人生において学習,成長は尽きないわけですが,何かを学ぼうと思った時に「どんな教材を選べばいいの?」とか,「どんなことに気を付ければいいの?」みたいな疑問に参考になるかもしれないデータが出ておりました.
これはアリゾナ州立大学の調査(R)で,98のデータから,「SHLプログラムで成功する場合と失敗する場合とではどこが違うの?」みたいなことを調べたものになっています.
SHLっていうのは,英語圏に住んでいるんだけど,家ではスペイン語を話す,みたいな場合のスペイン語のことを言いまして,「継承語」とも言われたりします.家族とのコミュニケーションとか,子供のアイデンティティの形成なんかのために,継承語の充実した教育は大事になるんですよねー.
もちろん,そういったプログラムを運営する人とかには当然役に立つデータだとは思うんですけど,私たち一般人でも,何か新しいことを学ぶときに気を付けべきこととかいう点では多少参考になるんじゃないでしょうか.
また,ここでいう「成功」というのは,例えば,
- 登録した生徒の増加数
- 生徒の満足度
- 生徒のスペイン語に関するアカデミックな成長に寄与したか
みたいな点が指標となっています.最初の点について少し補足すると,登録生徒数が安定して増加していれば,その教育の質の高さが推測されるし,将来の教育のための投資も積極的に行えるようになってさらに教育の質が向上する,といったポジティブなサイクルが起きるというわけで,この点も重要になってくるわけなんですよね.
その結果,SHLの成功に寄与するポイントは,プログラムの点と,カリキュラムの点から以下の大きく4つずつにまとめられておりました.
まずプログラムの点では,
- 適切なプログラムの担当者
- 訓練を受けた教師
- 教師の成長の機会
- プログラムの補強,促進
となっていて,次にカリキュラムの点では,
- ミッションの記述
- はっきりしたカリキュラムのゴール
- あたらしい科学技術の導入
- サービスラーニング
があると,成功しやすいといった感じになっていました.「サービスラーニング」というのは,学生が学校で学んだことを自発的に社会に還元するような活動をして,その体験を通じてさらに知識,理解を深める,といった活動のことですね.
この結果を受けて個人が何かを学習する際に応用するとしたら,例えば,
- 常に改良,アップデートされ続ける語学アプリを使って外国語を勉強する.
- 学習の際にはある程度明確な目標,方向性を設定する.
- 学んだことをちょっと社会で活用してみる.
なんかがあるんじゃないでしょうか.もちろんプログラム,カリキュラムについて調べられたものなんでどこまで直接個人に当てはまるかははっきりしませんが,他の研究で裏付けられるような点も少なくないんで,参考にはなるんじゃないでしょうか.例えば語学学習アプリで語彙力,対話スキルが上がる!みたいな研究もあったりしますし.
参考になれば幸いです.それではまた.
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