自然が心身にもたらすさまざまなメリット
「自然が心身にグレートな効果をもたらす!」ってのはよく聞くところ。実際、過去の研究では、
- ストレス解消!
- 集中力アップ!
- 写真を見るだけでも気分アップ!
- 心拍数が低下!
- 血圧低下!
- コルチゾールレベル低下!
- アディポネクチン上昇!
- 免疫システムの適正化!
- うつ症状の改善!
- ウェルビーイングの向上!
ってな感じで、大きな副作用もなく幅広いメリットが得られることが確認されてたりします。面白いもんですよね。
で、新しい研究(R)もまた自然の話で、結論から申し上げますと、
- たった3分だけ、VRを使って森林浴をするとストレスが激減するんじゃない?
みたいになります。これまでの研究でも森林浴でストレス解消!ってのは多く確認されてきたわけですけど、それって実際に森に行かなくても、しかもたった3分のセクションを1回こなすだけでもいいんじゃないすか?ってことですな。
たった3分のVR森林浴でストレスが激減したぞ!
では、これがどんな研究だったかといいますと、
- Covid-19に関わるヘルスケアワーカーとして最前線で働く102人に協力してもらう
- 参加者のうち、82.4%が直接患者さんのケアに当たる人、71.6%が女性、48.0%が25~35歳、34.3%がVRを使った経験があった
- 全員には、Oculus GoまたはPico G2 4Kを装着してもらい、研究チームが作成した森林を3分間だけ体験してもらう
- 主観的なストレスレベルを10点満点で採点してもらい、VR体験の前後でどんな変化が出るか調べる
みたいになります。参加者の人たちはゴーグルを通じて木漏れ日を眺め、森の葉を鑑賞し、鳥のさえずりや葉のそよぐ音に耳を傾けたわけっすね。
ご存じの通りここ2,3年の医療従事者の方たちの身体的、社会的、感情的なストレスは尋常なものじゃありませんで、不安やうつ、バーンアウト、トラウマのリスクまで急激に高まっているわけです。そんな高ストレスにさらされていて対応が必要な人ほど十分なケアを受けられないってのが世の常ですけど、たった3分だけで効果が出るならそこまで負担にならないし、ありがたいっすよね。
でもって、実験の結果はこんな感じになりました。
- 介入前の時点でのストレスの平均値は10点満点中5.5点で、32.4%の人が6.8点以上の「高ストレス」と判定された
- 3分のVRの後では、平均して2.2ポイントストレスレベルが軽減し(d=1.08!)、高ストレスと判定された人は3.9%にまで減った
- 介入前のストレスレベルが高かった人ほどVRのストレス低減効果が大きかった(3.3ポイント減)
- 以上の結果は、仕事の種類や年齢、性別、過去のVR体験の有無にかかわらず同様に確認された
ってことで、平均的に40%も主観的なストレスが軽減したんだそうな。森林浴でメリットが出るのって無意識に運動量が増えるからじゃないの?って考えもあるわけですけど、身体を動かさず単に自然の風景を見るだけでも十分効果はあるんじゃない?って思わされますな。
まあこの研究に関しては、サンプルが少ないし、対照群も設定してないし、客観的なストレスレベルもチェックしていないし、長期的にはどこまで効果があるのかも全く謎だしっていう点がどうしても弱くなっちゃうんですけど、自然が大きなメリットをもたらしてくれるってのは確実なんで、リアルに自然と触れ合う時間がない方はVRなんかを使ってみると、手軽に試せる割に大きな効果が期待出来ていいんじゃないかと。
参考になれば幸いです。ではまた!