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190万人を調べて分かった『牛乳でコレステロールが上がる?』問題への回答

「牛乳って善?悪?」っていう問題は結構錯綜しておりまして,

  • 総死亡率を下げるかも?
  • がんリスクが上がるかも?
  • 心疾患リスクが上がるかも?
  • 体重が減るかも?


みたいに,良くも悪くもいろんなデータが報告されていて,判断が難しかったりします.個人的には,「とりあえず各個人が好みに合わせてほどほどに飲んでおけばいいんじゃないの?」くらいに思っております.

そんな状況下,新しいメタ分析(R)では,合計190万人分以上のデータから「牛乳と心血管代謝の関係」を徹底的に調べてくれていてこれがいい感じです.

牛乳が身体に与える影響は複雑なので,直接の因果関係はわかりにくいんですが,MRっていう,遺伝子多型を用いて因果関係を考察できる統計解析手法を用いて分析していて参考になるんですよ.

この調査では,乳糖を分解する酵素であるラクターゼの活性に関する遺伝子(LCT)の多型を指標に,牛乳の消費を検討したんだそう.



それで,調査の結果どんなことがわかったかと言いますと,

  • 牛乳をよく飲む人は,飲まない人に比べてBMI,体脂肪は高かったが,総コレステロール,HDLコレステロール,LDLコレステロール値はいずれも低かった
  • 牛乳を定期的に飲む人は,冠状動脈性心疾患のリスクが14%低かった.
  • 牛乳の摂取と,2型糖尿病や糖尿病に関連する要素(グルコースとか炎症マーカーとか)に相関は見られなかった.


だったそう.要するに「心疾患疾患リスクとか糖尿病リスクを下げるために牛乳を控えても意味ないんじゃないの?」っていうわけですな.



2型糖尿病なんかに関しては特に,牛乳によるリスクの上昇が強く指摘されていたりしたんで,この結果は牛乳好きにはうれしい結果じゃないでしょうか.



また,BMIや体脂肪の増加が気になる方もいるかと思いますが,この研究の結果としてもその増加量はそれほど多くないですし,他の研究なんかを参照しても,

  • 牛乳でウエスト,体重が減った.
  • 肥満リスクが減少した


みたいな報告が複数あったりするんで,この点はそこまで気にしなくてもいいかもしれません.ここら辺に関しては実際には牛乳それ自体の影響はほとんどないのかもしれませんな.





ということでまとめると,

  • 特にコレステロールの上昇とかを気にして牛乳を控える必要はなさそう.
  • かといって「積極的に牛乳を飲もう!」とは言えないかなぁ


くらいですかね.がんリスクとか他の病気への影響が考慮されておりませんし,牛乳の種類によっても効果が異なる可能性があります.なので手放しで推奨することはできませんが,牛乳は健康を害することは少なく,逆に健康に寄与する見込みもあるかも?ぐらいにとらえておくといいんじゃないでしょうか.個人的には,これまで同様,良質な牛乳をたまにとるくらいでいいかなーと思いました.

参考になれば幸いです.質問やコメントなどありましたらTwitterやお問い合わせのページからご連絡いただけると嬉しいです.

それではっ!

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