健康

ビッグファイブによって認知的なレジリエンスが異なる!という研究の話.

ビッグファイブによって,認知的なレジリエンスが異なる!」というノースウェスタン大学らの論文についてメモ.(R)


近年,認知症の人の問題とかも増えてきて,検死をしたら30~40%もの人がアルツハイマーのホールマークとされる斑や線維が見つかったという報告もあります.もっとも,病理学的には認知症の症状がみられても,実生活においては何の影響も感じさせず,ぴんぴんしている人の症例も多く確認されています.スーパーエイジャーの人たちにも多くみられるやつですね.

つまり,「脳内で起こっている衰退に対して,それが表に出る前に抵抗するレジリエンスがある人が一定数いる」ということです.具体的には,大きな老人斑や,神経原線維変化,過剰リン酸化TDP-43, 海馬の委縮等の症状ががみられるにもかかわらず,認知機能はなお若いまま維持しているのです.


そして今回の研究では,そんなレジリエンスを持つ人って性格によってある程度分かるんじゃない?てことを調べたのです.つまり,レジリエンスを持つ人と性格のビッグファイブの相関を調べたわけです.


ビッグファイブというのは,現在心理学で「もっとも適当」と言われる性格分類法で,簡単には以下の5つに分けられます.

  • 外向性(社交性が高くためらいなく自分を外に表現できる)
  • 開放性(創造性,好奇心が高い)
  • 協調性(他人への信頼,親切さが高い)
  • 神経症的傾向(うつ,不安がち)
  • 誠実性(セルフコントロール能力が高くてコツコツ物事を進められる)



これと,例の「レジリエンス」の関係が調べられたわけです.実験では,1375人の対象者の性格特性,認知機能,検死後の脳の状態が調べられました.

その結果は以下に示すと,

  • 神経症的傾向の高さは,レジリエンスの高さと負の相関がみられた(estimate= -0.11; 95%CI: -0.17, -0.05).また,教育レベルや認知的活動のレベル等を調整してもなおその傾向は確認された.
  • 開放性の高さは,レジリエンスの高さと正の相関がみられた(estimate= 0.04; 95%CI: 0.01, 0.19).もっとも,教育レベル等を調整すると統計的に優位な関係はなくなった.
  • 探索的データ分析によれば,誠実性の高さは,レジリエンスの高さと正の相関がみられ,教育レベル等を調整してもなおその傾向は維持された.

といった感じになりました.神経症的傾向が高い人は認知的なレジリエンスも低く,誠実性が高い人はレジリエンスが高い,やっぱりそうなのかーって感じがしました.外向性や協調性の高さと関係がみられなかったのは少し意外でしたが.


この結果に対して研究チームは,

脳内の病理が進行するにつれ,より高い認知機能を維持する人は,何が認知機能を維持するために一番重要で,失った部位を補完するのに必要かつ効率的,最適かを判断する能力を獲得しているのかもしれない.高い誠実性はこのプロセスを効率的に行う助けとなり,反対に,高い神経症的傾向は,これを阻害しているのかもしれない.

とコメントしております.

誠実性は成功のための万能能力と言われることもありますし,最後まで健康に生きるためにも重要な要素になってくるのかもしれませんね.

ちなみに私も神経症的傾向がやや高いタイプなのでできる範囲で改善していきたいなーと思いました.レジリエンスも後天的に鍛えられると信じて.

参考になれば幸いです.それではまた.

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