便秘は脳の老化のサイン?
排便の回数と認知機能の関係を探ったぞ!みたいな研究がAlzheimer’s Association International Conferenceで発表されてました。脳の健康を守るためにフォーカスすべき腸内細菌の特定とかに役立ちそうな内容っすね。
こちらは2012年から2013年に収集された112,753人分の排便のデータと2014年から2017年の認知機能の評価を比較する、という内容になってます。さらに12,696人のサブグループには神経心理学的検査を受けてもらい、便サンプルも回収した結果、
- 排便する回数が3日に一回以下の人は、1日1回便意をもよおす人に比べ、認知機能が有意に低下しており、これは3年分の老化に相当していた
- また、排便の回数が少ない人は長期的に認知機能が低下するリスクも73%高かった
- 同様に、食物繊維の消化を助ける酪酸を産生する微生物も少なかった
- ただし排便回数が多ければ多いほど良いというわけでもなく、1日2回以上排便する人は認知機能低下のリスクがわずかに高く、マイクロバイオームには炎症性細菌種が多い傾向が認められた
だったそう。要するに排便回数は認知機能に影響を及ぼす腸内細菌叢の状態を示すマーカーになるのかも?って話っすね。
もちろん今回の研究はあくまで予備的なものですけど、こういうデータを見せられると神経保護のためにも便秘にならないように気を付けようって気になりますよねぇ。
薬物やアルコールで頭が固くなる?
新たな状態、目標、パターンへ適応する(認知的柔軟性)重要性は言うまでもないですが、最近の研究では、コカインやアルコールが脳内の特定の経路を阻害することで、この認知的柔軟性を低下させるぞ!ってところを明らかにしておりました。
こちらはテキサス大学などの動物実験で、コカインやアルコールを曝露した際の反転学習課題(結果や行動が依然とは逆になる課題)のパフォーマンスを調べたうえでそのメカニズムの解明に取り組んでます。
その結果、
- アルコール、コカインともに曝露によって認知的柔軟性が低下した
- コカインやアルコールはdMSNから線条体コリン作動性ニューロン(CIN)への抑制性シグナルを強めていた。また、背内側線条体(DMS)と呼ばれる領域へのCINの発火も減少しており、これにより認知的柔軟性の低下が引き起こされていた
って感じだったらしい。
もちろん、この結果がヒトでどのくらい当てはまるかわからないし、摂取量によっても影響は異なるでしょうが、特にアルコールの摂取によって衝動性を超えて認知的柔軟性にダメージを与えて、、、という負のフィードバックに陥ってしまうと考えるとなかなか恐ろしいですなぁ。
心臓と血管を守りたいなら絶対食べるべき6つの食品
CVDリスクをいかに減らすか?は私たちにとって超重要な課題ですけど、意外と特定のファクターが心血管の保護に働くのがダメージになるのかははっきりしてなかったりするのが難しいところ(乳製品とか)。ガイドラインもなかなかアップデートされてなかったりしますしね。
そんな中で最近、5大陸80か国の食事と健康記録から様々な食品のCVDや死亡リスクとの関連を探った大規模な研究がハーバード大学等より発表されていて参考になりました。
これは低・中・高所得国を含む80か国の35~70歳までの166,762人のデータを分析したもので、平均で9.3年間追跡されております。具体的には以下の6つの食事カテゴリーからなる食事スコア(PURE)を作成し、これと諸リスクの関連を探ったんだそうな。
- 果物
- 野菜
- 豆類
- ナッツ類
- 魚
- 乳製品
基本的には植物性食品を中心に、ファイトケミカルを豊富に含む食事内容ですね。
で、結果的に何が分かったかといえば、
- 追跡期間中に合計8,201件のCVDイベントと10,076件の死亡が記録された
- PUREスコアの平均は2.95で、国民1人当たりの所得が高い国ほど、PUREスコアが高かった
- PUREスコアが5または6の参加者は、0または1の参加者よりも心血管疾患を経験する可能性が有意に低かった。具体的には、、、
- 死亡率が30%低い
- 脳卒中のリスクが19%低い
- CVDのリスクが18%低い
- 心臓発作のリスクが14%低い
って感じで、HEIや地中海式、DASHダイエットのスコアよりも死亡やCVDリスクとの関連が強く認められたらしい。これは使えそう、、、
研究チームはこの結果をもとに、以下の食品群を毎日の食事に取り入れるように推奨してくれてて参考になります。
- 果物と野菜5皿
- 豆類0.5皿
- ナッツ類1皿
- 魚0.3皿
- 乳製品2皿
- 赤身肉0.5皿
- 鶏肉0.3皿
- 以上に加えてさらに週に3-4皿の豆類週に2-3皿の魚
植物性食品を中心にしつつも、動物性食品を全く避けるべきではなく、「適度」に摂取するのが大事ってわけですね。もうちょい魚増やそうっと、、、