や雑誌の記事とか、動画を見るとかなんでもいいけど、上の2点を押さえた情報に触れることが健康につながるかもしれません。
まあ、マンガは面白いものですし、すっとその世界に入っていきやすいので、その点ではほかの媒体よりも有利な点もあるかもしれませんし、とっかかりとしてはとてもいいと思います。
ってことで、健康に対するモチベーションを高め、そしてどうすれば健康になれるのかという方法を知り、日々の行動を変化させる一助として、マンガが使えるかもしれません。
参考になれば幸いです。それではまた。