「運動が体にいい!」っていうのは子供でも知ってる常識。とはいえ、どんな種類のスポーツが一番効果的なのか?ってのは明確に定まっていなかったりするんですよね。
そんなわけで、「一番死亡リスクを下げてくれるスポーツはどれか?」みたいな研究(R)についてメモ。
最も寿命を延ばしてくれるスポーツはこれだ!
これはUKK Instituteなどの研究で、概要はこんな感じ。
- 80,306人の男女を集める(平均年齢52歳)
- 各人に「どんなスポーツをどのくらいの頻度、強度、時間やってるか?」を尋ねる
- スポーツを6つのグループに分けて、それぞれの死亡リスクと比較する
- 性別、年齢、アルコールを飲む頻度、BMI、喫煙習慣、教育レベル、スポーツ以外の日常の身体活動レベル(家事とかガーデニングとか)の要素を調整する
みたいになってます。ここで調べられたスポーツってのは、
- サイクリング
- ランニング、ジョギング
- サッカー、ラグビー
- 有酸素運動(体操やダンス等)
- ラケットスポーツ(バドミントン、テニス、スカッシュ)
- 水泳
以上の6つのカテゴリー。健康のために行う一般的なスポーツと言ったら大体この6つのどれかに当てはまるんじゃないでしょうか。
そんで、各グループを平均9.2年間追跡して、死亡率にどのくらい違いが出るのか?を調べたってわけ。
「ラケットスポーツ」って結構すごいかも!
結果はまず、総死亡リスクとの関係では、どのスポーツもやっていない人に比べて各グループではこんな影響がみられました。(諸要素を調整後の結果)
- ラケットスポーツ:47%減少
- 水泳:28%減少
- エアロビクス:27%減少
- サイクリング:15%減少
- フットボール:18%減少(有意ではない)
- ランニング:13%減少(有意ではない)
といった感じ。同様に、心血管系の死亡リスクとの関係では、
- ラケットスポーツ:56%減少
- 水泳:41%減少
- エアロビクス:36%減少
- ランニング:19%減少(有意ではない)
- フットボール:10%減少(有意ではない)
- サイクリング:7%減少(有意ではない)
ってな感じ。なんだかラケットスポーツって思ってたよりすごいのかもなーとか思いました。ラケットスポーツの健康効果に関してはこれまで、その他のスポーツに比べるとあまり検討されてこなかったんで、思ってる以上の力を秘めているかもしれないっすね。
また、以上の6つのスポーツのうちのいずれかをやっていることによる死亡リスクの低減は、一般的な身体活動量の推奨ラインを満たしていることによる死亡リスクの低減とほとんど同等の効果が確認されたんだそう。
要するに、死亡リスクを下げるという意味では、ガーデニングや買い物のためのウォーキングといった行動で理想的な活動量をクリアすることと、いずれかのスポーツに勤しむことによる効果は同じくらい、ということ。
てなわけで、スポーツでもガーデニングでも、好きな方法で体を動かしておくとよさそう。
まとめ
研究チーム曰く、
私たちは、特定のタイプのスポーツ、エクササイズが死亡リスクと強く関連していることを発見した。つまり、水泳、ラケットスポーツ、エアロビクスで総死亡、CVD死亡リスクを下げられ、サイクリングによって総死亡リスクを下げられることが示された。
このようなエビデンスの蓄積は、スポーツ界が健康増進のためのスポーツプログラムを開発・普及させ、より多くの人が運動のガイドラインを満たせるようにするために必要なことである。
とのこと。
そんなわけで、どのスポーツもそこまでとっつきにくいものでもないんで、お好きなものから気軽に手を出していただくといいんじゃないでしょうか。
ちなみに、サイクリング、水泳、ラケットスポーツによる死亡リスク低減の効果は、高負荷で行っている人より低負荷で行っている人のほうが大きい、という結果になっておりました。
てことで、「息抜き程度にスポーツをするだけでも長生きにつながる!」と思えば、もう少し積極的に体を動かすモチベーションがわくんじゃないでしょうか。
参考になれば幸いです。質問やコメントなどありましたらTwitterなどでご連絡いただけると嬉しいです。
それではっ!
【参考動画】