突然ですが、今日、あなたは一度でも笑いましたか?
他人との接触が少なくなっている今、笑う機会が減っている人も少なくないかもしれません。
「笑う」というのは、何も特別な訓練等は必要とせずに、多くのメリットを享受できることが知られていて、セラピーの一環として用いられていたりもします。
今日は、そんな「笑う」というシンプルな行為のメリットについてまとめたレビューについて紹介したいと思います。
2016年の三育大学校の調査(R)によれば、笑うことの効果について生理学的な効果と、心理的な効果に分けてまとめられておりましたので、それぞれ見てみることにしましょう。
生理学的な効果
まずは生理的な効果についてみてみることとします。
- 筋肉の運動とリラックス
- 呼吸の改善
- 血液循環の刺激
- ストレスホルモンの減少
- 免疫系の強化
- 痛みの閾と耐性の向上
- メンタル機能の向上
これだけ見ても、笑うことの効果のすごさがうかがえます。
このような多くの効果がみられるのは、笑うということが、筋肉、心血管系、呼吸、エンドルフィン、免疫系、神経中枢系など、多くの分野とのかかわりがあるからだと考えられています。
心理的な効果
次に、笑うことが心理的にどのような効果をもたらすのかを見ていきます。
- ストレスや不安、緊張の減少、うつ症状の緩和
- 気分や、自尊感情、願い、エネルギーや活力の上昇
- 記憶力や創造的思考の向上
- 対人間のふれあいの改善
- フレンドリーさと、助け合いの精神の向上
- 幸福度の向上
- 生活の質、患者ケアの質の向上
- 陽気さが向上し、またそれが伝染する
ってことで、総じてみると、やはり、ポジティブな感情が向上し、ネガティブな感情が減っていく感じですね。
ほかにも対人関係にポジティブな関係が生まれたり、認知機能にも影響を及ぼすのは、言われてみれば確かにそうかなという気がします。
ストレスの減少なんかについてみてみると、気休めにしか過ぎないと思われるかもしれませんが、笑うことによって、血中のストレスホルモンが減少することが確認されていたりするので、確かに効果はありそうなことがわかります。
ほかにも、笑うことで、ストレスのもととして知られる、コルチゾールやエピネフリン、成長ホルモン等のレベルが減少することも確認されています。
また、笑うという行為は、特にネガティブな気持ちの時に陥りがちな反芻思考から抜け出せる可能性もあります。すなわち、笑うことで、物事を客観的に見つめることができるようになり、インサイトが高まることから、問題解決能力の向上も見込まれるということです。
以上より、「笑う」という行為は、生理的には、免疫系から、筋肉や脳の活動にまで働きかけてより健康的な質の高い生活をもたらしてくれる可能性があります。
また、心理的には、緊張や不安、怒りといったネガティブな感情から脱却し、よりポジティブな感情を抱き、仕事や勉強の生産性をあげてくれるかもしれません。
もっとも、どうしようもない不安に陥ったときなんかは、どうしても反芻思考から抜け出せなくなって、そこから脱却する方法なんて頭から抜けてしまいがちです。
ですので、例えば、反芻に陥ったときの対処法として有名な、「STOP!」と叫ぶ、とかと一緒に、今回紹介した「とりあえず笑う」ということをすぐ目に付くところにメモとして張っておいたりするとよいのではないでしょうか。
ほかにも、別に特にネガティブな感情にとらわれてなどいない、ニュートラルな状態でも、ちょっとお笑いの動画を見てみるとかすると、ポジティブな感情が向上し、集中力の向上等がみられるかもしれませんので、やってみてはいかがでしょうか。
参考になれば幸いです
それではまた。