健康

睡眠に悩んでいるなら「ウェイトブランケット」をぜひとも試してみるべき理由

「睡眠が大事!」ってのは幼子でも知ってる事実。しかし、現代人は思っている以上に睡眠に問題を抱えておりまして、殊不眠に関しては、実際に「不眠症」と診断こそされていなくても、人口の30~48%が不眠の問題を抱えているといわれていたりします。

不眠になると、頭が働かなくなるし、疲れも取れないし、イライラしやすくなるし、事故を起こしやすくなるし、みたいに嫌なこと尽くしで、ぜひとも改善しておきたいところ。

そこで、睡眠改善系のガジェット等がいろいろあるわけですが、近年特に熱いガジェットの一つが「ウェイトブランケット」であります。その名の通り、重みのあるブランケットのことで、「チェーンブランケット」として知っている方も多いかもしれません。

ウェイトブランケットは、大人であれば6~8㎏くらいのものを推奨されることが多くて、一般的なブランケットが1㎏強くらいであることを考えると、かなりずっしり感があることをお判りいただけるでしょう。

数年前までは、買おうと思ってもなかなか高価で手を出しづらかったんですが、最近ではお手頃な価格帯のものも多くなってきておりまして、睡眠にお悩みの方なんかはお試しいただくといいんじゃないかと思ってたりするわけです。(例えば、以下のブランケットは、Amazon's Choiceにも選ばれていて、価格は5,500円ほど。前までは普通に3万円とかした)

ウェイトブランケットで主観的にも客観的にも睡眠の質が向上

「そんなものをかけたら重くて寝られないでしょ!」って思う方もいらっしゃるでしょうが、実際はさにあらず。体に重みや刺激を与えるってのは不眠症患者に対する治療として実際に行われることも多いんですよね。

そんなところで今回は「ウェイトブランケットでどのくらい不眠に効くか?」みたいな研究(R)をメモしときます。

これは、カロリンスカ研究所などの研究で、不眠症のスコアが高く、同時にうつ病、双極性障害、不安障害、ADHDなどを抱える男女120人が対象。この手の研究としては比較的規模の大きいものとなっております。

参加者のうち半数には8㎏のチェーンブランケットを、残りの半数には約1.5㎏のプラスチックのブランケットを支給し、4週間の間それを使って睡眠をとってもらいました。そんで、不眠のスコアのほか、日中の活動レベルや疲労感等にどのくらい違いが出るのか?ってのを調べております。この際、アクチグラフィーを装着してもらって、主観的な回答のほかに客観的なデータもチェックしております。



4週間後、どんな結果が出たかといいますと、

  • ウェイトブランケットを使ったグループでは、59.4%の人が不眠のスコアを50%以上改善した。(コントロール群では5.4%)

  • ウェイトブランケットを使ったグループでは、42.2%の人で不眠症が寛解していた。(コントロール群では3.6%)

  • ウェイトブランケットはを使うと、不眠の改善率が26倍、寛解率でも約20倍高くなる。この結果に男女差や、その他の症状による差は見られなかった

  • ウェイトブランケットを使ったグループでは、睡眠時間は増えなかったが、中途覚醒の回数が減り、連続して眠れる時間が延びた

  • また、ウェイトブランケットグループでは日中の疲労感が減り、活動レベルが上がった

  • さらに、不安やうつのような症状も有意に軽減した。血圧も下がっていた


だったそう。つまり、ウェイトブランケットをたった4週間使うだけで不眠の問題が大きく改善して、それに伴ってその他の精神疾患の症状なんかも軽減する傾向があったわけですね。効果量も大きくて、なかなかうれしい内容になっております(d=1.90)。



さらに研究チームは、4週間の実験ののち、「このままウェイトブランケットの使用を継続したいですか?」と質問したところ、最初はコントロール群に割り当てられていた人も含め合計112人が12か月間継続することを希望。

12か月後に改めて不眠の症状等をチェックしたら、

  • もともとコントロール群だった人も同様に症状が改善した
  • 合計92%の人が不眠のスコアを50%以上下げ、78%の人が寛解に成功した


ってな結果になったそう。こりゃあなかなかすごい数字っすね。

当初は8㎏のブランケットが重いと感じて6㎏のブランケットに変えてもらった人も一部いたんですが、チェーンブランケットに不安感を感じて使用を中止した人は1人だけで、そのほかに副作用も確認されなかったみたい。

「寝具なんて好みの問題だろう」って考えがちですが、このデータを見せられれば、基本的にはほとんどの人においてウェイトブランケットは有用なんじゃない?と思わざるを得ないっすよね。



ウェイトブランケットで睡眠が改善する理由

なんで、そんな効果が出たの?って点に関しては、明確な説明はできないわけですが、

  • マッサージや指圧のような刺激をからだに与えることで、副交感神経優位なり落ち着くのではないか?
  • オキシトシンが分泌されることでリラックスできるんじゃないのか?


みたいなことが考えられます。私自身も幼いころから、真夏でも重めの布団や毛布をかぶって寝るのが好きだったんで、よくわかる気がします。

また、そのほかの同様の実験を見てみても、小規模ながら同じような効果が多く確認されておりまして、重大な副作用もリスクも非常に低そうであります。

てなわけで、有効性、安全性ともに結構高そうな方法でありますんで、「ちょっと睡眠に問題があるかも?」って方は重めのブランケットをかけて寝てみるといいかもしれません。



参考になれば幸いです。質問やコメントなどありましたらTwitterやお問い合わせのページからご連絡いただけると嬉しいです。


それではっ!

-健康
-, , , , , ,

© 2024 おくさんずラボ Powered by AFFINGER5