「魅力的な体型」についてまとめる機会があったのでシェア。まあ体型は後天的にどうこうできる要素は比較的少ないですけど、肩幅、ウエスト、ヒップを鍛えるときなどはいくらか参考になるのではないかと。モテるために肩幅を広くする!って決意してトレーニングしたのにウエストとの「比率」が残念だったためにむしろモテなくなった。。。なんて事態になったら悲惨ですからねぇ。
優良遺伝子仮説
- まず前提として進化生物学の分野には「優良遺伝子仮説」という仮説がある。この仮説によれば、動物の個体が持つ特定の遺伝子が、その個体の生存能力や繁殖成功に寄与するため、性的選択において好まれるようになると説明される
- 「体型」との関連で言えば、より肩幅、ウエスト、ヒップ、足の長さなどは全体的な健康状態、免疫力、生殖細胞の質、競争能力(体力、敏捷性、持久力)などと関連するという証拠があり、間接的にこれらの体型が「優良遺伝子」シグナルとして働き、パートナー選びに有利に働くという考え方がある
- この考え方は「顔」の魅力についても同様に考えられていたが、最近の研究では、「顔」の魅力は「免疫力」よりも「健康的なライフスタイル」とより強い関連性があることが示されるなど、見た目の魅力が優良遺伝子仮説によってどの程度説明できるのかについては決着がついていない
ウエスト、ヒップ
- 世界的に、平均的な女性のウエスト対ヒップ比は0.70~0.80、男性のウエスト対ヒップ比は0.85~0.95の範囲にある(絶対的な数値は地域や人種により大きなばらつきがあるが、比率はほとんどこの範囲内に収まる)。女性の体型は「砂時計型」と表現されることがあるが、その由来はこのウエスト対ヒップ比にある
- 女性のウエスト対ヒップ比が「優良遺伝子」のシグナルと働くという証拠は昔から複数確認されており、ウエスト対ヒップ比が小さいほど、全体的な健康状態が高い、性ホルモン値が高い、出産および妊娠でトラブルを抱えにくい、健康な脂肪のバランスが高い、などのデータが報告されている
- 特にヒップの魅力に関する進化的適応の理由の一つは胎児の大きな脳の発達に脂肪が重要であることと関連しているという説がある。これは、母親の臀部の脂肪量が胎児の脳の正常な発達に寄与し、その後の認知的発達を予測するという証拠により支持されている
- ただし、最近の研究によれば、ヒップの魅力はその「大きさ」よりも「形(専門的には腰椎の湾曲角度)」に強く依存する可能性が報告されている。この嗜好は、胎児の栄養状態ではなく、性的嗜好のシグナル(背中を弓なりにそらせる様子が雌の発情反射に特徴的)に由来するものと考えられている
バストと肩
- 実は、乳房の大きさと女性の生殖能力の高さとの関連性は明らかではない。実際、両者の中程度以上の相関を示した研究もあればほぼゼロの相関を示した研究もある。少なくとも、乳房の大きさは乳汁分泌量とは無関係であり、乳房の脂肪組織の質が乳汁の栄養と関連するという主張もあるが、実際のところは明らかではない
- 最近の知見では、ヒップの場合と同様に、乳房と魅力の関連は、大きさよりも形が重要な要素であることを示唆するデータが報告されている。例えば2017年の研究では、男性は大きさよりも「ハリと締まり」を感じさせるバストを持つ女性に強く魅力を感じることが分かった
- 「男性的(逆三角形)」を形成する、最も典型的な構造的特徴の一つが「肩ウエスト比」である。平均的な男性の肩ウエスト比は約1.20である(女性は約1.00)。女性のウエストヒップ比と異なり、男性の肩ウエスト比の大きさは、健康状態とはそれほど明確な関連はなく、むしろ生殖、競争、保護行動に重要な役割を果たすテストステロン値の高さと強く関連する。実際、異性愛者の女性は、平均よりやや大きい肩ウエスト比を示す男性に高い魅力を感じたというデータが複数ある
脚
- 一般的に脚の長さは胴体の長さとの比率で表現され、男女ともに脚胴体比は約1.00が平均である。研究によれば、男女ともに平均よりも高い脚胴体比が魅力の向上と相関することが示されている。男女ともに「T字」の体型が好まれる、と表現されることもある
- いくつかの医学的研究では、男性および女性の脚の長さが健康状態のシグナルを示す、すなわち「優良遺伝子」仮説を間接的に支持している。つまり、長い脚をもつ男性・女性は、心疾患、2型糖尿病リスク、中性脂肪、インスリン抵抗性が低く、運動能力(速く走るなど)も高いことが確認されている
- 高い脚胴体比は、ファッションモデルやアスリート(ランナーなど)で確認されており、これは一般層からのモテ率と一致する
基準
- 一般的に、女性に比べて男性は「顕著な女性的特徴」を持つ体型の女性に強く惹かれる傾向がある。つまり、女性が「やや」大きい肩ウエスト比の男性に惹かれるのに対して、男性は明らかに「ボンキュッボン(顕著なS字体型)」の女性に高い魅力を感じる。これは、ボンキュッボンの体型が女性の健康状態をシンプルに表現しているのに対して、上述の通り男性の体型や健康状態とはリニアに相関せず、テストステロン値の向上は家庭内暴力などネガティブな要素を想起させうることが原因と考えられている(これは「テストステロンの二重性」として知られており、テストステロン濃度が高いほど、保護行動、生殖能力、性行動が高まる一報で、高い攻撃性、競争性、独占的行動、嫉妬を示す)
- また、女性が男性パートナーを選ぶ際、想定している交際の期間及び月経周期によっても体型の重要性は変化する。つまり、排卵期および短期的なパートナー選びの際にはより「男性的(肩ウエスト比が高く筋肉質)」な体型の男性に魅力を感じる。具体的には、長期的な関係を望んでいるときに男性に求める外見の基準は約60パーセンタイルであるのに対して、短期的な交際を求めているときには約70パーセンタイルまで引きあがる