テレビやスマホで太る?
近年ではスマホやPC,タブレット等は仕事でもプライベートでも必須のアイテムになっているわけですが,新たな研究(R)では,
- スクリーンタイムが長くなると太りやすくなるかもだぞ!
って結論になっておりまして,ちょっと気を付けておいた方がいいかもしれません.
1万人以上の子供を追跡調査
これはカリフォルニア大学などの調査で,11,066人のアメリカの子供を1年間追跡したコホート研究.
参加者の年齢はベースラインの時点で9~10歳で,スクリーンタイムの長さとBMIの関係を調べるのが本論のテーマになっております.
さらにスクリーンタイムの具体的な中身まで調査しておりまして,具体的には,
- テレビや映画視聴
- YouTube等の動画視聴
- ビデオゲーム
- メールやインターネット
- ビデオチャット
- SNS
の6つのカテゴリーに分けたうえで平日,週末のスマホやテレビの利用時間をチェック.スマホ等の使い方によっても体型への影響が違うんじゃないの?ってのを調べたわけですな.
ちなみに,「スマホと肥満の関係」みたいなテーマの研究はこれまでも結構あったんですが,これまでのものは横断研究だったり,サンプル数が少なかったり,使い方を区別していなかったりって点がいまいちだったんですよ.まあ,今回の研究も因果関係とかがわかるわけじゃないんですが,十分参考にはなるんじゃないんでしょうか.
スクリーンタイムでどのくらい太る?
それで,年齢や性別,家庭の収入,両親の教育レベル等を調整した結果,こんな結果になりました.
- 全体的なスクリーンタイムが1日当たり1時間長いと,1年後のBMIが0.22パーセンタイル高くなっていた
- 使い方別にみると,
- テクスティングの時間が1時間長いと,1年後のBMIが0.92パーセンタイル高くなっていた
- ビデオチャットの時間が1時間長いと,1年後のBMIが0.72パーセンタイル高くなっていた
- ビデオゲームの時間が1時間長いと,1年後のBMIが0.42パーセンタイル高くなっていた
ってことで,「正直そんなに影響ないんじゃない?」って思った方もおられるでしょうが,研究チームによると,
スクリーンタイムとBMIパーセンタイルの間の効果量は1年間のフォローアップでは比較的小さかったが,十年単位で長いスクリーンタイムを続けていたら,人生の後半で臨床的に大きな問題になるかもしれない.
とのこと.1年くらいでは目に見える違いがなくても,数年,数十年とスマホやテレビ等を長く使う生活を続けていると,身体への影響はどんどん顕著になっていく可能性があるってわけですね.
また,今回の調査は子供が対象でしたが,これまでに大学生や大人を対象にした研究も複数おこなわれております.これらの結論も大体同じで,やっぱりスクリーンタイムが長いとBMIが高く,肥満になりやすかったとか.
もちろんスマホやテレビそのものがデブの原因になっているわけではないでしょうが,
- スクリーンタイムが長くなると,座っている時間が長くなり,身体を動かす時間が短くなる?
- スマホ等を操作・視聴しながらだとお菓子を食べすぎてしまう?(ながら食べをすると満腹感に気づかず食べ過ぎてしまうことがわかっている)
- スマホ等に表示される食べ物の広告が食習慣に影響を与えている?
- ボディイメージの低下が過食につながる?
みたいなメカニズムが考えられます.どれも肥満の重大な因子として注意されているポイントですよね.
まとめ
研究チーム曰く,
この研究の結果は,子供時代の肥満予防のために特定のスクリーンタイムの行動に注意すべきであることを示唆している.
(略)
ヘルスケアのプロバイダーは,特にパンデミックの間,過剰なスクリーンタイムと体重の変化に気を付けるべきだ.
とのこと.今回の調査自体はCOVID-19パンデミックの前に行われたものですが,この1年でさらにスクリーンタイムが長くなっているという報告もありますし,昨今は特に注意すべき時期なのかもしれませんな.
そんなわけでまとめると,
- デブになりたくない人や,子供にデブになってほしくない人は,デバイスの利用時間と利用目的には注意しといたほうがいいかも!
ってことは頭の片隅に入れておくといいかもしれません.
参考になれば幸いです.質問やコメントなどありましたらTwitterやお問い合わせのページからご連絡いただけると嬉しいです.
それではっ!